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エッセイ

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日常のあれこれについての記事です。 食べ物以外をまとめています。
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2021年2月の記事一覧

予期せぬラッキーセブン

紙コップで飲み物が出てくるタイプの自動販売機があるだろう。 学生のころから好きで、ちょくちょく使用している。この時期は温かい抹茶ラテやカフェモカ、苺ココアなどが美味しい。自分で紙コップ(ボトル)とブレンディスティックを用意した方が安上がりなのはわかっているのだが、そのときに飲みたいものがボタンを押せば出てくるのが魅力的でな……最初にお金入れればの話だけどさ。 しかし、先日は本当に「実質」ボタンを押せば出てきたのである。 最近利用している自販機で知らないうちにキャンペーン

バージンヘアからの卒業

初めて髪を染めた。 大学生のときから染めてみたいと思いつつ、髪へのダメージやらその後のメンテナンスやらが気になり、できずじまいで卒業してしまった。そもそも美容院に行くハードルが高く、美容院に行けたのも4年間で1度だけだったので染める以前の問題な気がしなくもないが……。 (ずっと伸ばしてみたり、切りたい衝動に駆られたら自分でハサミを持ったりしていたよ! 今回担当してくださった美容師さんからは「すごいですね!」と驚きと呆れも混ざっていそうな感想をいただいたよ! でもそこそこ揃

「遠き慮りなければ必ず近き憂いあり」

なんなの と奴の目線に合わせ、膝を抱える。 買ってあげたばかりじゃない。なのにすぐ別のを欲しがるの? それなら、いっぺんに言ってよ。買いに行くのは私なのよ? 奴は、うんともすんとも言わない。 ただすり減ったマゼンタ色の下で「!」と訴えるのみ…… ******** プリンターの話である。 事の発端は、もう数か月以上前になろうか。 黒色のインクが無くなりそうだと合図を出してきた。印刷とインクの関係性は詳しくわからないが、どんなものを印刷するにせよ黒は大活躍した功労者と

寝かせていたらミニレポートが完成した(読書感想文②)

私が思うエッセイ二大巨頭の一人である三浦しをんさんについて書いた後、もう一人の北大路公子さんのこともご紹介せねば……と書き、そのままでした。すみません。待っていた方がいるかはわかりませんが……。 一回目より二回目はプレッシャーがあるというか、比較したうえでの紹介だからテキトーにするわけにもいかない。余力があるときにやろうと思っていたらしばらく無かったという話もあるが、今日こそ書くぞ。 と、書いていたらびっくりするくらい長くなってレポートかな? という勢いの分量になってしま

作ることが好きなんだな

ショックなこともあってか、やる気スイッチが行方不明になっているこの頃である。 シクシクしているとき、私は現状好きなものを食べたり甘いものを食べたりすることで持ち直すくらいしかない。しかし、昨日は胃もシクシクしており、もう八方塞がりの状況だった。 ひたすらYouTubeを流し、やったこともない遊戯王の開封動画をぼんやり眺める時間。すごい(らしい)カードが出た時の喜び様を見るのが好きなので意外と見れちゃう。でもよくわかんない。 ぼんやりするのも大事だし、何もしない方が回復す

子どもにも大人にも優しい空間

ふわっとサンリオが好きなので、たまにサンリオショップに赴く。 私は、サンリオが持つ純真無垢な「かわいい」「仲良し」「ハッピー」な雰囲気に溶け込めきれないため、少し近づいてみてはその眩しさに後退りしてしまう。 しかし、そんな私でもサンリオはいつでも温かく迎えてくれる。 だから、凝りもせずふらっと足を運ぶのだ。 季節のコンセプト商品が頻繁に入れ替わるし、キャラクターがかなりいるため頻繁にバースデーグッズが登場するしで、常に新しいサンリオショップに出会える。 しかし、お金も

#せかほし

せかほしが3月で終了するだって!?!? なんてこった!! 説明しよう! 『せかほし』とは、『世界はほしいモノにあふれてる』の公式略称で、木曜日午後十時半からNHKで放送されているテレビ番組である。「ファッション、グルメ、インテリア、雑貨」などの「世界各地に眠るきら星のような素敵なモノを探し求める旅」(公式サイトより引用)という趣旨のもと、基本的には毎回そのテーマのプロをゲストに迎え、映像とスタジオでのトークでその良さを伝えてくれる。 声優の神尾晋一郎さんが天の声(いつも名

食べたいかどうかを主眼に置きたい

プリンの蓋を何気に集めているのだが(ただし、プラスチック製に限る)、新商品の味がそこまで興味ない場合はどうしたら良いのだろうか。 以上、聞かれても困る質問ランキングの上位に食い込む問いかけでした。 最近その商品を見るたびに自問しているため、趣向を変えて外へ発信してみました。巻き込むな、どっちでもよろしい、というご意見はもっともでございます。だって、私もそう思いますもの……。 自分以外に質問してしまうくらいなので、当然まだ購入していない。自答は毎回「うーん、今は違うかな……

ある日の電車内(陣地取り編)

貴重な休日が出勤に変わった某日、早朝の駅のホームで私は三十分近く電車を待っていた。運休や遅延が相次いだためである。 本来ゆっくり寝られる日なのに急遽早起きして、いざ駅に行ったら三十分の待ちぼうけ。やさぐれちゃうよ、もう。 仕事に行くモチベーションも潰えた頃、電車がやってきた。しかし私のように乗り損ねた人が大勢おり、空っぽな車内は数秒で埋まりそうである。一抹の不安を抱きながら前進する。 すると、すぐ数人先に見覚えのある長身の男性を見つけた。知り合いではない。以前一回だけ車

作品の名は

絵柄は頭に浮かぶけど、作品名も人物名も出てこない。デザインを見たいが、抽象的な手がかりしかなく、検索できない。 上記の状態で、数日間思い出そうとするたびにモヤモヤしていたが、ついに終止符が打たれた。 私がその作品を知るきっかけになった母親にLINEしました(奥義:質問)。 手がかりは3つ。これを読んでいるあなたはご存じの作品だろうか。ご存じだとしても以下の情報でピンときてもらえる自信はないので、謎解きのつもりで見てみてほしい。 (母に送った内容) ①母が好きで(今はわ

雪道と靴

太陽の当たり具合の違いか、道沿いの建物の違いか、車道を挟む二つの歩道で雪の状態が異なることがある。気温が高い日はそれが如実で、どちらを選択するかで足元の行く末が決まってしまうのだ。 1つは良い感じに溶けて歩きやすくなる道。 全体的に道路が見えているわけではないが、雪道の部分も踏み固められていたり平坦な氷だったりして気を付ければ問題なく歩ける。 そしてもう1つは、じゃくじゃくの雪で溢れ、無数の足跡がくっきり残る道。 踏み固まる気配がないくらいの水分量を含む雪が道全体にあ

冷蔵庫の謎

ある朝、私は少しばかりのワクワク感を抱きながら、冷蔵庫からもやしのすし酢和えが入ったボウル(プラスチック製)を取り出した。 ラップをバラりと外し、箸でもやしを軽く混ぜてみる…… なんだ、凍ってないじゃん。 何を言っているのかこいつは、状態だろう。 あるいは、「冷蔵庫」と「冷凍庫」を書き間違ったんじゃないか、もしかしたら「冷蔵庫」と「冷凍庫」の区別がついていない……? 否。どれでもないので、しばし聞いてくだされ。 あれは数週間前のことだった。 いつものように、もやしの

腹がいっぱいでも就寝できぬ

昨日の投稿で三浦しをんさんの本をご紹介したのだが、こうなるとその記事では名前だけの登場となった北大路公子さんの本についても紹介せねばという思いが芽生え、日をまたがずして急激に花を咲かせたのである。私は何を言っているのだろうか(知りません)。 私の中ではエッセイ二大巨頭であるお二人。 彼女らのエッセイについて、前回は「それぞれ雰囲気が違う」くらいしか述べなかった。 なので具体的にどう違うのか、そしてそれを踏まえつつ、北大路さんの作品の良さとは、さらにそれらを読んでいる方へ伝

エッセイの教科書(読書感想文)

三浦しをん『ビロウな話で恐縮です日記』(新潮文庫)、やはり面白かった。 実は数年前に単行本を図書館で借りて読んだことはあるのだが、文庫本がいつの間にか出版しており、これは買わねばと思った次第である。本書はインターネットで掲載していた日記を収録したもので、文庫版は文庫オリジナルの脚注や後書きもあり、お得感マシマシだ。 (私が作家さん目的で本を買うのは三浦しをんさんと北大路公子さんの二名ほど。お二人ともエッセイを執筆されるが、それぞれ雰囲気が異なり、そのどちらもが私の憧れであ