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変な人

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スタッフが偶然出会った、愛すべき「変な人たち」をご紹介。忘れたくても忘れられない、強烈な個性に乾杯。
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2023年9月の記事一覧

変な人 (21)新宿の怪人イエローハット

 最初に気づいたのは、黄色い違和感だった。  それは暑い、ある夏の日の出来事。訪問先での…

yzshoten
1年前
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変な人 (20)東久留米、伝説の寒暖法男

 その男は、あの幻のトレーニングを行っていた。  (本編、下ネタにつき、苦手な方はご遠慮…

yzshoten
1年前
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変な人 (19)練馬駅、背筋を伸ばした黒服老人

 その老人は全身を黒で固めていた。  ある日の朝、都営大江戸線で新宿から練馬に到着し、西…

yzshoten
1年前
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変な人 (18)上野、魔法の徳利を持つ男

 その男の徳利から、また一滴、酒が注がれた。  それは、ある大衆居酒屋のカウンターでの出…

yzshoten
1年前
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変な人 (17)池袋駅のフリフリ男

 その男は全身をフリフリしていた。  それは、池袋駅構内、飲み会が終わった夜11時半すぎの…

yzshoten
1年前
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変な人 (16)小金井、全裸の騒音男

 その男は、とにかく騒音を立て続けていた。  全裸などと、皆に読んでほしい一心で思わせぶ…

yzshoten
1年前
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変な人 (15)新宿御苑のヌンチャク携帯男

 真正面から、いきなり変だった。  それは、とても奇妙なアクセサリに見えた。  新宿御苑のまだ古い佇まいを残す商店街を、知り合いの事務所に向かって歩いていたときのこと。  商店街の端の小さな交差点にその男は立っていた。  だれかを待っている、そんな感じだった。  身長180センチほど。ややを通りこし、ずいぶんと太ったお身体。  小さな目が、出っ張ったオデコと頬の間に埋もれるように配置されている。  縦縞スーツの着こなしが、そこはかとなくだらしない。  男は交差点の端に立ち、

変な人 (14)丸の内線のシェルパ男

 カバンが宙に浮いていた。  朝の9時半に会社で打ち合わせがあるため、通勤客で混みあう丸…

yzshoten
1年前
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変な人 (13)新宿3丁目のお殿様男

 頭がまったく揺れないのだ。  その人物の後姿を目にしたとき、きっとふざけているのだろう…

yzshoten
1年前
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変な人 (12)丸の内線のフセン男

 その本には20枚くらいの付箋が貼られていた。  珍しく、朝8時半くらいの丸の内線に乗って…

yzshoten
1年前
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変な人 (11)謎の写真集女

 その女はただ、じっくりと眺めるのであった。  毎日のように数千人、数万人が出入りしてい…

yzshoten
1年前
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変な人 (10)丸の内線のスピリッツばあさん

 謎は謎だけど、気持ちよい謎もある。  それは山手線で池袋から新宿に向かう車中でのこと。…

yzshoten
1年前
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変な人 (9)決して座らないオババ

 そのオババは本当にガンコだった。  それはいつものように、丸の内線で新宿に向かっている…

yzshoten
1年前
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変な人 (8)丸の内線、―線を越えてしまった男

 社会的許容範囲について考えさせられた。  たとえば通勤列車内における飲食。  私の記憶だが、30年前は電車内でペットボトルの飲料を飲むということさえ、かなり勇気のいることだった。  それがなんとなく許されるようになったけれど(許した覚えはありませんが)、飲食のボーダーラインは、長い間、ペットボトルあたりで収まっていたと思う。  だからペットボトルより、食べものとしての存在感のあるもの、たとえばサンドイッチとか、お饅頭とか、紙パックの牛乳などを車内でいただくということは、明