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全国学力学習状況調査問題を活用する ~学習の個性化を目指して~


1 はじめに

 今年も全国学力学習状況調査が行われました。
 この調査問題は、授業で活用することができます。
 それを通して、学習の個性化が図りたいと考えます。

2 問題を活用するとは

 問題を活用するとは、授業に問題作り活動を取り入れるということです。
 問題作り活動とは、

生徒が問題の一部または全部を変えて、新しい問題を創って解く活動

です。ここで、全部というのは、本質を変えずに問題場面を変えるということです。
 この活動をすることで、与えられた問題を解いて終わる、よりも数学的な見方や考え方の定着を図れます。

3 学習の個性化とは

 学習の個性化とは、個別最適な学びを実現するための要素の1つです。
 加固(2023)は、1単位時間の授業の流れについて、次のように提案しています。

図1 1単位時間の使い方

4 全国学力学習状況調査

 今回授業で取り上げるのは、令和6年4月18日に実施された中学校数学の大問6の問題を参考にして、作り変えることを考えます。

 まずは大問6の問題文を一部抜粋して、紹介します。(図2)

図2 令和6年度全国学力学習状況調査中学校数学大問6より抜粋

 この問題の趣旨は、〇に入る数がどんな整数だったとしても、3つの〇の和の2倍が、3つの▢の和になるということを、文字式を使って証明できるかどうかです。

図3 文字式を使った証明の概略

5 問題を創る

 では、この問題を変えて、新しい問題を創ります。

 生徒が元の問題(図2)をどう変えるのか、想定してみました。

生徒の反応の想定

 ④については、実際に図2の問題の続きで、実際に出題されています。その図を、下に示します。

図4 正三角形を正四面体に変える
令和6年度全国学力学習状況調査数学より抜粋

6 授業で問題を創らせる視点

 生徒には、いきなり「じゃあ、問題を創ろう」といっても、中々難しいです。
 そこで、加固(2023)が述べている、次の視点がとても参考になります。

図5 問題を創る視点をもつ(加固,2023)

 詳しくは、参考文献に示した文献を参考にされてください。

7 おわりに

 上述したように、問題を創る活動を通して、数学的な見方や考え方の確実な定着を目指します。

 問題を創らせると、授業前半で見つけた数学的な見方や考え方が使えない問題を創る生徒もいるでしょう。
 その時、生徒はなぜ答えがでないのだろうか?と考えて、数学的な見方や考え方を確実に身に着ける機会に出会います。

 教師から与えられた問題に答えを出すだけではない、このような学習活動も取り入れていきたいですね。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

・ 参考文献

1 令和6年度全国学力・学習状況調査の調査問題 中学校数学,国立教育政策研究所

https://www.nier.go.jp/24chousa/pdf/24mondai_chuu_suugaku.pdf

2 小学校算数「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実,加固 希支男,明治図書

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