【今でしょ!note#110】Enjoy!管理職
いかがお過ごしでしょうか。林でございます。
私は読んでいないのですが、先日「罰ゲーム化する管理職」という本が出版されたようです。
私も、管理職任用試験の候補者として社内で推薦された時の正直なファーストインプレッションは、「雑務が増えるだけで自由度が減りそうなので、できればやりたくない・・」というネガティブなものでした。
周りの管理職を見ていても「明らかに仕事の責任と負荷だけが増えている」ようにしか見えなくて、なかなか覚悟が決まりませんでした。
管理職任用試験にチャレンジするか否かは、自分の家族も含めた人生設計にも関わる話ですし、会社側の人間になることが自分にとって幸せなのか・・?としばらく悩んでいましたが、最終的には受けることを決め、試験を経る過程で同じ候補者と会社をどうしたいのか?を議論することを通じて、「こんなにイケてる仲間がいるのか」と実感し、今は、管理職は楽しい役割だと心から思います。
管理職が本当に楽しいか否かは、当然個人の相性もあると思いますが、私が当時から感じていた問題は、「管理職=罰ゲーム」というイメージが最近はかなり強いこと。もちろん、管理職に求められる役割は増えており、責任も当然大きくなります。
でも、自由と責任の大きさが比例するのは、別に管理職に限らず、個人事業主であろうと、何であろうと共通する一般的な話だし、管理職に求められている役割が増えているとは言え、一人でできることには当然限界がありますから、優先度を決めて特に必要だと考える役割を全うするしかないのです。
そして何より、あまり管理職自身が「管理職の楽しさ・やりがいを発信していない」ということを私は課題視しているので、管理職という仕事の何が楽しいのか、話をします。
1.メンバーと共にプロジェクトを進めている実感
私がチームメンバーとして仕事をしている時と全く感覚が変わったのは、「プロジェクトをメンバーと共に進めている」という実感が大きくなったことです。
私の仕事は基本的にプロジェクトベースの仕事で、プロジェクトが発足すると、社内・協力会社を含めて多くの人数を集め、プロジェクトが終わると離散していく、という性質の仕事です。
当然、チームプレイであることは、どの立場でも変わらないのですが、「管理職」の目線でプロジェクトを進めていると、プロジェクトを前に進めるのに必要なあらゆる仕事のそれぞれの領域で、自分のチームメンバーが奮闘して、前に進めてくれている、というのが、かなり鮮明に見えるようになりました。キングダムの武将が陣形を眺めているような感じです。
メンバーとして仕事をしている時には、とにかく自分に与えられた役割を全うして、横の仕事も眺めながらサポートできる時にはサポートする、という感じでやっていたのですが、隣のチームメンバーの動きも含め、かなりよく見えるんですね。
プレイングマネージャーとは言え、当然全ての仕事の細部まで自分でやることは不可能ですから、自分として「ここだけ押さえておいてほしい」と考える部分だけ伝えて、進めてもらう。
その時にどういう言葉で、どのようなタイミングで伝えるか、によって、仕事を任せたメンバーのパフォーマンスが変わることも面白いです。
そしてこれはかなり奥が深く、私も新米管理職としてこれから学んでいかないといけないところです。
自分の期待事項の60%くらいでも結果を出してくれれば万々歳だし、とにかくプロジェクトを前に進めることが大事ですから、多少トラブったりしても、許容できるシーンが多くなりました。
一人では攻略できない仕事をメンバーと共にクリアできた時の喜びは半端なく、心から感謝の気持ちが湧いてきます。
この感覚は、私の場合は、管理職になって初めて感じた感覚です。
2.メンバーの成長が何より嬉しい
次に、メンバーの成長です。
自分がプレイヤーの立場でガンガン仕事をしていた時には、何よりも自分の仕事で結果を出すことが最優先で、自分ができることが増えたことに喜びを感じていました。
管理職になると、当然問われるのが自分個人の成果ではなく、あくまでチーム成果になりますから、自分のチームメンバーが成長してパフォーマンスを上げていくことが求められます。
日々忙しく仕事をしていると、なかなか成長の前後を実感することは難しいと思います。
ただ、管理職の仕事の一つは「メンバーの成果を評価する」ことですから、そのような目線で見てみると、意外と数ヶ月前よりも今の方が格段にできることが増えていたり、主体的に仕事を進められるようになっている、ことに気付けるのです。
私の場合、管理職という職位に就いたタイミングで同時に異動をしているため、チームには、自分よりも仕事内容に詳しいメンバーと、その後新卒で入ってきたメンバー、中途採用で入ってきたメンバーがいます。
自分も今の部署での仕事を覚えながら、特に新卒と中途で私より若干後で入ってきたメンバーとは共に学びながら仕事を進めている、という感じですが、当たり前ですが最初に入ってきた頃と、今のたくましさが全然違うんですね。
特に、新卒で入ってきたメンバーにとっては「私のチームでの仕事のやり方=そのメンバーの人生における初めての社会人経験」になるわけですから、その責任感は重大なのですが、自分で色んな人を巻き込んで何とか仕事を前に進めようと奮闘している姿を見ると、涙が出そうになります。
慣れてくると、悪い意味で手抜きする仕事のやり方を覚えてしまうのですが、それをやってしまうと成長もそこでストップするので、ぜひそうならないように伝えていきたいです。
自分一人では突破できない壁を色んな人を巻き込んで、自分の言葉で説明して、成果を得たときの達成感・手応えを、これからもたくさん味わってもらいたいですし、管理職としては、そのような場をアレンジして仕事の面白さを感じてもらうことが最高の喜びだったりします。
3.自分が大切にしたい価値観を直接浸透できる
私が大事にしたい価値観は、「人生も仕事もEnjoy!」です。
それを実行するために、成果に直結する仕事だけにできるだけメンバーの仕事をアサインすることを考えるし、「時間あたり生産性」にとてもこだわっています。
だから成果に直結しないと思われる仕事があったら、「それはやらなくていい」と伝えるし、プロジェクトの中でのコミュニケーションにおけるお見合い(相手側がやってくれると思って待っていた)みたいな無駄な待ち時間はやめてほしい、とお願いしています。
仕事以外の人生の時間も充実させてほしいので、「頼むから休んでくれ」というのも口酸っぱく伝えるようにしています。
メンバーの立場だと、こういうことが大事だよね、という話を自分の上司や他のメンバーにすることで、共感してくれる人は作れるのですが、なかなかチームカラーにするところまでは難しいです。
しかし、管理職という職権を乱用することで(笑)、「自分のチームは、これでいくぞ!」と勝手に自分の色をより直接的にチームカラーにできます。
まずは自分のチームで大切にしたい価値観を示して、メンバーと対話して、次はプロジェクトメンバー全体の価値観にする、みたいな壮大なチャレンジができるのは、管理職ならではのやり甲斐といえます。
ここまで述べてきた通り、管理職は責任が大きい分自由度も大きく、私は「本当になってよかった」と思っています。
どなたかの参考になれば幸いです。
それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
今日もお読みいただき、ありがとうございました!