矢森ユウ

男性/臨床心理士/公認心理師

矢森ユウ

男性/臨床心理士/公認心理師

マガジン

最近の記事

  • 固定された記事

矢森ユウと性加害について

 私は、心理職で働いている男性です。様々なきっかけがあって、性加害について調べることになりました。それをココでは記事にできたらと思っています。  まずは私の、noteでの立ち位置をいくつか表明しておこうと思います ・イチかゼロ  性加害があったかどうかは、イチかゼロでしか判断できない。そこに中間はない。性加害があったなら、どんな言い訳や言い分を並べても、イチはイチ。そしてそこには、加害者と被害者が存在する。 ・性加害の少ない日本の正体  日本は性犯罪の少ない国として知ら

    • 第二次性徴期。では第一次は?

       第二次世界大戦の、日本における終戦日は?  答えは、1945年8月15日。これは、おそらく多くの方がご存知だと思います。  それでは、第一次世界大戦の終戦日は?  答えは、1918年11月11日。コチラは日本ではあまり知られていないように思います。  最近、未就学の男児による性加害が問題となっています。女児、成人女性への身体接触、覗きといった、大人顔負けの事件が日々起こっています。  母親同伴なら、男児が女湯や女子トイレに入ってもいいという文化も、問題視されるよう

      • 「触る」は性加害ではない

         事件が話題となり、教育委員会の対応も問題視されている、茅ケ崎市立小学校での性加害問題。事件の内容は、2年生女児が、複数の6年生男児から図書室で囲まれ、下半身を触られる等の性被害を受けたと訴えたもの。しかし市の教育委員会は、他児童への影響を鑑みて校内調査をしないと発表した。  性加害事件として報道が加熱する中、市の教育委員会は次のようなことを報道機関に求めた。 「体に触った以上のことは確認できず『性加害』という言葉はそぐわない」 「重大な性犯罪行為が行われたと推測されること

        • ワンタッチ痴漢という新しいカタチ

           24時間テレビで公共の電波に乗せられた性加害に対して、法的措置が取られることはないようだ。  痴漢行為については、間違った認識を持っている人を見かけることがある。それは、現行犯逮捕でないと捕まらない、というものである。  実際は、証拠さえ揃えば後日逮捕が可能だし、非申告罪だから、被害届がなくても警察は捜査できる。  だから24時間テレビで起きたことに対して、日本テレビは「法的措置を講じない」とコメントしたが、警察は捜査が可能だし、既に動画という大きな証拠がある。  なぜ捜

        • 固定された記事

        矢森ユウと性加害について

        マガジン

        • 性加害
          11本

        記事

          逃げても逃げなくても減刑

            noteに投稿した文章だけで、私の人となりを知ることは難しいだろうけど、「社会を裏切った」とかいうことを、大きな主語で語られるのは、人並みに苦手です。  しかし2024年9月12日に下されたある事件の判決は、「司法の信頼を失墜させた」と感じています。  事件が起きたのは2018年2月13日。岐阜県大垣市の団体職員、山内貴仁被告(33)が、石川県の女性宅に侵入し、強姦目的で結束バンド等を使用し拘束したもの。  被告は、女性が抵抗したため、近所に物音を聞かれていないか確

          逃げても逃げなくても減刑

          不同意わいせつ罪

           2023年7月13日の法改正により、強制わいせつ罪が不同意わいせつ罪へと変更されました。ここではややこしいので、古い表現ですが強姦(罪)と表現します。  さて、これまで強姦に関する量刑に関しては、同意の有無が重要視されてきました。それは今回の法改正で「不同意」という言葉が使われていることからも分かります。  同意の有無と強姦については、これまで、長い間議論されてきました。何故ならば、同意の有無について証明することは、とても困難だからです。強姦は閉ざされた空間で行われ、そ

          不同意わいせつ罪

          刑を量る

           私は最初のnoteで「性加害者を裁こうとしない社会」と書いた。近く、性犯罪の量刑について書く機会があるだろう。その前提として「頂き女子りりちゃん」事件について触れておきたい。  頂き女子りりちゃん(本名、渡辺真衣被告)は、男性三人から金銭を騙し取り、罪に問われた女性である。その判決が令和6年4月22日に出た。懲役9年、罰金800万円。そのニュースを聞いたとき、直感的に「重いな」と感じた(控訴審中であるため刑は確定していない)。私は法律の専門家ではないが、心理学は司法と関わ

          疑わしい男は痴漢であるという極論について

          「痴漢は犯罪です」  そう書かれたポスターを久しぶりに見た(気がする)。ある漫画で、「それって当たり前じゃない?ニンジンは野菜です的なこと?」というセリフがあった。それはまったくその通りだと思う。 「痴漢は性犯罪です」  こう書けば、まだマシだろうか。「ニンジンは緑黄色野菜です」くらいにはなったかもしれない。  私は電車通勤だが、よく止まる。理由は、安全確認、大雨、人身事故、線路内への人の立ち入り……。職場では「線路への立ち入りって、どういう状況?」と、たまに話題にな

          疑わしい男は痴漢であるという極論について

          国民的パイオツカイデー

           国民的番組の次は国民的アーティストのお話。  コトが起きたのは「週刊ナイナイミュージック」という番組の中。ドラマ「新宿野戦病院」と、主題歌「恋のブギウギナイト」を務めたサザンオールスターズのコラボ企画の一場面だった。ボーカルの桑田佳祐が、ドラマの出演者に向かって「小池栄子好き。パイオツカイデー」と発言したのである。 そしてその後、映像を見た番組MCを務めるナインティナインの矢部が次のように発言した。 「パイオツカイデーとか許される人、今本当少ないですから。桑田さんならス

          国民的パイオツカイデー

          国民的見逃し

           日本はこんな国だったのか。そう思い知る。  性別が男であること。それがこの上なく恥ずかしい。歳を重ねて、社会を知って、過去を振り返る。  自分は、性加害者だった。  児童虐待の四分類。暴力的虐待、心理的虐待、性的虐待、ネグレクト。その中で性的虐待は、最も罪深いとされる。それは、過失では起こり得ないから。性的虐待には、必ず悪意がある。  しかし、性加害となると、話は変わってくるらしい。男が作った社会、男が作った国を、男が動かしている。女性蔑視という言葉では片付けられない

          国民的見逃し

          男は女から嫌われていることを自覚したほうがいい

           令和になって、男性と女性の関係性は大きく変わったと感じる。それは、女性が男性に対する不満を発言できる文化が育ってきたからだろう。それはたとえ匿名だったとしても、世界へ発信することによって拡散し、賛同者を得て力となっていく。なぜならその中身が、これまで女性が泣き寝入りするしかなかった、諦めるしかなかったものだからだ。日本によって黙殺されてきた、男性が女性に与えるダメージが、今、溢れ出そうとしている。令和の時代にあって、平成や昭和の中に生きる男は、男性からも女性からも排除されて

          男は女から嫌われていることを自覚したほうがいい