【シジョウノセカイ】《日常》⑩終
【10、幸せの1ページ】
ピークは過ぎたものの、まだ帰路に着く人集りは多い。いつもならこんなにたくさんの人がいたらルファラは怖気付いていただろう。しかし今日はいつもと少しだけ違う。何かあっても心配してくれる人がいる、怒ってくれる人がいる。それがとても心強いことだと再認識したからだ。きっとまた不安になる時が来るだろう。傷付き動けなくなってしまう時が来るだろう。それでも今だけはどんなことがあっても耐えられる、そんな気がしてならなかった。
ルファラの左手にはアイラの右手が強く