「怒る」を捨てると見える世界
こんにちは。心理カウンセラーの佐々木優斗です。
あなたは普段、「怒る」を使っていますか?
僕は昔、よく「怒る」を使っていました。
特に、子育ての場面では、思うようにいかないことが多くて、ついイライラ。
子どもたちに対して、よく「怒る」を使っていました。
でも、意識的に「怒る」を「捨てる」をするようになってから、見える世界が見違えるように、変わっていったんです。
殺伐としていた「ピリピリした世界」が、「穏やかな世界」に180度変わりました。
この記事では、「本当は『怒る』を手放したい」と思っている方に向けて、「怒る」を手放すと、どんな世界が見えるようになるのか?
また、「怒る」の手放し方についても、心理カウンセラー目線でご紹介していきます。
参考にしていただけたら、嬉しいです!
そもそも人はなぜ「怒る」のか?
人が怒る理由は様々ありますが、色んな理由をギュッとまとめると、実は「寂しい」を感じているからなんですよ。
人は「寂しい」を感じたときに、「怒る」を選択しがちな生き物なんです。
ちなみに、あなたは「怒り」という感情が、「ニ次感情」と言われていることをご存知ですか?
「寂しい(一次感情)」が発生して、それを隠すように、次に発生しているのが「怒り(二次感情)」だからなんですよね。
では、僕が子育ての場面で、よく「怒る」を使ってしまっていたときの具体例をご紹介しながら、詳しく解説していきます。
例えば、「注意しても、子どもたちがおもちゃを片付けてくれない」という場面に遭遇したときには、つい反射的に→イライラ。
そして、「怒る!」をしていました。
でも、実は「イライラするから→怒る」ではなくて、「注意したのに聞き入れてもらえなかった」という、自分の「寂しい気持ち」を守るために、「怒る」という手段が発生→選択をし、「聞き入れさせる!」をしようとしていただけだったんですよね。
つまり、実は「怒る」は、「無意識でやってしまう反応」なんかではなくて、意識的に選択できる「行為」なんですよ。
「いやいやいや、そんなの信じられないよ!!」
という声が聞こえてきそうですが。笑
でも、あなたも「怒る」をしたあと。
しばらくして、感情が落ち着いてから、誰かにゆっくりと話を聞いてもらったら、本音の本音が、胸の奥からポロリと出てきた。
なんて経験をしたことは、ありませんか?
よく、刑事ドラマで、感情的になって犯罪行為を犯してしまった犯人が、刑事さんからカツ丼をもらい、優しく声をかけられると、
「実は、わかってほしかっただけなんです・・・!」と涙ながらに語るシーンがありますよね?
あれは、一時的な「怒りのエネルギー」が発散されきった後に、一次感情である「寂しい」が、表に滲み出て来ている様子です。
「寂しい」という自分の感情を認め、その場で自分の「感情」と向き合うことができるようになると、「怒る」を選ばなくてもよくなるんですよ。
では次に、さらに具体的に「怒るの手放し方」をご紹介していきますね。
「怒る」の手放し方
前述した通り「怒る」の背景には、「寂しい」があります。
なので、「怒る」を手放したいなら、まずは「相手」ではなく、「自分」に目を向けようとすることが大切なんです。
そして、「自分は今、何に『寂しい』を感じているんだろう?」と自問自答してみる。
すると、「怒る」以外の手段が見えるようになるので、冷静さを取り戻せるんですよね。
そして、感情の中にある「寂しい」という本音に気づけたなら、次にしたいことは、「寂しいの伝え方スキル」を磨いていくことなんです。
ここで登場するのが、「Iメッセージ」と「Youメッセージ」というノウハウです。
「Iメッセージ」と「Youメッセージ」とは、「主語」を選ぶメッセージの作り方のこと。
「Iメッセージ」の主語は「わたし」。
「Youメッセージ」の主語は「あなた」です。
イライラしてしまった出来事があった際、人はついつい「あなたが悪い!」としてしまいがちなんですが、このときに使用しているのが「Youメッセージ」です。
でもここで、「Youメッセージ」を「Iメッセージ」に変換できると、「寂しい」がちゃんと伝わるようになります。
例えば、過去の僕が「注意しても、子どもたちがおもちゃを片付けてくれなくて、イライラした」という場面の場合、
「Youメッセージ」を使って、現実を変えようとすると「なんで片付けないの!?怒」となります。
でも、これを「Iメッセージ」にすると、「片付けてくれなくて、パパは悲しいよ」というメッセージの伝え方になります。
すると、ちゃんと子どもたちの心には「(パパの心を気づつけてしまった)」という感情が芽生えるので、片付けに協力してくれるようになります。
これは、もちろん「大人同士の会話」でも同じで、
例えば、仕事の指示を聞いてくれない部下がいたときに「なんで、指示通り動かないんだ!!怒」と伝えるのは、「Youメッセージ」ですが、
これを「Iメッセージ」に変換すると、「指示を聞いてもらえないのは、辛いよ」というメッセージになり、心を通わせた会話ができるようになります。
ここまでの流れをまとめると、次のようなステップで「怒る」を手放せるようになります。
【「怒る」を手放すためのステップ】
①「怒る」を使いたくなったときには、「相手」に向けた感情を、一旦「自分」に向き直してみる。
↓
②そして、感情の中に隠れた「寂しい」を発見しする。
↓
③Iメッセージに変換し、言語化して、伝える。
イメージはできましたでしょうか?
論理的に解説すると、上記のようになるんですが、この説明だけだと「頭ではわかるけど、実際にできるかは、不安・・・」と感じる方もいらっしゃるかもなので、
最後に、感情的に「怒る」を手放したくなる考え方をシェアさせていただきます。
もしかしたら、中にはちょっと耳の痛さを感じる方もいらっしゃるかも?なんですが、かくいう僕自身も、過去に同じ体験をしています。
【衝撃】「怒る」は”楽”をする行為だった!?
僕が好きな、アドラー心理学の教えの中にも、「怒る」という感情についての話が登場します。
アドラー曰く、「怒りっぽい性格の人などいない」そうなんですよ。
世の中に存在しているのは、「コミュニケーション」から逃げて「怒る」という”楽”をしたいだけの人間なんだとか。
そう、実は「怒る」という行為は、「楽」をしている行為なんです。
僕はこの話をはじめて聞いたときに、かなり「ゾッ・・・」としたことを覚えています。
だって、昔の僕は、「子どもたちの教育のために」という大義名分を振りかざして、「怒る」という行為に、逃げていただけだった。と知ってしまったからです。
子どもたちから見た親の僕は、ライフラインとなる存在。
もし見捨てられたら、生きていけません。
ライフラインである親の僕から、「怒る」を使われた子どもたちは、まるで銃口を突きつけられたほど、怖い想いをしていたのでは?と思うんですよね。
例え、銃口の中に、玉が込められていなかったとしても、銃口を向けられた側が感じる恐怖の量は変わりません。
「『怒る』は楽がしたいだけ」と知ってからの僕は、「怒る」を使いたくなる場面で、意識的に「怒る」以外の選択を探して、使うようになりました。
それはまるで、いつもエスカレーターに乗っていた人が、階段を使うようになったときに感じる、あの「めんどくささ」や「しんどさ」を感じる、トレーニングのような感覚でした。
でも、筋トレをするほど、重いダンベルを持ち上げられるように、「怒るを使わない」と決めてからは、どんどん些細なことでは、苛立ちを感じなくなっていきました。
今では、外出した際に、他の家族が子どもたちを怒っている様子を見るたびに、「あんなことで怒らなくても良いのにな〜」という、心の余裕さえできました。
そして、「怒る」を使わなくなってから、子どもたちとの心の距離感も、ぐんと近づいたんですよね。
なので、今となっては「怒る」を手放すトレーニングを続けて良かったと感じています。
上記では、「子育て」の場面での「怒るの手放し事例」をご紹介しましたが、これはもちろん大人同士のコミュニケーションの場面でも同じです。
職場の上司、同僚、部下などに対して、つい「怒る」を使ってしまう、という方は、コミュニケーションを避けた「楽」をしたいだけなのかもしれません。
アドラー心理学では、「すべての悩みは対人関係の悩みである」と言われています。
それほど、コミュニケーションから生まれる、ストレスは大きいものがあるんですよね。
だから、ついつい何歳になっても、人は「怒る」という楽な手段を選びがちなものですが、そこで「楽」を選ばずに、他の手段を考えられる人は、人間的にも信頼され、愛される人になっていきます。
そして、他人から信頼され、愛されるようになると、「怒る」を使っていたときとは180度違う「穏やかな世界」があなたの目の前に広がっていきます。
いかがでしたか?
「怒る」を意識的に手放す!をすると、人生がどんどん穏やかになっていきますので、この記事を読んで、ピンと来た方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?
この記事が、あなたと、あなたの身の周りの大切な人の人生が、より穏やかになるための一助になれましたら、幸いです。