「たんぱく質の重要性：身体づくりの基盤を見直す」
「たんぱく質の重要性：身体づくりの基盤を見直す」
既存の栄養学では、たんぱく質の推奨摂取量は食事全体の20％程度とされています。しかし、たんぱく質は体内で水分に次いで多い成分（20〜25％）であり、その重要性は語源からも明らかです。「プロテイン（たんぱく質）」の語源であるギリシャ語の「プロティオス」は、「一番大切なもの」を意味します。それほどたんぱく質は身体にとって欠かせない栄養素であり、特に成長期の子ども、痩せている人、病気やケガからの回復中の人には必要不可欠です。
たんぱく質の役割
たんぱく質は、身体の材料としての役割だけでなく、次のような多岐にわたる働きを担っています：
• 骨、歯、皮膚、毛髪、爪、ホルモンの原料となる
• 内臓の形成と修復
• DNAの材料
• 血管の形成
• 酵素の生成
• 抗体の生成（免疫機能の強化）
• 栄養素や酸素などの輸送
• 情報伝達
• たんぱく質の貯蔵
• 身体のエネルギー源
これらの役割を踏まえると、たんぱく質が不足するとこれらの働きが低下し、健康に悪影響を及ぼします。私は患者さんの爪、髪、肌の状態を診て、それらにトラブルがある場合には食事指導の参考にしています。
栄養摂取の常識を見直す
近年、炭水化物の摂取が重視される傾向が続いていますが、身体の働きを考えれば、たんぱく質の方が重要であると言えます。特に成長期や身体の回復期には、たんぱく質を優先的に摂取する意識が必要です。
たんぱく質不足が招く影響
たんぱく質の摂取量が減ることで次のような問題が生じます：
• 体力や免疫力の低下により、病気になりやすくなる
• 筋肉や骨の発達や再生が妨げられ、脆弱化する
• 代謝が悪化する
• 貧血の原因となる
これらの影響は身体全体の働きに支障を与え、不調の原因となります。
量より質を重視する
スポーツ界を中心に「たくさん食べることが良い」という誤った考え方が蔓延しており、それを妄信する人も少なくありません。しかし、身体をつくるうえで中心となるのはたんぱく質や脂質であり、代謝のためにはビタミンやミネラルも必要です。また、十分なたんぱく質が摂取できている場合は、量より質を重視することが大切です。
自分や家族に本当に必要な栄養素を見極めるために、一度立ち止まり、食生活を見直す時間を持つことが重要だと感じます。
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