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屠殺は残酷なのか?

屠殺は残酷なのか?


私は「生きること」とは

「自分以外の生き物の命をいただき、その頂いた命を次に引き継ぐこと。」

だと思っています。


食が工業化して数十年

命について考える機会は自分から持たない限りありません。

そして

一部自称動物愛護者たちは

「屠殺される動物がかわいそうだ」と言って

肉食を批判し、食べないように訴えています。

どこまでいってもニンゲンは

自分勝手で愚かで、かわいそう。と感情論でしか考えられない生き物なのでしょうか?

そして、彼らが言うように屠殺とは残酷、酷いなことなんでしょうか?

と屠殺をした後に思います。


人は動物の前では武器を持たぬ限り無力です。

ただただ動物に攻撃をされたら蹂躙されるだけです。

無惨にボロボロにされるだけです。

特にニンゲンより体格や体重のある動物に関しては為すすべがありません。

攻撃されて命が残っていれば幸運なことです。

それほどまでに

動物とニンゲンには力の差が歴然として

人は武器を持って動物と対等と言われているくらいです。

私は屠殺場ではニンゲンの無力さをいつも感じていました。


食がどんどん工業化され、屠殺場もある意味食肉を生産する工場です。

そこでは、働く人にも動物たちにも安全で守られていなければ

事故等の不幸なことばかりが起きてしまいます。

また

動物たちを生産している農家の人たちの生活を守る重要な場所でもあり

そのほかの皮を取り扱う業者、流通させる肉屋さん、

脂を扱う業者、検査員、搬入業者など様々な職種の人にとっても大事な生活の糧の場所です。

現在の日本で、人は生活をするために何らかの職業につき報酬を得なければなりません。

屠殺場に関わる人はたくさんいてそれぞれの生活を支えていて、生活の元でもあるのです。


人は命のバトンを渡して今日まで種を残してきたし

これからもそのように命を残していくでしょう。

屠殺場で行われているのは

命のバトンリレーです。それも命がけのバトンリレーです。

そして

動物であろうが、植物であろうが同じ命でありそこに優劣はありません。


生き物は自然の命をいただき自分の命にしているのだから

屠殺場で行われていることは残酷ではありません。

お互い命がけそれで肉食を否定するのは愚の骨頂です。

屠殺場を否定し

肉食を否定することは

第一次産業に従事する人たちをも否定することになり

自然の摂理への冒涜行為です。


我々が次世代に繋いでいかなければならないのは何のか?

それは残酷とか、酷いとかではなく

命とはなんのか?

命を繋いでいくことはなんなのか?

考える必要があり

それが命のバトンリレーだと思います。


【大森裕介】

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