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台風の発達・衰弱の仕組み
どうも、たなかです。
台風の解体新書も今日で3日目。
一応明日の記事で最後にしようと思ってます。
台風の情報量は膨大で
一つにまとめると読む気が失せてしまうので
このように小分けしている次第です。
どうか明日までお付き合いください。
さて、前置きもこのくらいにして
本題に入ります。
今日は
「台風の発達と衰弱」について。
詳しく説明していきます🌪
熱帯低気圧や台風の生まれる場所は
「熱帯の海域」です。
昨日の記事でも書きましたが
熱帯は日中ずっと
太陽からの厳しい日差しを浴び続けます。
そのため
海面付近の気温は上昇していくのですが
暖かい空気というのは
密度が小さいため、軽い気体です。
また、海面付近の空気は
水蒸気をたっぷり含んでいます。
日射で暖められた湿った空気は
周囲の空気と比べて質量が軽くなるため
次第に「浮力」を手にします。
浮力を手にすると
空気は勝手に上昇していきますが
水蒸気は雨雲の材料ですから
ひとたび上昇すれば
このように海上で雲が形成されます。
また
この雲ができる過程で熱を放出するため
さらに空気は暖まって
上昇気流に拍車がかかります。
すると、このように
背のたかーい「積乱雲」が完成します☁️
また、積乱雲発生している海面付近は
上昇気流が起こっているため気圧が低い状態。
空気が不足しているため
周囲から空気を取り込む必要があります。
時間が経つとともに
周りから空気が弧を描くように集まってきて
その結果、みなさんが天気予報でよく見る
この円形の雲域ができるというわけです。
さて、台風として
さらに発達していくためには
雨雲の材料となる「水蒸気」を
どれだけ蓄えるかにかかってきます。
海面水温が高ければ高いのほど
膨大な水蒸気量を吸収することができるのですが
十分な水蒸気量を吸収するには
海面水温が「26.5℃以上」であることが必要条件です。
簡単に言えば
台風が26.5℃を上回る海域を進めば
「発達」していき
一方で、26.5℃を下回る海域を進めば
発達に必要な水蒸気量の供給が十分でないため
「衰弱」していきます。
では、これらの知識を踏まえて
先島諸島にいる台風6号を見てみましょう。
オレンジ色のエリアが
26.5℃(繰り上げて27℃)以上の海域です。
この後も
大量に水蒸気量を蓄えることができるため
中国大陸に上陸するまでは
この台風はさらに発達していく見込みです。
またこの後
台風になる見込みの熱帯低気圧を見ていくと
こちらも26.5℃以上の海面を進んでくるため
発達した状態で
日本付近に上陸するおそれがあります。
進路のブレが大きいですが
今後の動向に注視していく必要がありますね。
オリンピック開催中ですから
選手たちも不安になるでしょう。
少しでも
被害が収まってくれるよう祈るばかりです。
多少学術チックになってしまいましたが
できるだけ噛み砕いたつもりです。
今後熱帯低気圧や台風が発生したときは
ぜひ、海面水温に注目してみてください。
ではまた明日!
※参考
☝︎気象庁 日別の海面水温のデータ☝︎
☝︎気象庁 台風経路図☝︎