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研究者の“科学だけじゃない世界”での暮らし

ゆーです。

今日は、学生から企業研究者になって、頭の中が変わったというお話しです。

以前書いた記事で、学生時代は月〜土まで朝9時〜夜11時の研究生活を送っていたことをお話ししました。

一方で、企業に入ってからは、だいたい朝8時ぐらいから働き始めて、18時ごろに終わる。
遅くても19時ぐらいかな?

時間だけを見ても、随分変わりました。
でも、単に時間が変わっただけではありません

研究や仕事の“脳みそを占める割合”が圧倒的に変わりました。

学生時代は、実験をしていないと怒られるような研究室でしたので、ずっと実験してました。
かといって、”全く勉強しない”というわけにもいかない。

なので、休憩時間も家に帰ってからも、頭の中は科学のことです。
報告会や論文紹介で発表の順番が回ってくると、その準備にも追われます。
するとですね、日曜日にもやらないといけなくなる

「せっかくの休みだし、少し休むかー」と、午前中だけでも休んだりするんですが、どうせ午後にやらないといけないので、頭の中から科学のことが抜けない
しかも、たまに先生からメールが来たりして、論文や学会関連のデスクワークが急に降ってくることも…。

“何も考えずに休む時間”を確保できないんです
常に頭の中に科学・研究のことがある。
研究が嫌いなわけじゃないんですけど、“他のこと”を考える時間を取れませんでした。
(もう少し切り替えが上手ならよかったんですが…。)

そんな日々を6年間送り、いよいよ企業での生活へ!

まず一つ大きく変わったのは、毎日“家に帰ってからの時間”があります
実際、毎日書いてるnoteの記事も、その時間があるから書けます。
とてもじゃないけど、学生時代にそんな時間は無かったですね。

ただ時間があるからできるわけではないのは、上でもお伝えしました。
学生時代も、少なくとも日曜日はお休みでしたし。

ということは?
そうなんです!
研究以外のことに使う脳みそが解放されたんです!

少し余談を1つ。
先日、就職した知人と“大学での研究生活”の話をしてました。
たしかに、企業でやる研究も設計次第で面白くなります。
でも、いざ振り返ってみると、大学での研究には“独特の面白さ”があり、環境面でもその雰囲気が好きという人も多いです。

ですが、戻りたいかと言われると、半々。
お金の工面を保証されるとしてでも、です。

その理由が、やっぱり日々過ごす上での優先度の違いですね。
もちろん「研究大好き!」って人や、「他に特にやることもないしなぁ」って人は、大学のような研究生活はありです。
むしろ、すごく楽しい。
このへん、研究者の方々には、ものすごく共感していただける一面かと!
良いですよ、大学での生活!

一方で、他のことにも興味がある人にとっては、科学以外のことにも頭を使いたい。
(人によっては、研究しか考えられないようになり、ストレスになってしまうこともあります…。)
なので企業人になり、頭をいろんなことに使えるようになったことは、一番の変化とも言えます!

ここで先程の疑問に戻ります。
「時間ができたとはいえ、研究のことを考えなくて良いとは、ならないんじゃないの?」ということ。

コレに対する回答として、まず言えるのは”時間外に働くことを規制されてきていること”が挙げられます。
法律で働きすぎることを禁止するようになってきているので、どうしたって仕事から解放されます
(もちろん、それでも長時間働いている人たちもたくさんいます…。このあたり、まだまだ改善されていくのに時間が必要です。)

「それでも頭の中から無くなるわけじゃないし、簡単に切り替えられるの?」
はい、ごもっともです。

ここからは正直、個人的な感覚になってしまうかもしれません。
その上でお話しさせていただくと…。
仕事をできる時間に限りがあるからこそ、それ以外の時間で何かを考えたところで、何もできない
学生時代って変な話、時間の制限がありません。
なので、思いついたりすると、すぐ取り掛かれちゃいますし、それをみんながやる。
なんなら日曜日に行ってまで、やってしまうこともありました。
そうなると、やらない人が置いてけぼりをくらいます。
なんと厳しい…。

でも、働ける時間が決まっていれば、そもそも何もできない。
もちろん常に考えておいて、それを次の日にすぐさま試すことだってできます。
ただ、1日の就業時間も決まっているので、案外1日でやれることも限りがあります。
そうなると、次の日にやることなんて帰ってから考えなくても、いくらでもあります。

こうやって書いていて思ったことがもう一つ。
学生時代は日中に実験しかできず、“やるべきことを休日にしかできなかった”のは、大きな違いですね。
会社では、当然“やるべきこと”を日中にやってしまいます。
実験以外にも“するべきこと”があり、もちろんそれも仕事。
「家に帰ってからやるべきだ!」なんて言う人はいません。
むしろ大切なことは、日中に進めるべきです。

そうなると終業後には、やるべきことを終えているはずです。
仮にやることがあっても、次の日にやることもできます(先延ばしにせず、さっさとやってしまう方が良いのは言うまでもないですが、本質がズレてしまうので、ここでは一旦置いておいてください)。

そりゃ、他のこともできるというわけですね。
こんな感じで「頭の中に余裕が生まれた」というのが、企業に入って変わった大きなことです。

個人的には、良い変化かなと感じてます。
物事の本質を考えるようになってからは、いろんなことを見てみたいと思っていましたし、何より大好きな本を読む時間を作れるようにもなりました。

かといってですね、学生時代の経験が無駄なもので酷かったかというと、むしろ良かったと思っています。
修行期間ですね。
正直、修行に戻りたくはありませんよ?笑
でもコレが無く、もしサボって過ごしていたら、おそらく企業に入ってから苦しむことになっていたと思います(僕の場合ですが、そもそも就職できていたかすらわかりません。苦笑 それぐらい何もできなかったので…)。
いま、色んなことを楽しめて、時間的にも精神的にも自由に過ごせるのは、目一杯鍛えたからなのかなと。

「企業人になり、鍛えた頭のメモリを解放できた。」
コレがよかったんだと思うんです。

以上、研究者の脳内変化についてのお話でした。
他の職業の人にも共通する部分もある…?
クリエイターの人には、勝手に親近感を持ってたりします。笑

さぁ、今日もこれから読書だ。

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ゆー博士
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