【短編小説】氷 -2023年の終わりに- 2
12月30日午前。体調は前日とあまり変わりない。一方で天気は僕を置き去りにするように清々しい青空が広がっていた。カーテンの隙間から光の束が差し込んでいる。僕はスポーツドリンクと食糧を買いにコンビニへ行った。その帰りのたった数十メートルで、僕はこのまま消えてしまうんじゃないかという不安に襲われた。雲一つない澄んだ空が、まるでこの年を清算しようとしているみたいだった。年末、すべての役目を一時的に肩から下ろし、帰路へつく人々の安堵とささやかな幸福を映し、祝福しているような青空。なん