【詩】ビニール傘
支える骨が見えて、すべてをさらけ出すあなたは、コインと一瞬の境遇をともにする。雨上がりには幾重ものあなたを、きゅっと鳴る心臓の真ん中にのせて、はい、完成。消費が嫌いな迷子のあなた、来ないきみを待つわたしの心音と入れ替えても、誰ひとり気づかないでいてくれる。ドキドキした儚い時間でかかとの擦り切れたあなたを、わたしの中に今日だけ隠し、何百倍も生きて、生きて、つよい骨とからだを分け合いたい。雨がいちばん似合う晴れ模様を、鏡いっぱいに広げてみせて。
いいなと思ったら応援しよう!
お読みいただきありがとうございます。ちょっとでも可能性を感じてくださった方、心に響いたなという方、よろしければ応援していただけると嬉しいです。これからの活動費として大切に使わせていただき、心に響くあたたかい詩やエッセイを書く力に変えていきます。