見出し画像

【詩】水平線

空の青と、海の青。決して交わることのない境目は、特別な記憶として残されたい。きれいだねって、褒められながら生きてきたことに、きみたちへの未来が詰まっている。たぶん、誰と見たか、どんなシーンが必要か、その記憶のほうが、よっぽどきみたちの本命をしている。そういうラッピングが、いまの世界には、よく似合う。ぼくたちは、ぼくたちがどちらの青なのか、わからなくなるほどに消えることを、互いの色に願いながら、永遠の青を演じているけれど、義理の言葉に嘘がないことは、ちゃんと、これからも知っている。

いいなと思ったら応援しよう!

小鳥遊 ゆに (Yuni Takanashi)
お読みいただきありがとうございます。よろしければ応援していただけると嬉しいです。心に響くあたたかい詩やエッセイを書く力に変えていきます。