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【詩】3、2、1

カウントダウンが外に向かっているもの。たとえば、大晦日から元旦に変わる瞬間。花火大会。カウントダウンが内に向かっているもの。たとえば、集合写真。スピーチ。世の中にはカウントダウンが溢れていて、時間を1秒ずついろんなところで刻んでいる。その中で産声を上げたり、誰かの合格発表があったり、この世を去ったり。喜怒哀楽の詰まった人生が世界を丸く包んでいて、今日も、これからも、ずっと青くて眩しい。その眩しさをこの手で掴む頃にはスピーチに慣れていることを想像する。小さな花火、ときどき大きな花火を心に打ち上げながら、時間のレールを歩き続ける今日はまだ終わらない。

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小鳥遊 ゆに (Yuni Takanashi)
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