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父は私に保険営業の仕事を持って来た。 母はそれに反対した。 私は父の勧めに従って仕事をして、壊れていった。 ※自傷行為の物語ですが、自傷行為の推奨はしておりません。
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2022年11月の記事一覧

桜の降るの頃4

   【 物欲 】  モノで心が満たされるなら、とても楽でしょう。  そう出来るなら、そ…

ミラク
2年前

猫の恋の頃1

   【 折紙 】  紙飛行機が部屋を埋め尽くす。  それに乗って、どこかへ行ってしまい…

ミラク
2年前

猫の恋の頃2

   【 猫傷 】  苛立ちがネコに伝わったのか。  ただの偶然なのか。  ネコが止めたよ…

ミラク
2年前

猫の恋の頃3

   【 抑制 】  制御しきれないほどの、感情。  押し留めて、押し殺して。  幾重にも…

ミラク
2年前

猫の恋の頃4

   【 自傷 】  痛みを感じなくなるほど、心が麻痺する。  何もいらない。何も欲しく…

ミラク
2年前
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木漏れ日の頃1

   【 守護 】  狂いだす。壊れかける。  叫びにならない叫び声。  何を望んだのかさ…

ミラク
2年前

木漏れ日の頃2

   【 化粧 】  嫌いなの。  短いスカートも化粧も、嫌い。  大人になりたかったわけじゃない。  その日は暑くて、スカートをはいて行った。 「スカートはいてくるの、初めてだね」  先輩が私のスカートに気がついて言う。  それに続いて、指導者さんも私を見た。 「いいね。そーいうのも。でも、もっと短い方が良いよ」  私はスカートを一回、腰の所で巻いてみる。 「もっと。ちょっと、ごめん」  そう言って、指導者さんが膝が見えるくらいまで巻き上げる。 「ほら、こっちの方

木漏れ日の頃3

   【 歌声 】  息苦しい。  歌う事なんて出来ないよ。  声を出して伝わったものなん…

ミラク
2年前

木漏れ日の頃4

   【 仕事 】  人を使う。  人に使われる。  別に私はどうでも良かった。 「これ、…

ミラク
2年前

木漏れ日の頃5

   【 欠勤1 】  朝が来なければ良いと思った。  眠らなければ、朝が来ない気がして…

ミラク
2年前

木漏れ日の頃6

   【 欠勤2 】  何もないよ。  何も無かった事にするの。  誰も何も知らなければ良…

ミラク
2年前

木漏れ日の頃7

   【 小言 】  愚かで我侭な行為。  自分勝手で幼稚な行動。  それが、他人の目。 …

ミラク
2年前
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雨の刺す頃1

   【 涙声 】  伝えたい言葉は不正確。  言葉は何も伝えない。  無意味な音が響くだ…

ミラク
2年前

雨の刺す頃2

   【 涙雨1 】  何をしたいのだろう。  何をしているんだろう。  どうして、こうしてるの?  毎日続く雨の日。  指導者さんは従姉妹の指導者さんとして忙しく、私はいつもの通り、指示されないまま動く。  適当に書類を作って、時間を見て会社を出る。  雨は小降りだった。  持っていこうか迷いつつ、傘を手にした。  いつもの地域を歩いて回る予定。  ……だった。  何があったわけじゃない。  息をしたかっただけ。  建物から出たとたん、刃を取り出していた。  歩きな