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シューズを脱いで夏の海辺を走る① 4つの魅力

季節を問わず、ときどき海辺に行きます。目的は、走ること。波打ち際まで行き、寄せる波をかわしたりしながら砂の上を走ります。

5月の海

夏の海は、人が多くてちょっと苦手な感じもします。でもこの季節ならではの楽しみがあります。シューズを脱いで裸足で波打ち際を走ることです。これ、たまらなく楽しいんです。

もちろん、波が来るギリギリのところを走るには注意も必要です。波打ち際の裸足ラン、その楽しさと留意点を2回に分けて書いていきます。まずは魅力について。


リアルなベアフットラン

「ベアフットラン」というと、ランナーにとっては底が極薄のシューズやサンダルを履いて走るイメージが強いかもしれません。私も、ジムのトレッドミル(最近行けてませんが)用にMUTEKIのランニング足袋を使っています。

でも、夏の波打ち際を走るときはベアフット系のシューズやサンダルも履かず、ほんとに裸足で走ります。ある程度様子を知っていて、「このあたりなら裸足でも大丈夫だろう」と見当を付けた場所で。7月は海辺の30kmランで、そのうち10kmほどを裸足で走りました。これがほんとに気持ちいいのです。

7月の30km走

魅力① 裸足になると走り方が変わる

砂浜を裸足で走る面白さをいくつか挙げます。まず、走る感覚が普段と大きく変わります。裸足で走ると、普段のランがいかにシューズで守られているかをたちまち感じます。シューズが持つクッション性と反発力の大きさを思い知らされるのです。

私は、裸足で走り始めると途端にステップが細かく、蹴り出しも控えめになります。石や貝殻で足裏を怪我しないよう一歩ずつを軽くする意味合いもあります。でもそれ以上に、裸足になるとふくらはぎ下部の負荷が増すのです。シューズのクッションが吸収していた衝撃が、ここにかかってくるのだと思います。その負担を抑えるため、自然と体は少し前傾、母指球着地、ピッチを上げて小刻みに走るようになります。

家で裸足になってその場走りをすると、母指球で着地するようになると思います。砂浜のベアフットランは、それに似ています。ピッチが上がる分、普段から脚の回転(ケイダンス)をもっと速めたいと思っている私には、いいトレーニングにもなります。

魅力② 自然とマッサージされていく足裏

次に、裸足で走ると足裏が勝手にマッサージされます。ランニングの着地衝撃は、体重の2.5倍から3倍と言われます。それを、シューズのクッション無しに裸足の足が受け止めるからです。

海辺だと、接地する母指球から小指球、そしてかかとのあたりが、着地のたびに砂に揉まれていきます。それを数キロも続けると、走り終えた後、心地よい疲労とともに足裏にジワーンとした温かみが残ります。かなり血行がよくなっているはずです。

裸足で走ると、どこが接地してるのかよくわかる

ただ、足裏を怪我しないよう、走る場所は十分選ぶ必要があります。この点は次回書きます。

魅力③ 水で体を冷やしながら走れる

波打ち際を裸足で走る三つめの楽しみが、水遊びをするように、体を適度に冷やしながらランニングできることです。

ランニングシューズを履いていると、どうしても「汚したくない、濡らしたくない」という気持ちになります。シューズを履いたまま波をかぶったら濡れるだけでなく中が砂まみれになってしまうので。でも、裸足ならそんなことは気になりません。むしろ暑い夏は、足首ぐらいまでの波ならわざと突っ込んで走ったりします。

波が来てもそのまま走る

そうすると膝ぐらいまで飛沫がかかります。その分体を冷やせるのです。それに、波打ち際はもともと砂が湿っています。水が蒸発するときに奪っていく気化熱のおかげで、砂が乾いたところよりも少し気温が低く感じられます。

魅力④余計な音が消え、波の音に浸れる

もうひとつの楽しみが、波の音。私は、ランニング中に音楽は聴きません。最近はAudibleでオーディオブックを聴くようになりましたが、海辺を走るときはそれもしません。波の音を聴いて走るのが好きだからです。

私がたまに走る海辺は、砂浜の脇に遊歩道もあり、そこを走るのも好きです。ただ、遊歩道だと近くを走る車の音がかなり聞こえてきます。これが、波打ち際だとほかの音がかき消されて、ほんとに「波の音」しか聞こえなくなります。

波は一定のリズムで寄せて返していきます。それを聴きながら走るのはとても心地いいのです。

以前、『Run(走)とZen(禅)」という記事を書きました。無理のない一定スピードで広々した場所などを走っていると、坐禅の瞑想と似た心持ちになることがあるという話です。

私にとって、この「走り禅」とも言えそうな感覚をもっとも得やすいのが波打ち際のランニングです。波の音に包まれるように走るのが、好きです。

まとめ

大分と長くなりました。夏ならではの楽しみ・波打ち際を裸足で走ることの魅力を、いくらかでもお伝えできたでしょうか。

冒頭でも書いた通り、波打ち際を走るのはすごく楽しいですが、自然の間際に行くことになる分、場所を選ばないといけないし注意すべきこともあります。次回は、そのことについて書きます。

〈追記〉
「注意点とコツ」編を公開しました。合わせてお読みいただけたら、うれしいです。


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