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オリーブオイルの味のこと

予定より少し早める事にした、今年の収穫。
今年のオリーブオイルがどんな味になるのか、
さすがに、気になった。

逆に、考える。
オリーブオイルの味を左右出来るような
私が出来ることって、なんだろうか…と。

オリーブオイルの味は、毎年、大方同じで、でも毎年、微妙に違う。
それが、この4年間、オリーブオイルを作ることに関わってきて得た感想。

わずか、4年という短い期間の中で、
自然に大きく左右される事はあっても、
私の手によって変えられたものは
ひとつもないと思っている。

どんな天候になろうとも、
時期がくれば、新芽が生まれ、花が咲き
花びらが散ると、小さな実が生まれてくる。
今年みたいに、雨が多くて
いつもより、少しばかり寒くたって、
そのサイクルには変わりがない。

なぜに、こんなことをツラツラと書き綴っているのかというと、
先日、あるオリーブソムリエの方の話で
味見したオリーブオイルの味がいまひとつで、
「もう少し勉強してほしい…」と言った文面を見たからである。

勉強したら、味は変わるのだろうか。

例えば、収穫の時期を考える。
搾油所をちゃんと選ぶ。
搾油所をちゃんと選ぶ基準としては、
ちゃんとコールドプレスをしてくれているところ。
その後の、温度管理。
冬場の剪定。
適度な水が供給できない土地であれば、そのようにする。

出来ることは、これくらい…か。

何が言いたいのかというと、
オリーブオイルの味の決め手は、
その土地の持っている力とオリーブの木の種類のバランス
この二つの作用が大きいのではないか…ということ。

オリーブに適していない土地であれば、
どんな最新の技術を駆使したって、
ある程度までにしかならないと思っている。

私は、私の場合は、
本当に運が良かったのだと、改めて思う。


その土地の力で、
ある程度は
オリーブの木々の自力だけで、
毎年、美味しいオリーブオイルが搾り取れる。
こんなラッキーなことはない。


ソムリエさんの言うことが間違っているとは、思わない。
ただきっと、
それぞれの立場によって、捉え方が違うだけ。

ソムリエさんは、出来た商品の良し悪しを見分け、
購入する人は、そのプレミアムに左右される。

私は、作る人だから、
極力、
自然に出来たものを最大限にいかす事を目指している。
けれど、そんな力は微々たるもの。

ただ、その「自然のチカラ」の価値を
作り手として正しく伝えることも
大事なことなのかもしれない…と、
最近は強く思うのである。

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