無名の天才たちの旅行記
無名の天才たちの旅行記
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<note>で記事を執筆する際に気をつけていることの一つとして、あまり自分の記事を、一つのジャンルにカテゴライズはしたくないという思いがある
それはもちろん、単純に一つのジャンルに絞り込むこと自体が難しいということと、異なるジャンルで展開していけば、それらの断片から多面的に「わたし」という人物像がより鮮明に、立体的に浮かび上がり、そうすることで個々の記事にもっと奥行きが出てくるのではないかという、いわば小さな戦略上の<作戦>でもあるからだ
そうした前提があり、今年も暮れようとしているこの時期に、わたし自身で書き上げた記事を俯瞰していると、公開してきたそれらの記事のジャンルは<フードエッセイ>があり、<フォトエッセイ>があり、<ファッションエッセイ>もあり、<過去>に材を求めたいささか重たいテーマもある
しかし、やはり数だけで圧倒的に多いのが、<旅行記>だ
その理由はもちろん<旅>や<旅行>が好きで、これまでに日本国内はもちろん、東南アジアやヨーロッパを中心に多くの国と地域を旅してきた
20年以上前からノンフィクション作家の沢木耕太郎の著作群に強い影響受け続けているということも大きい
だから今年の3月からこの<note>を本格的に始めてからは主に、ここで実に多くの<旅行記>を読んできた
普段から見落としがちだがあるいは<note>は、一本調子で自分の書きたい記事を<書く>だけではなく、少なくともその等量の熱量を持って<読む>べきツールなのかもしれない
何故ならこの<note>の世界には、実体として確かに存在しているからだ
無名の天才たちが
そして、それは天才たちが書き残してくれた素晴らしい<旅行記>が数多く存在しているのだから、尚更、強く、そう思うのかも知れない
今回は以下に個人的に今年一年で読んできた中で、特に素晴らしい旅行記を書かれるフォロワーさんたちをご紹介したいと思う
もちろん、<旅行記>に優劣や順位が存在するわけもなく、おそらくは読み手の受け取り方、対象となっている旅行先、読む時期、そして何よりも固有の感応する精神に拠っては大きく印象が異なる世界なのだ
今回はあくまでわたし自身が強く影響を受け続けている<無名の天才たち>
を数名、強い親しみを込めて、順不同に以下にご紹介させて頂く事にした
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Ⅰ
miiさん
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青い鳥は、いつも
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<note>を始めたばかりの本当に初期に、偶然このmiiさんの記事にめぐり合えたことは、何よりの幸運だった
いや、それはその後の今日に至るまでを含めて、もしかしたら最大の幸運だと言いかえてもいいのかも知れない
詳しくは覚えていないが、おそらくは<旅行記>で検索をかけたときにmiiさんが書かれた、主に国内旅行を中心とした作品群に、早期に遭遇したのだ
彼女の作品群はすべて拝読させて頂き、それに留まらず、すでに全作品を2周か3周はさせて頂いているはずなので、もしかしたら彼女の全体のアクセス数の、ほんの数%はわたしが占めているのかもしれない笑
彼女の書かれる旅行先は、東京を拠点に北海道から東北、北陸、関東、四国、そして沖縄とほぼ日本全国に渡り、海外では、東南アジアのタイ王国や、北欧フィンランド王国が少し
当時、これから<旅行記>を書いてみようと思っていたわたしにとっては
miiさんの作品群は、少しだけ大げさに言うのであれば、それはもう<啓示>であり、当時のわたしにとっては〈note〉という新しい世界への〈開示〉でもあり、何より、ひとつの完成された<お手本>でもあった
だからわたしの旅行記において、写真を多用し、行間やスペースに豊かなゆとりをもって書き上げる方式の、あくまで〈原型〉は、彼女の作品群から直接的な影響を受けたことが大きかった
無理に文字を詰め込むように書くのではなく、3行か、あるいは多くとも5行程度書いたら写真を挿入し、読み手を疲弊させないような、読み手の想像力を引き上げるような小さな工夫を凝らしただけの、とてもシンプルな方式
加えて、miiさんが挿入される独特の淡い色調をもったフィルム写真もまた素晴らしかった
<旅行記>は、その記事の中の世界においては、基本的に時間軸は今現在の現実なのだが、miiさんの作品の世界観には、その現実の中に常に郷愁のような・・・温かく・・・そして、なつかしさのような心象風景が静かに同居していて、ただただ、優しいだけの感情を自然に想起させるのだ・・・
丁寧に撮影されたフィルム写真の一枚一枚には、その効果を倍加させることができる、彼女自身が唱えたやわらかな〈魔法〉がかけられているからだ
使用される文体や単語に、意図的な華美性や人工的な装飾性が一切ない
天然由来100%と思えるような、優しい草花のような、自然な語彙を用いて
文脈をゆっくりとくみ立て、そこに特別な技巧を凝らすわけでもない
焼きたてのパンのように、新鮮で柔らかな筆致で、等身大の文章
そこにひとつだけ技巧があるとすれば、それは印象的に<ひらがな>を
多用されることだ
彼女の<旅行記>の世界では、光は眩しく輝くのではなく
<まぶしく輝き>、青い海の美しさに、はっと息を飲むのではなく
<息をのみ>、そこで深く息を吸い込むのではなく
<ふかく息を吸いこむ>のだ
全体を通してやわらかな筆致と、郷愁を想起させるフィルム写真の魔法のような印象的な効果、それに加えてこの<ひらがな>を通して形成された、温もりと深い叙情性を持つ彼女の世界は、時間の流れさえも緩やかにし、時に止め・・・
それはもう、もはや・・・
もはや、単一の「記事」ではなかった
それはもう、「作品」にまで昇華されているのだ・・・(遠い目)
こうしてmiiさんのメインページに改めてアクセスさせて頂くと、その作品群のトップ画像にはやはりフィルム写真だけがもちえる、柔らかで印象的な効果、そして全体を通して様々な<青>で統一されているような印象をもつことができる
そしてこの<青>がまた・・・エアロブルーともアイスブルーとも、セルリアンブルーともアクアマリンとも呼べる、静謐で不思議な輝きを放つ<青>で定着しているのだ・・・
そして、彼女にはこうした<作品>だけがもつ単一の美しさだけではなく
ここ<note>内における立ち振る舞いの美しさも兼ね備えているひとだった
それはある企業が主催した<旅行記>に関するエッセイコンテストで、miiさんはおそらくは記事を書かれた後で#をつけてエントリーされたと思うのだが、わたしのような素人が見ても、記事を拝読させて頂いた後に、間違いなく入賞されるだろうという強い、ほとんど絶対的な確信があった
わたしはギャンブルは一切やらないのだが、それでももしもそのコンテストで彼女に賭けることが出来たのであれば、$1,000・・・いや、$5,00は賭けて・・・今頃は大もうけしていたのかもしれない笑
それはその主催した企業の、企業名が想起させる女性的な愛らしいイメージと、コンテストの主旨、そのふたつが綺麗に彼女の作品世界の中心へと、豊かな水路のように通じているようにわたしには思えたからだ
そして案の定、あっさり入賞されたのだが、それに対してmiiさんが何かコメントを出されるということが一切なかった
一般的に<note>は褒め上手といわれていることは間違いない
いわゆる”コングラボード”や”公式マガジン”追加の通知は、わたしの記事でさえ何かしらほとんど毎日のように送られて来て、フォロワーさんの中にはそれらを高々に掲げて宣伝のような記事にされる方も多い
加えてそれは、独立した宣伝記事ではないにせよ、次回以降の記事の中で小さく触れてみたいと思うのは当然、誰だって思うことなのかもしれない
そうした記事自体はもちろん、個人の考え方やひとつの方式であるのは間違いなく、だから本来は否定や肯定の概念も持たないのだが、このmiiさんの、コンテストの入賞後にも一切何も発しない静かな立ち振る舞いをひとりのフォロワーとして見守っていると、そうした宣伝記事を書かれる方の根底には、率直な喜びのほとんど真裏には、幼い虚栄心があるようにしかわたしには思えなくなってしまったのだ
この広大無辺の<note>の世界には、彼女のようにシルエットだけでも
無名の天才たちが静かに控えているのだ・・・
その天才たちを前にして、どうしてそのような記事を書けるのだろう・・・
ある晩、わたしはmiiさんの作品を読み終えた後で、机に片手で頬杖をつき
陶然とPCのモニターを眺め、しばらく悩んでいた
どうしようか・・・
彼女をフォローさせて頂いて、その夜の時点ですでに数ヶ月が経過していた
そして、しばらく悩んだ後で彼女の作品のコメント欄にマウスを合わせ
決して後ろを振り返らないようにして、一気にこう書き記した
もしもよろしければ、わたしのことをフォローして頂けないでしょうか
こう付け加えることも忘れなかった
個人的な親交を深めたい、などは考えておらず
ただ気軽に自由に行き来できるようになればと
思っている次第なのです
恋文とビジネス文書の奇跡の融合!
(自画自賛)
なにかと誤解が生じやすい時代なのだ
SNSを利用した、いわゆる<出会い系>目的と誤解されるようなことだけはこちらとしても勘弁願いたいのだ・・・
だから、正面突破でドアをノックすることにしたのだ
そしてそれは何よりも、わたし自身が書き上げたものを彼女に目を通して欲しいという、それこそ背伸びをするような幼い虚栄心が
そうしたコメントを書かせたに違いなかった
ほどなくmiiさんから、フォローが遅くなって申し訳ありませんでした!
こちらこそどうぞよろしくお願いいたしますと
ご丁寧な連絡を頂き、今に至るというわけなのだ
そして数ヶ月前に公開されたmiiさんの作品は、長く交際された恋人と入籍されたという内容で、わたしも心からの祝福のコメントを書かせて頂いた
結婚によって今後どのように彼女の作品に変化が生まれるのか、あるいは生まれないのかについては強い関心を持っていたのだが、しかしそれからぷつりと作品の掲載が止まってしまったのだ
彼女はおそらく、普段から頻繁に<note>にはアクセスされないのだろう
根拠はないのだが、以前からどことなく、そのような雰囲気が濃くあるように思えてならなかった
主に旅行に出られて、その後で書きたい内容を書けるときに書き
発表すると、サッと気配そのものが幻のように消えてしまうのだ
それは<note>が仕掛ける”連続投稿の呪縛”をもあっさり解呪するかのような、いささか凄みさえ感じさせられる達人の投稿サイクルのようにも思えた
そしてその投稿サイクルはまるで、青い一羽の鳥が、空の高い場所を一瞬だけ横切っていくかのような、不思議と鮮やかな印象を残す風景に似ているのだ・・・
まさかもう辞められたのかな、といささか不安に思っていた矢先の先日
彼女の最新の作品が掲載された
それによると新生活と仕事に追われ、なかなか作品を書けないでいたが今後も書いていくつもりだという内容で、遠い異国にいるひとりのファンとしてはもちろんかなり喜ばしいニュースでもあった
来年はどのような作品を発表されるのだろう・・・
次回作は再び「沖縄」を示唆されているが、冬の沖縄なのだろうか
彼女の瞳にはいったいどのように「冬の沖縄」が映り、フィルム写真で
どのような風景を切り取られたのだろうか
興味が尽きない!!
今から楽しみで仕方がない
青い鳥は、いつも
終
Ⅱ
湯美さん
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タイムマシーンに乗って
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わたしは普段、定時である17:00には職場のデスクトップの電源を落として帰るようにしている
しかしながら抱えている仕事の案件のヴォリュームや、現場で生産や品質の乱れが生じた場合は止む無く21:00頃まで残業をしたり、あるいはそれ以上まで遅く残ったり、状況によっては休日出勤することもある
そうして疲れきった夜は、冷房を隅々にまで行き渡らせたリヴィングのソファで、TVも点けず(備え付けで2台あるが点けたことがない)、LAP TOPで
<note>を広げ、湯美さんの新作が公開されていないかをチェックすることが多い
湯美さんは数ある<旅行記>の中でも、日本国内の「温泉旅行」に特化されていて、しかし、疲れた身体で、くたびれているから彼女の作品に「癒し」を求めているわけではなかった
結論から書くと、確かに「癒し」もあるのだが、それ以上に「笑い」を求めているからに他ならないのだ笑
「衝撃画像」を見たいといいかえても良い笑
くたびれきっているからこそ、一日の終わりにくすりと笑って部屋の電気を消し、ベッドで眠りたいのだ
そしてこの湯美さんの作品群は、ただの「温泉紀行」では収まりきれない様々な要素が散りばめられているのだ
湯美さんの膨大な数の作品群は全て読破してきたが、数編読むと、それらにはある共通のキーワードが散りばめられてあることに気がつくことができる
<雨女>、<昭和>、<ボロ・・・じゃない鄙びた温泉>
<ご当地缶チューハイ>、<カオス>、<大将>、<女将>
一見無関係にも思えるこれらの単語には、ある有機的な繋がりがあり、それらを星座のように点と線で繋ぎ合わせると・・・
彼女の書く「温泉紀行」が、それがどういった性質を持つ温泉宿を指し示しているのかの全貌が、透けて見えてくるのかも知れない・・・
そう・・・
21世紀の令和の日本に、まだ数多く存在しているのだ
「昭和」や、「昭和」をさらに突き抜けたかのような
「明治・大正宿」が・・・
いや、「幕末宿」まであるのかも知れない・・・
それはもう、懐古主義というお洒落で柔らかな単語では到底収まりきれない、かなり凄まじい宿なのだ・・・
湯美さんはそうしたレトロ温泉マニアで、湯美さんの記事を読むことは
すなわち湯美さんのタイムマシンに同乗させて頂くことになるのだ笑
<雨女>のなせる業なのか、ほとんどの場合、旅は雨で幕を開けて、飛行機で、レンタカーで、日本全国の奥深い山へ分け入っていく、湯美さんの冒険譚
宿泊する宿は、オンライン予約不可で電話予約のみなどはもはや当たり前で、Wifi環境などは決して求めてはいけない
女将に通された和室に在るのはわたしたちの祖父母の家にあったような卓袱台や黒電話、そしてやたらと大きいレトロ扇風機・・・
そこが内風呂であれ露天風呂であれ、敷き詰められた床のタイルは昭和レトロそのもので、湯口は・・・河童や亀、狸・・・もはやカオス!
湯上りの湯美さんは、昭和レトロの和室でご当地缶チューハイを飲みながら女将か、あるいは大将手作りの料理に舌鼓を打ち、それらの料理はほとんど全てが地元の新鮮な食材を、余すことなく使った絶品ご当地グルメ・・・
そして、比較的最近の作品の中で、およそ日本の温泉宿とは結びつかないような奇妙な単語が数回出てきた
鰐
ワニ
そう
日本全国の秘境・魔境にある山奥の露天風呂に、稀にワニが出ると湯美さんはいうのだ
熱帯・亜熱帯気候でしか棲息できないワニが日本にいるはずは・・・
もちろんそれは、あの獰猛な鰐ではなかった
主に混浴の露天風呂の水面下に潜む、覗き目的の変態を指す隠語だったのだ
そしてもちろんそこでも、冷静な湯美さんの鋭いコメントが記載されている
地元のお婆さんばかりだから、きっとコスパが悪いに違いない
湯美さんもワニにだけは気をつけて!
タイムマシーンに乗って
終
Ⅲ
のんてりさん
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ミステリーハンター、現る
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小学校の卒業文書にわたし自身が何を書いたのかは今でも正確に覚えている
考古学者になって、エジプトの発掘調査に加わりたい!
それから30年以上が経過し、残念ながらここはエジプトではなくインドネシアで、考古学者ではなく製造業のマネジメントを行っている
しかしどうしてそのような古い記憶を今でも鮮明に覚えているのかというと
それはもちろん、当時の真剣な「将来の夢」であり、今も真剣に持ち続けている「夢」でもあるからだ
夢こそ叶うことはなかったが、依然として歴史については強い興味を抱いて今日にまで至っている
それも、何かと派手な人物が入り乱れる幕末や、群雄割拠の血生臭い戦国時代でもなく、それよりも遥か以前の、記録として文献も残されていないような古い時代に、憧れにも似た特別な関心を持ち続けていたのだ
文字文化が確立されていない縄文や弥生時代がそうで、記録が残されていない以上は推測と、地中からほとんど偶然に発掘された主に土器類を検証して推測するより他がないから、そこには自由な無限性が存在しているからだ
そして、それは推測というよりかは、ニュアンスとしては「空想」と言いかえるべきなのかも知れない
のんてりさんの作品群を拝見していて、まず素朴に驚かされることが
縄文時代の遺跡の、その数の多さだ
イメージとしては、日本国内で僅か数件の大規模な遺跡があるようというような誤った認識を持ってしまったいたせいか、彼女の作品を読むと、実は日本各地にかなりの数が点在しているということがよくわかる
次にその各地に点在する縄文遺跡の傾向頒布が関東より東、つまり北陸や東北、そして北海道に多いことにも驚かされる
わたしの出身は九州・福岡なので、日本列島全体で観てみれば温暖な「南国」に位置することになる
(ここSemarangから観ると、”北国”になるのだが・・・)
どうして古代の人々は温暖な西側ではなく、寒冷の東側、しかも最果ての北海道を目指したかのように厳しい土地を根ざして暮らしを営んだのだろう・・・
そうした素人の疑問にも、のんてりさんはコメント欄で丁寧に解説をしてくれる
A. 寒冷地の方が食物の保存に適しているということと、東日本は主に落葉広葉樹林が多いので、主に木の実の採集ができたからだと考えられているのです
実際に、のんてりさんの作品のコメント欄には、「その道の専門家」と思しき深い知識を有している方々からのコメントが多く、たぶん間違いないのだろうが、ここ<note>に書き記された作品で、縄文時代に実際的な資料的な価値を与えて省察し、そこに包み込むような所感までもを加え、つまりそれらの作品は、客観的な史実という縦糸と、主観的な感想という横糸を織り合わせた、具体的な縄文時代という実像が綺麗に、そしておそらくは正確に焦点を結び、だから専門性を具えた深い知識と感想を、まるで理想的に、高次元で融合させたような、ひとつの<専門書>と呼べるまでに作品を昇華されているのだ
この広大な〈note〉の世界で、知る限り、このことを実現できるひとはのんてりさん以外にはいないと思えている
なぜならばいたとしても、その多くは〈想像力〉という安易な逃げ道を用いて、結局何が言いたいのかわからない、勢い任せのひとたちが多いからだ
実際に彼女の作品を追っていくと、縄文時代って何?という素朴な地点から学び直すことができる
しかも、彼女は作品に意味深で難解なタイトルを付すわけでもなく、敷居を下げるような、たとえば子供でも気軽にアクセスできるような、親しみのあるタイトルを冠し、文体も女性特有の柔らかさで、彼女はまるで、もう・・・素敵な・・・とても素敵な・・・「歴史のせんせい」なのだ
それにしても、縄文時代から離れて現在に戻ってくると、のんてりさんのこの直線的な行動力には毎回驚かされている
誰にでも興味がある分野はひとつかふたつは持っているはずだが、それを自分の目と足で遠方にまで出かけて実際に調査をするのには、きっと膨大なエネルギーが必要になるに違いないからだ
「ちょっと気になる」から「実際に現地で調べてみよう」というのはまたまるで別世界の話になるに違いない
それはエネルギーだけではなく、少なからず時間と資金が必要になってくるからだ
それは、のんてりさんの縄文時代への深い愛情がエネルギー源となっているのだろうか・・・
それとも純化された好奇心なのだろうか・・・
そしてこの一点は彼女の最大の特徴で、みな誰しも、それができないのだ
自分のやりたいことを、「願望」として想像することは誰にでも出来るが、それを実際的で直線的な「行動」に移すことができないのだ・・・
知る限り、それを出来るのは現役を引退して老後を認識した巨人たちだけで
若いひとはそれがどうしても出来ない
限定されたひとつの分野で、ここまで精力的に現地で調べ上げ、作品として記事を昇華させることができるのは・・・もう・・・個人的には・・・
「情熱大陸」に出演して欲しい人ランキング1位
なのだ
以前、のんてり先生の作品の中で、どういう流れだったか、コメント欄で
こういったやりとりをさせて頂いたことがある
Q.もしも、のんてり先生が生まれ変わって、「時代」を選択できるのであれば「縄文時代」を選び取りますか?
もちろんこの手の問いに答えはでない
狩猟が生活の中心で、生産経済の主軸でもある稲作文化さえもない縄文時代の人々は、毎日が生き残るための熾烈な自然との戦いであったのは間違いない
確かに現代人であるわたしたちから見れば、古代とはいかに美しく、自然と共に生き、それに深く土着した、豊かな生活を送れるイメージを想起させるが、それはあまりにも単純で幼稚な想像力でしかない・・・
生きていくために槍や弓を持って、目を血眼にして奥深い森を駆け回る生活
そこには朝に飲む、一杯の珈琲さえもない時代なのだ・・・
眠る前に飲む、一杯のグラスワインさえもない時代・・・
それに火を起こすことだって、われわれには困難な作業になるはずだ・・・
古い言い方をすれば、撤回すべきヤクザな問いだった
わたしには到底、生きていける時代ではない・・・
のんてりさんは今頃はどこを旅されているのだろう
直近の作品では北陸・福井の恐竜博物館だったので、もしかしたらまだ
冬の日本海から生じる強烈な寒波に震えているのかも知れない・・・
しかしそうした苛酷な環境下の、たとえ野ざらしの古代遺跡でも
きっとのんてりさんは独り佇み、熱い眼差しで遺跡を見つめ
熱意を込めたメモを取られているに違いない
・・・数千年前の・・・歴史から消え去った、古代の人々に寄り添うように
以前、ご本人が”御守り”と言っていた、ミキモトのピアスを耳につけて
ピアスだけではなく、そういう姿勢を、ぼくは美しいといいたい
あるいは・・・
もしかしたら・・・
ときおり作品の末尾に書かれてあるように・・・
ご当地スイーツをぺろりんちょ♪しているのかも知れない!!
(のんてりーぜ)
のんてりさん、道中、くれぐれもお気をつけてー♪
わたしはあなたの、熱心なファンのひとりなのです
先生、引き続き勉強させて頂きますね
ミステリーハンター、現る
終
と、ここまで3人を取り上げさせて頂いて、約12,000字・・・
この3人以外にも他に数名ピックアップさせて頂いており、それらの方々は
【国内】
・冬の長野の自然を描かれた方
・秋の古都・奈良の寺院を描かれた方
・最も好きな土地、冬の門司港を旅行された方
【海外】
・過去のParis旅行を追走された方
・わたしが30代の青春を過ごしたヴェトナムを旅行された方
・スペインの巡礼の旅を綴られた方(El Camino de Santiago)
・憧れの地モロッコを旅された方
・ファーストクラスに乗って世界一周をされた女性の方
と、まだかなり「ご出演」願いたい方がいるのですが、これ以上書くと収集がつかなくなるので、今回は一旦ここで区切らせて頂き、来年にまた続編を書かせて頂こうと思っています
〈無名の天才たち〉・・・今回の”旅行記”と、次回の”レシピ”のふたつは考えているのですが、できればもうひとつ加えて切りよく「三部作」で不定期ではありますが、継続的な連載を考えています
しかしながら、最後のひとつがどうしても思い浮かびません
(素人ながらワインは”レシピ”に盛り込むつもりです)
”無名の天才たちの海外”は、何となく・・・えっ・・・?なのです
(語呂も悪い)
四季を用いて
”無名の天才たちの冬”なども考えているのですが
これもあまりしっくりこなくて
何か・・・良いアイデアはないでしょうか・・・?
できる限り普遍的なテーマが良いとは思っています
お気軽にご提案頂ければ嬉しいです
うぇーい!!
(ikueさんから引用)
最後までお読みくださり、どうもありがとうございました
うぇーい!!
(ikueさんから引用)
※今年の、個人的な流行語大賞にノミネート済み
ikueさんへ
引用させてもらい、どうもありがとうございました
次の〈無名の天才たち〉で謎めいたikueさんと相棒の”小人”の生態を徹底的に掘り下げて考察しましょうかね笑
BGM1
AJICO
”青い鳥はいつも不満気”
BGM2
村上RADIO
村上春樹と坂本美雨の軽快な掛け合いが最高!
トークだけでなく、流れる音楽も古今東西の古いジャズや最近の曲など盛りだくさん
そして村上春樹も絶賛するMaroon 5の”WHISKEY”
ウィスキーのようなキス!?
そんなのしたこともされたこともありません笑
NEXT
2023年12月24日(日) 日本時間 AM 7:00
”無名の天才たちの料理本”
NEXT
2023年12月31日(日) 日本時間 AM 7:00
”赤裸々”
<小さなお願い>
わたしの公開する記事は全て、パソコン画面での閲覧用を念頭に、スペースの挿入や改行を行っております
スマートフォンやタブレットでは意図した通りに反映されないことが多い為
可能であればパソコンにてお読み頂ければと思っている次第です
どうぞよろしくお願いいたします
END