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咲き誇れるのか?サキホコレ

頭を垂れまくり、稲刈りを待つ稲穂たち。
連続台風にも負けずに無事稲刈りが終わった。


コンバインが稲を刈る音と脱穀ときの乾いた草の匂い。
秋を存分に感じながら自転車をこぐ。

昔もコンバインはあったが、機械が入れないところは手で刈り取り、その後、束ねた稲を木で組んだ棒にひっかける稲かけ作業もあり、それはそれは大変だった。
小学生のころ、休みになるとよく手伝わされたものだ。

稲刈りが終わったあとにキレイに一列に並ぶ稲かけの風景をみるともうすぐ冬がくるんだな~と思ったことを思い出す。

今では機械化が進み、稲刈り・脱穀・選別が同時に行われるようになったため、この稲かけの風景を見ることができない。
農家さんの作業が楽になったのは喜ばしいことだが、秋らしい風景がまた一つ消えてしまったことにはさみしさを覚える。

親戚がつくっているのは秋田が誇るあきたこまちだが、今年は秋田米の新ブランド「サキホコレ」がデビューする。

昨年、ネーミングコンテストに30個も応募したのに一つも引っかからなかったことを根に持ち、サキホコレというネーミングが決まった時、なんだかビミョーな名前だな、インパクトもないし、面白みもないしと、いちゃもんをつけていたが、「サキホコレ」の書体をみたとき、これは来た!と一気にサキホコレのファンになった。

秋田空港にて

白地にシンプルに「サキホコレ」かっこいいじゃないか!
ごちゃごちゃしたことは何もいわね~、おいしいから食べてみろ!
と言わんばかりの潔さ。

好きです。はい。

ただ、特段グルメな舌を持っていない一般ピープルなので
あきたこまちとの味の違いがよくわからない。
あきたこまちでも十分最上級米と思っていて、土鍋で炊かれちゃった日にゃ、こんなにうまいコメあります?と言いながらほおばるくらいあきたこまちが好き。

ということで、土鍋で丁寧に炊かれちゃうと、あきたこまちでもサキホコレでもどっちもおいしく、甲乙つけがたいというのが正直な感想。

それでも秋田のお米は応援したい!
サキホコレのおいしさを今年は見つけてやろうじゃないか!と思っていた矢先、サキホコレの刈り取りスタートのニュースが入ってきた。

いよいよ、デビューか!楽しみですな~と思いながらテレビを見ていて、
新ポスターがでで~んとテレビ画面いっぱいに登場。

え?壇蜜?

どうやらイメージキャラクターに決まっていたそうで稲刈りにも参加している。秋田出身というのは知っていたし、壇蜜さんが嫌いなわけじゃない。

でもでも、これは違う。
かっこいいサキホコレの文字が埋もれちゃってるし、サキホコレはこんな割烹着じゃない。
ストレートにいっちゃうと壇蜜さんいらない。
文字だけで潔くいっておくれ~~~~~!

どうしてもにぎやかしが必要なら、ギバチャンが満面の笑みで稲を持つ姿、
もしくはミスあきたとかでもいい。

なんか違うぞと思いながら、道の駅であきたびじんのポスター発見。
割烹着よりはサキホコレのイメージに近い。

咲き誇れるのか非常に心配になるサキホコレのポスターである。

とまあ、一般ピープルが何をいったところでポスターが変わるわけでもなく
最後は味勝負であるはずなので、ひとまず壇蜜パワーにかけるしかないなとぶつぶついいながら、お米のデザート「あさづけ」を食べる。

夏になるとおばあちゃんが作ってくれた定番デザートで今でこそ、うまいといいながら食べるようになったが、昔はすっぱくてねばねばしてて大嫌いだった。

米を精製したときに欠けた2番米を細かくくだいて、砂糖と酢で煮たものでお米をあますことなく食べつくす昔のばあちゃんたちの知恵的なレシピだそう。
うちのばあちゃんの酢の配合が悪くてむちゃくちゃ酸っぱかったせいで、嫌いリストに登録されていたが、数年前からお母さんが酢の分量を減らしてくれたことと酢の物が好きなお年頃になったので今では大好物になった。

稲かけはなくなってしまったが、2番米はこれからも出るので、SDGsの観点からもお米をあますことなく利用する文化は受け継がねばならない。

いやいやその前に、サキホコレが2番米にならないようにもう祈るしかない。

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