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とてもわかるNote

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2023年1月の記事一覧

読んでいて苛々するような本を、それでも最後まで読む意義について

読んでいて苛々するような本を、それでも最後まで読む意義について

 そういえば、先日のツイキャスでは「主張のスタイルや考え方の合わない本を、それでも最後まで読む」という態度についても話題になったが、これは実際にも大切なことであると思う。

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面白さと気持ち悪さのバランス

面白さと気持ち悪さのバランス

 昨日のエントリのみならず、とりわけ今月の本noteの記事の多くは、字数だけでなく内容の面でもかなり「読者に負担をかける」ものになっているのではないかと心配していたところ、そうしたエントリを思いのほか支持してくださる方々もいたりして、たいへん有り難いことだと感じている。ただ、このあたりの「バランス調整」は相当に繊細な性質のものでもあるから、引き続き読者の方々の反応を見つつ、試行錯誤してゆく必要があ

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規範の単一化を求める実に「宗教的」な欲望について

規範の単一化を求める実に「宗教的」な欲望について

 昨日のエントリでは、近時の言論空間は「カードバトル(以下)化」しているように見えるところ、その背景で進行しているのは、実は「規範の(無自覚な)単一化」という事態ではなかろうか、という話をした。それを受けて本稿では、この「規範の(無自覚な)単一化」という事態の問題点について、とくに宗教との関係に着目しつつ、さらに詳論してみることにする。

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「それ以外のもの」を思い出させるエートスについて

「それ以外のもの」を思い出させるエートスについて

 最近は改めて、自分が仏教をそれなりに(己の納得がゆくところまで)やっておいたことはよかったなあと、しみじみ感じることが多い。

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いちからせつめいしないとだめ

いちからせつめいしないとだめ

 先日のキャスで現代日本の諸問題とその根源について論じていたら、徐々にヒートアップしてしまい、久しぶりに(?)お気持ちを爆発させてしまった。

(※録画視聴パスは、1月2日のエントリより取得できます。)

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当たり前のように思える話こそ、順を追って丁寧に考えよう

当たり前のように思える話こそ、順を追って丁寧に考えよう

 先日のエントリで、「人格」や「尊厳」という概念(言葉)の基本的な意義について解説したが、これがわかっていることで、クリアな判断がしやすくなる問題も様々にある。そのうちの1つが、たとえば子供の「自由」や「自律」について、どのように考えるべきかという問題だ。

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本丸の攻略をすっかり忘れて、外堀だけを埋め続けても仕方がない

本丸の攻略をすっかり忘れて、外堀だけを埋め続けても仕方がない

 何事に関しても、「まずは本丸の攻略を目指す」ということが大切であると、個人的には思っている。

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「人権の真の理解」なるものを誰が有しているのか

「人権の真の理解」なるものを誰が有しているのか

 昨日のエントリでは「人権の新たな基礎づけ」の問題についてふれたけれども、そのことに関連して思い出すのは、「人権観念の基礎にあるのは共感だ」といった言説である。

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教理的に正しいとは必ずしもいえない対応が、宗教を支える機序について

教理的に正しいとは必ずしもいえない対応が、宗教を支える機序について

 楽しく進行中の『仏教と儒教』読書会であるが、そこで「僧侶は世俗的問題に関する相談について、どのように対応すべきか」という話題が出た。

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「人格」や「尊厳」とは、そもそも一体なんだったのか

「人格」や「尊厳」とは、そもそも一体なんだったのか

 昨日のエントリでは哲学教育の意義について述べたけれども、それでもやはり、「そんなことをやって何のメリットがあるのかわからん」と感じた人はいるかもしれない。そこで今回は、現代日本社会において私たちが日常的に使用している「人格」及び「尊厳」という言葉(概念)に着目して、その哲学的背景について略述してみることにより、こうした疑問に対する別の角度からの回答を試みてみることにしたい。

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