組織で働くということ
私はフリーランスで仕事をした経験はありません。
組織に属して働いたことしかないので個人事業と比べることはできないのですが、組織で働くメリットや、性差(ジェンダー)や子どもの有無による不公平感・腑に落ちなさなどのデメリット、改善点なども考えていきたいと思います。
働き方改革というか、もっと働きやすい環境を作れるように、願いも込めて。
①組織に属するメリットは、代打がいること
組織の一番のメリットは、【自分がいなくても代わりの人間がいること】だと思います。
こう言うと、いやいや、自分は管理職だし・プロジェクトリーダーだし、私にしかできない仕事をやっている!と反論する人もいるでしょう。
「あのお客様や取引先の信頼を得ているのはこの私だけだから!」とか。
「自分のレッスンだから、受講者やお客さんがついているの!」とか。
そんなプライドを持てること自体は、素晴らしいことです。
でもそれって、自慢することじゃありません。
自分にしかできない仕事を抱えることは、組織としては良くないことなのです。その人がどんなに優秀で昇任してしても。代理でできる人や後任の人材を育てていないその人が悪いのです。
研修を積ませておくとか、誰が見ても分かるマニュアル資料を作っておくとか、「もしも」に備えて信頼して代打を任せる人を準備しておいてこそ、プロの仕事です。
組織に属する中では、スキルやノウハウを共有することのほうが大切なので、本当に有能なリーダーほどちゃんと部下を育てて仕事内容をシェアしています。自分が休んでも仕事がストップしないような体制づくりを行うことが大事だと思います。
②得意・苦手を考慮した役割分担ができる
次に、【長所や得意を考えた役割分担や、適材適所配置ができること】が挙げられます。
得意分野の仕事はその人に任せたり仕事を多く振ったりして、苦手なことは違う人にやってもらうようにすれば効率的です。
なんの得意も苦手もない、なんて人は少ないです。
私は保育士をしていますが、ピアノはまったく弾けません。音楽的なものは苦手で楽譜すら読めないです(汗)。
代わりに、運動・体操指導とパソコンスキルなら、職場内の誰にも負けない自信があります。
すべてオールマイティにこなせる人は稀ですので、絵が上手な人・達筆な人・人前で喋るのがうまい人・物作りセンスがある人、色んな人がいて色んな得意や長所を活かせれば、全体としての資質が上がって機能的な職場となり、かつ魅力的な人材で溢れることになります。
自分は何が得意なのか、公言・周知しましょう!
③休む時は、「お互い様」と思いたい
私は女性なので、女性目線で話をします。
ちなみに、私たち夫婦に子どもはいません。
子どもを持たない選択をしたのではなく、望んで・本当に欲しくて何年も妊活を頑張ったけれど、残念ながら授からなかった、という結果です。
職場には、幼い子が複数いながら働いている女性も多いです。素直にそれは尊敬します。しかし、当然子どもの発熱等で突発で休むこともしょっちゅう。
保育士は女性率95%ぐらいの職場であり、理解があるので周りの反応は、
「いいよ、いいよ~。お互い様だから。」
私も、表面上は波風立てたくないので同じように言いたいのですが、この「お互い様」に胸がチクリと痛みます。何故なら、子どものいない私はいつも勤務交代などカバーする側なので。体が丈夫なので休むことも滅多にない。
もう子どもが大きくなっている方であれば、
「以前は自分もそうだったから。」
まだ若くて未婚の20代とかであれば、
「自分もいつか、子どもを産んだらそうなるかもしれない。」
と思えるかもしれません。
でも私は40代半ばで今まで産休や育休・時短勤務などを取った経験もないし、これから先も、ない。
子育てや家庭の事情で、鍵開けの早朝勤や最終勤の遅番から外してもらって固定時間勤務をしている人も多いけれど、給料は同じ。
同じ給料で、朝早いの・夜遅いの・変則時間勤務ばかり取っている人たちに、特に何かの報いがあるわけでもない。この不公平感が、塵も積もればでどんどん溜まってしまうのです。
異動前の職場では、心の病やメンタル的な疾患を理由に3か月程休職する人が何人もいました。その穴埋めはいつも、身体も心も元気な人たち。
健康で元気である時点ですでに最高の財産を持っているわけだから、プラスの報酬まで欲しいとは言わないけれど、その健康を維持するために様々な努力をしていることもわかってほしい。
「いつも元気で良いよね~。」
って、皮肉にも嫌味にも取れる褒め方をされるのも、あまり好きではありません。体調や精神面を崩しやすい人たちの努力が足りないと言っているわけではなくて、「お互い様」と思える配慮をお互いにしたいなぁという話です。
④子どもの有無による不公平感
よく休むある3児ママの後輩が、
「前に園長先生に、職場に代わりの人はいるけれど、子どもにとってママの代わりになる人はいないから、休む時に罪悪感を感じなくていいんだよって言ってもらってから、すごく楽になりました~。休む時は、世界にひとりのママだからしょうがないって思うようにします!」
って、キラキラの笑顔で話していたことは、今でも鮮明に覚えています。
それを、子どものいない人の前で休む理由の正論のように振りかざすのは、いかがなものでしょうか。罪悪感で悩めばいいと言うつもりはないけど、配慮に欠けると思いました。
自分には、何回休んでもしょうがない、認められた特別な事情があるのだと言いたいの?
休む回数の半分でも3分の1でも、世界でひとりのパパには分担してもらえないの?頻繁に熱を出さないように、子どもの体調管理でもっとできることはないの?
誰の親でも子でも、誰の妻でも夫でも、誰だって世界にひとりの人間です。組織を構成する人間の数だけ家庭環境がそれぞれにあって、みんな仕事を離れれば世界にたったひとりの、代わりのいない、自分。
特別な事情ぐらい、誰にだってあるわい!
何回も何回もそれを使ってりゃ、それは特別ではなくなるよねって話。普通の事情でよく休んでる、だから普通にそれが起こらないような工夫と努力をすべきかと。
パパや祖父母に頼むとか病児保育やシッターさん・ファミサポさんを利用するとか。できる手立てをやってから、言ってほしいと思うのです。
私は職場に、子どもがいない理由を公言していません。
欲しくて頑張ったけれど実らなかった、と言えば気を遣われたり可哀そうに思われたりするのが嫌なので。
悪気もなく「子どもは?」って聞いてくる人も多いけど、
「いないんですよ~。だから夫婦で旅行したり自由に趣味のことばっかりしてます!」って明るく答えています。
これも不妊あるあるですね。このチクリと刺さるトゲたちも、痛みとなって残るのですが。。。
⑤これから~働き方改革って?
性別や年齢、子どもの有無、育児や介護などの家族構成・家庭環境、役職や雇用形態、勤続年数、身体や心の健康状態、世帯収入などの経済面、職場までの距離、個人の能力やスキルなど、一人ひとりの人間に千差万別の背景があるのは当たり前。
だからそもそも、仕事や職場に【平等】なんて言葉は当てはまらない。
だけど、偏りすぎると不公平感を持ってしまうことは、感情のある人間として当然のことです。
なので、ここまで色々書いたけど、いわゆる「働き方改革」に対して、どんな職場でもあてはまる【答え】や【正解】や【解決方法】なんて無いのだと思います。
サービス残業をなくすとか、給与の格差是正とか、雇用形態の見直し、人材不足の解消とか、そういうものはやっていってほしいけど。
誰もが働きやすい職場環境はもちろん理想だけど、その絶対的な方法や正解はないのだから、結局は【人と人との接し方】や【思いやりと配慮】、【相手を尊重する心や気持ち】が大切なのではないかと。
結論のない記事を長々と書いてしまいました。すみません。
まとまりのない長文をここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
仕事をしている人、働く人すべての方々、日々ほんとうにお疲れ様です。
身体と心の健康に気を付けながら、世界にひとりの自分を大事に、頑張って生きましょうね!
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