ゼロから始める伊賀の米づくり48:豊作の予感!?出穂を確認!
私は現在、大阪府と三重県で二拠点生活を営みつつ、実家の田んぼで米づくりをしている兼業農家として暮らしています。
3年前、父の他界をきっかけに家業として継続していた実家の米作りを継ぐこととなり、文字通りゼロから米づくりについて学び、実践することとなりました。
幼い頃から家の手伝いをしていた……ということはあったものの、なんとなく流れがわかる程度で、詳細は作業工程は把握しておらず、父が亡き後は父の友人や仕事仲間の皆さんに教えてもらう形で、さながらスパルタOJTで身につけることとなりました。
その時、痛烈に感じた『「暗黙知」を「共有知」にし、誰もが情報を確認できることの大切さ』からこの記録をつけ始め、気づけば記録は48回目を迎えるに至りました。
家業を継ぐことは、家族の物語や歴史、資産や人間関係を継ぐことでもあります。
また、これまでは父や祖父が中心となる家父長制的で一極集中型の役割分担でしたが、私が継いで以降は100%その形を踏襲することはありません。
今、揃っている家族のメンバーのそれぞれの特徴や強みを活かすためのフォーメーションを考え直し、自律分散的な役割分担として配置をしなおす必要もありました。
途中、建築一家であった我が家に遺された資材を活用して、軽トラに積んで動かすことができるモバイルハウス作りを行ってみたり、
登記簿上は存在するものの、かつての区割りや住所記録が変わってしまってわからなくなっていた土地探しをしたりを紆余曲折を経て、
ついに今年も出穂を確認することができました!
前回の記録では、田植え後に行う『中干し』という作業について扱いましたが、その頃の様子とはだいぶ変わってきています。
今年は現在のところ、天候不順による生育への影響も感じられず、このまま順調に育っていけば、8月末〜9月初旬には収穫が行えそうです。
露地で行う農業では、天候や自然の影響が大いに影響します。
ゲリラ豪雨、台風、最近では線状降水帯といったものが頻繁に発生し、長雨が続くと黄金色に染まってきた稲穂が地面の泥に接触したり、そもそも生育が遅れて収穫のタイミングがズレるといったことも起こりえます。
酷い場合は、そもそも圃場や農機を維持できないほどの被害をもたらします。
つい最近では、西日本豪雨と呼ばれる水害が発生しました。
また、ご近所の方の話を伺うと、かつて三重県を襲った伊勢湾台風の教訓から、台風が発生しづらいうちに収穫を行うスケジュールへと変更された、という話も聞きます。
ここから8月にかけて、気持ちの良い天気が続いてほしいものです。
さて、出穂の確認できた田んぼへ降りてみると、稲穂は以下のようになっています。
私の手と比べてみると、その大きさもイメージできるでしょうか?
先述した役割分担について話を戻すと、今年は我が家の田植えの半分以上を弟に作業を任せてやってもらうことができました。
私たち家族にとって馴染み深い神社の前の田んぼも、弟が田植え機を駆り、苗の分量調整を行いつつ植えてくれました。
現在は、このようになっています。
これから、お盆の頃には収穫用機械のコンバインのメンテナンス等がありますが、着実に準備も進めつつ、田んぼの様子を見守っていければと思います。