トム・ニクソン氏が語るソース原理実践編:可視化ツールMaptioを活用したイニシアチブ・マッピングに関する講演録
今回は、『すべては1人から始まる(原題:Work with Source )』著者であるトム・ニクソン氏(Tom Nixon)がゲストとして登壇し、ソース原理(Source Principle)における活動の見える化について語ってくれたイベントの記録です。
本書のテーマである『ソース原理(Source Principle)』は私自身、著者のトムとも対話を重ねながら実践をしてきたものであるということ、
また、最近では『すべては1人から始まる』が日本の人事部「HRアワード2023」に入賞するなど、トムの存在やソース原理(Source Principle)は、私にとって特別な意味を持つものです。
また、今回のイベントにはソース原理(Source Principle)及びマネーワーク('moneywork')の探求のためヨーロッパへの旅へ出かけ、そこから帰ってきたばかりの方も多く参加されていました。
※青野英明さん主催の旅の報告会のアーカイブ動画は以下をご覧ください。
そのため、ソース原理(Source Principle)の実践やイニシアチブのマッピングについて、より踏み込んだ内容についてトムも交えた対話が当日は行われていたように感じます。
ソース原理(Source Principle)とは?
『ソース原理(Source Principle)』とは、イギリス人経営コンサルタント、コーチであるピーター・カーニック氏(Peter Koenig)によって提唱された、人の創造性の源泉、創造性の源泉に伴う権威と影響力、創造的なコラボレーションに関する洞察を体系化した知見です。
不動産業界で成功したビジネスマンとしてキャリアを進んでいたピーター・カーニック氏は、クライアントたちとの交渉の中で相手側が不合理な判断・意思決定を行う場面を目にしてきたといいます。
このことをさらに突き詰めていくと、『お金と人の関係』がビジネスにおける成功、人生の充実に大きく影響していることに気づき、ピーターによる『お金と人の関係』の調査が始まりました。
その後、お金に対する価値観・投影ついて診断・介入できるシステムであるマネーワーク('moneywork')が体系化され、その過程でソースワーク(Source Work)が副産物的に生まれてきたとのことです。
マネーワーク('moneywork')は自身の内面を扱うインナーワークに比重が置かれており、ソースワーク(Source Work)はアイデアを実現するためのアウターワークに比重が置かれていると言います。
ピーターの「人とお金の関係」の研究及びマネーワークについては、以下のインタビュー記事もご覧ください。
ソース原理(Source Principle)の広がり
日本においてのソース(source)の概念の広がりは、『ティール組織(Reinventing Otganizations)』著者のフレデリック・ラルー氏(Frederic Laloux)によって初めて組織、経営、リーダーシップの分野で紹介されたことが契機となっています。
2019年の来日時、『ティール組織』著者フレデリック・ラルー氏によって組織、経営、リーダーシップの分野で紹介されたことが契機となって初めて知られることとなったソース原理(Source Principle)。
フレデリック・ラルー氏もまた、ピーター・カーニック氏との出会い、学びを通じて、2016年出版のイラスト解説版『Reinventing Organizations』の注釈部分で記載している他、『新しい組織におけるリーダーの役割』と題した動画内で、このソース原理(Source Principle)について言及したということもあり、国内で注目が集まりつつありました。
その注目度の高さは、邦訳書出版前の昨年8月にトム・ニクソン氏の来日が実現する、といったことからも見てとれます。(オンラインでのウェビナーの他、北海道・美瑛町、東京、京都、三重、屋久島など全国各地でトムを招いての催しが開催されました)
昨年10月、ピーター・カーニック氏に学んだトム・ニクソン氏による『すべては1人から始まる―ビッグアイデアに向かって人と組織が動き出す「ソース原理」の力』が出版されて以降も、ソース原理(Source Principle)に関連したさまざまな取り組みが国内で展開されています。
今年4月にはソース原理提唱者であるピーター・カーニック氏の来日企画が実現し、システム思考・学習する組織の第一人者である小田理一郎さんや、インテグラル理論・成人発達理論の研究者である鈴木規夫さんとの対談、企画の参加者との交流が活発に行われました。
さらに、『すべては1人から始まる』は日本の人事部「HRアワード2023」に入賞するなど、少しずつソース原理(Source Principle)の知見は世の中に広まりつつあります。
日本での流れに先立ち、ソース原理(Source Principle)が世界で初めて書籍化されたのは、2019年にステファン・メルケルバッハ(Stefan Merckelbach)『A little red book about source』のフランス語版が出版された時でした。
その後、この『A little red book about source』は2020年に英訳出版され、2021年3月に『すべては1人から始まる』の原著であるトム・ニクソン著『Work with Source』が出版されました。
ソース原理にまつわる潮流は、このような背景を持ちます。
ソース(Source)とは?
トム・ニクソン『Work with Source(邦題:すべては1人から始まる)』を参照すると、ソース(Source)とは、あるアイデアを実現するために、最初の個人がリスクを取り、最初の無防備な一歩を踏み出したときに自然に生まれる役割を意味しています。
また、本書中の用語解説では、『脆弱なリスクを取って、ビジョンの実現に向けて自らを投資することで、率先して行動する個人のこと』と説明されています。
ステファン・メルケルバッハ氏の書籍においては、この役割を担うことになった人について、特に「ソース・パーソン(source person)」と呼んでいます。
トム、ステファンの両者に共通しているのは、ソース(Source)は特別な人だけがなれる役割ではなく、誰もがソース(Source)である、というものです。
アイデアを実現するために一歩踏み出すことは、社会を変えるような大きなプロジェクトの立ち上げに限りません。
自身の研究課題を決めること、就職を思い立つこと、ランチを作ること、休暇の予定を立てること、パートナーシップを築いていくこと等、日常生活の様々な場で誰しもが何かのソース(Source)として生きていることを両者は強調しています。
今回、イベントに登壇してくれたトムと、『すべては1人から始まる』翻訳・監修を務められた山田裕嗣さんの対談記事も参考までにご覧ください。
クリエイティブ・フィールド(creative field)とクリエイティブ・ヒエラルキー(creative hierarchy)
クリエイティブ・フィールド(creative field)とは?
「クリエイティブ・フィールド(creative field)」とは、『ビジョンを実現するために必要な人やその他のリソースを引き寄せ 、努力を束ねることで一貫性を生み出す魅力的なフィールドのことを指し、ソース(Source)がイニシアチブ(initiative)を取ることで確立されるものです。
あるソースがイニシアチブ(initiative)を開始するために自らを無防備な状態に晒し、勇気を持って一歩踏み出すと、ソース(Source)のビジョンとそれに対するエネルギーは、磁石のように他の人々を引きつけ、サブソース(sub source)またはスペシフィック・ソース(specific source)という役割を担う人が現れます。
サブソース(sub source)またはスペシフィック・ソース(specific source)とは、あるソースのビジョンや価値観に共鳴し、あるソースの活動の特定の部分において、ソースへの深いリスペクトをしつつ、創造的に取り組むようになったパートナーと言える存在です。
クリエイティブ・ヒエラルキー(creative hierarchy)とは?
ソースは、リスクを取ってアイデアを実現するためにイニシアチブを始めたが故に創造性に伴う権威(creative authority)と、イニシアチブに関する自然で、完全な責任を持ちます。
そしてイニシアチブが成長し、よりスペシフィック・ソース、サブソースがその部分に対して責任を持つようになると、イニシアチブは何段階もの階層構造を持つようになります。
これは、ソースのイニシアティブの中にあるクリエイティブ・ヒエラルキー(creative hierarchy:創造性の階層構造)であり、従来の組織に見られる管理階層(management hierarchies)とは異なるものです。
ソースのイニシアチブを見える化する
Maptio及びイニシアチブ・マッピングとは?
上記、ソースがアイデアを実現するために自らを無防備な状態に晒し、勇気を持って一歩踏み出すと、時に人を惹き寄せ、イニシアチブが成長するに従ってソースの創造性に伴う階層構造を形作ることを見てきました。
この、ソースの創造性に伴う階層構造を見える化するためのツールが、トム・ニクソンが開発したMaptioというウェブツールであり、
ソースのイニシアチブを見える化していくプロセスが、マッピングです。
Maptioそのものは2018年前後から日本への紹介が始まっていました。
『すべては1人から始まる』の翻訳・監修を務める以前からトムと関わりのあった山田裕嗣さんによって、トムが書いたMaptioの紹介記事が翻訳され、日本語で発信されていたのです。
Maptioの紹介記事については、以下もご覧ください。
今回のイベントは、そのような数年越しの文脈が横たわっていたのでした。
また、オープンソース化されたウェブツールであるMaptioは、その価格についてもピーター・カーニック氏のマネーワーク('moneywork')、ソースワーク(Source Work)の思想が反映されています。
1つは、ユーザーが自身で価格を選択できる幅を持たせたプライシングであるということ、もう1つは、NPOをはじめとする社会貢献活動などを後押しするために、フリーアカウントも用意している点です。
ソースとしての活動の始まりは、お金の有無を起点にして始まるわけではありません。しかし、スタート時のリソースが乏しい状態であるために、そういった熱意のある活動を止めることになってはいけない。
そのような思いをトムは話してくれていました。
ホラクラシー(Holacracy)との相違点
私自身、ホラクラシー(Holacracy)という組織運営法に馴染みがあるのですが、Maptioを初めて見たときに感じたのは、ホラクラシー(Holacracy)における組織の見える化ツールとそっくりだ!という点でした。
イベント中、トムはホラクラシーにおける見える化とMaptioの違いについても紹介してくれました。
ホラクラシー(Holacracy)とは?
ホラクラシー(Holacracy) とは、既存の権力・役職型の組織ヒエラルキー(Hierarchy:階層構造)から権力を分散し、組織の目的(Purpose)のために組織の一人ひとりが自律的に仕事を行うことを可能にする組織運営法です。
フレデリック・ラルー『ティール組織(原題:Reinventing Organizations)』にて事例に取り上げられたことで、役職に伴う階層構造型の組織から、自律的な運営を行う組織へと移行するための方法・哲学として国内においても実践事例が増えつつあります。
ホラクラシー(Holacracy) は、2007年、Holacracy One(ホラクラシー・ワン)社のブライアン・J・ロバートソン(Brian J Robertson)と、トム・トミソン(Tom Thomison)により開発されました。
ホラクラシーを導入した組織では、組織の全員がホラクラシー憲法/憲章(Holacracy Constitution)にサインして批准することで、現実に行なわれている仕事を役割(Role)と継続的に行なわれている活動(Accountability)として整理し、 仕事上の課題と人の課題を分けて考えることを可能にします。
ホラクラシーにおける組織構造は『Glass Frog』という独自開発された可視化ウェブツールを用いて、以下のようにホラーキー(Holarchy)なサークル図によって表されています。(可視化ツールは他にもHolaspiritというサービスも国内では多く活用されています)
さらに詳しくは、日本人初のホラクラシー認定コーチであり新訳版の解説者である吉原史郎さんの以下の記事及び、新訳版出版に際してホラクラシーのエッセンスについて語られた動画にもご覧ください。
Maptioの設計思想
ホラクラシーの見える化ツールとの相違点について尋ねた時、トムはその設計思想の違いについて述べてくれたように思います。
まず、Maptioは極力シンプルな設計と直感的な操作性を優先したツールである、ということです。
ホラクラシーの場合、基本的には継続的に開催されるミーティング・プロセスによってサークル(及びロール)の増減と統合、記述の更新がなされます。
また、組織構造の見える化に加え、ホラクラシーの見える化ツールにはプロジェクトマネジメントのためのツールもある程度一体化したパッケージとして設計されています。
これに対してMaptioは、「どのように使ってもらっても構わない」というのがトムの答えでした。
簡単な操作によってサークルはどんどん増やしていくことができ、特定のシチュエーションで特定の方法を用いてしか更新ができない、ということはありません。
また、イニシアチブの誰かがプロジェクト管理のために必要なツールを見つけたら自由にMaptio上で活用できるよう、さまざまなシステムとの互換性をつことを重視しており、プリセットなマネジメントツールが組み込まれているわけではない様子です。(トムの紹介画面では、Trello、Slack等が活用されていました)
ソース原理特有の捉え方・レンズ
また、Maptioにはソース原理特有の物事の捉え方・レンズも反映されています。それは、組織ではなく個人にフォーカスするという点です。
『すべては1人から始まる』という邦題にも現れているように、アイデアを実現しようと勇気を持って一歩踏み出し、イニシアチブをスタートさせたソースは1人という考え方をソース原理では採用しています。
そう考えると、会社組織もまた、ソースである個人が始めたイニシアチブの一つの形態と捉えることができ、法人化や組織化はイニシアチブの拡大の過程やその結果として行われた手続である、とみなすことができます。
イベント当日では、ホラクラシーにおける見える化は、組織のデザインに主眼を置いて開発されたものである一方、Maptioは人にフォーカスし、すでに表現されているイニシアチブをマッピングすることに主眼を置いて開発されたツールである、という説明がトムからなされました。
具体的なマッピングの実践に向けて
最後は、より具体的な実施に向けた質問がトムに投げかけられていたように思います。特に印象的だった2つの質問と回答について以下にまとめます。
人生のソースとしてのマッピング、組織の中の1人としてのマッピング
人は誰しもが自分の人生のソースであり、さまざまな形でイニシアチブに参加しています。
そのような、人生のソースであることを前提に、ある組織においては誰かの活動のサブソースとなっている。また他のイニシアチブでは……というようなマッピングは行うことはできるのか?という質問がなされました。
トムはその質問に興奮気味に「できるよ!」と話していたこと、具体的な方法としてはアクセス権限やアカウントの使い分けによって、そのような活用も可能と説明していた様子が印象的でした。
組織においてマッピングを試みていく注意点は?
この質問に関して、トムは「Go slowly(ゆっくり進めよう)」と話していたのが印象的でした。
トムは自身の書籍の中でソース原理を組織内で実践する際の大切にしたい点として、組織にいる一人ひとりのこれまでの人生の旅路を尊重することを挙げています。
それぞれの過去の経験や、その時感じた感情によって、反応はさまざまです。時には強い感情を引き起こされることもあるかもしれません。
この新しい視点を受け入れる準備ができるまでには、それぞれのペースがあります。
そういった意味でも、トムはゆっくり進めていくことの重要性を説いていました。
もう一つ、ある意味ボトムアップの考え方で進めるのが良いかもしれない、という言葉も印象的でした。
組織の中では、すでにそれぞれ自主的にサブソースとして進めているイニシアチブがあったり、そもそも一人ひとりは各々の人生のソースです。
そういった意味で、彼ら一人ひとりにフォーカスし、彼らが何を感じ取っているのか?を探求しながら進める形の実践についても、トムは話していました。
ソース原理の関係者一覧(抜粋)
2022年10月の『すべては1人から始まる』出版をきっかけに、ソース原理(Source Principle)の海外の実践者と日本の実践者が交流する機会が増えました。
2023年8月現在でも、『すべては1人から始まる』著者であるトム・ニクソン、ソース原理(Source Principle)提唱者ピーター・カーニック氏の2名以外にもさまざまな実践者との企画が実施され、また、日本語による情報発信が行われてきました。
そこで一度、2023年8月現在で確認できる、ソース原理(Source Principle)の関係者を以下に簡単に整理したいと思います。
ピーター・カーニック氏(Peter Koenig)
ピーター・カーニック氏は、先述の通りソース原理(Source Principle)の提唱者です。
人が無意識にお金に投影している意識の研究と、お金に投影している意識を自らに取り戻す方法・システムである『マネーワーク(moneywork)』を開発され、そのプロセスの中でソース原理(Source Principle)、ソースワーク(source work)が生まれました。
Forbes Japan2023年8月号にはピーターのインタビューが掲載されており、「お金と人の関係」の研究およびマネーワーク開発の経緯についても述べられています。
今年2023年4月には、お金に関する研究をまとめた著書『30 Lies About Money』のプレ出版企画(4/5、4/7〜9)が開催され、その際に初来日となりました。
プログラムは数日にわたって開催されましたが、その一部をまとめておりますので、よろしければ参考までにご覧ください。
また、ピーターには世界に何人ものサブソース、スペシフィックソースが存在します。
以下に紹介する4人は、ピーターのイニシアチブにおいてサブソースとして活動を共にしているパートナーたちです。
トム・ニクソン氏(Tom Nixon)
トム・ニクソン氏は、『すべては1人から始まる(原題:Work with Source)』の著者であり、今回のゲスト講師です。
2022年10月の邦訳出版に先立って8月に来日し、プレ出版企画として日本を縦断していました。(8/8〜10、8/11、8/17、8/18、8/22〜25)
また、昨年の来日後は次世代型組織の実践に関する国際カンファレンス・ネットワークである『Teal Around The World2023』にて登壇した他、
Forbes Japanの2023年5月号にて、令三社代表の山田裕嗣さんとのソース原理に関する対談が掲載されています。
アレクサンダー・インチボルト氏(Alexander Inchbald)
アレクサンダー・インチボルト氏は、ソース原理(Source Principle)を自身の活動の中に取り入れながら活動しているエクストリーム・アーティストであり、創造と革新を専門としたリーダーシップコーチである人物です。
アレクサンダーもまた、ピーターの人生の目的である活動Create love in business等においては彼のサブソース(sub source/specific source)として活動する傍ら、アレクサンダー自身が立ち上げたイニシアティブである #Masterpieceにおいては、ピーターが逆に彼のサブソースとなる形で共同し、コラボレーションしています。
2020年以降、アレクサンダーはオンラインまたはリアルで日本と縁を持つようになり、一度は富士山の絵を描いたこともあるとのことです。
今年2023年3月には、彼の提唱する #Masterpiece について学ぶ招聘企画が『すべては1人から始まる』翻訳・監修のお一人である青野英明さん主催で実施されました。
さらに、2023年6月には日本人の実践者を対象にギリシャでJ.Creationというプログラムが開催されました。
このプログラムには、ピーター・カーニック氏だけではなく、日本からも吉原史郎さん、嘉村賢州さんが、コーチとして参加されていました。
ステファン・メルケルバッハ氏(Stefan Merckelbach)
ステファン・メルケルバッハ氏は、先述した『A little red book about source』の著者です。
本書の著者であるステファンは、スイスに拠点を置くオルディナータ社(Ordinata)を起業したソースであり、「哲学する経営者(philosopher-manager)」です。
オランダに生まれ、スイスのフリブールで育ったステファンは、2001年にオルディナータ社(Ordinata)を起業し、2013年に初めてソース原理(Source Principle)の生みの親であるピーター・カーニック(Peter Koenig)に出会ったといいます。
"The Source Person" training dayと題されたその日のトレーニングでの出会いをきっかけに、自社の提供する企業を対象としたトレーニングやプログラムにおいてソースの概念は欠かせないものになったと、ステファンは述べています。
現在、ステファンはオルディナータ社(Ordinata)において、ソシオクラシー(Sociocracy)をルーツに持つ組織運営体系『参加型ダイナミックス(participatory dynamics)』の提供を行うとともにソース原理(Source Principle)の紹介・研究を有志の国際ネットワークであるwww.workwithsource.comで行なっています。
ナジェシュダ・タランチェフスキ氏(Nadjeschda Taranczewski)
2001年に心理学修士号を取得したナジェシュダ・タランチェフスキ氏:Nadjeschda Taranczewski(ナーディア:Nadja)は、『Conscious You: Become The Hero of Your Own Story』の著者であり、
『Conscious U』のCEOでもあります。
『Conscious U』は、組織を『Conscious Tribe』…すなわち、人々がインナーワークに投資し、全体像を理解し、深いつながりを生き、意識に注意を払う習慣を培う豊かなコミュニティとして改革しようとするCEOとそのチームを支援することに取り組んでいます。
ナーディアは、『Source Principle(ソース・プリンシプル / ソース原理)』の国際ネットワークであるworkwithsource.comや、ステファン・メルケルバッハ氏(Stefan Merckelbach)の著書においては、2014年に初めて論文形式でピーターのソース(source)の概念を紹介した人物として紹介されています。(論文はこちら。Whose Idea Was it Anyway? The Role of Source in Organizations)
加えて、ナーディアとピーターによるお金に関する対話の動画がYouTube上でも公開されており、
といったテーマが扱われています。
また、国内向けのプログラムでは青野英明さんをガイド、ナーディアをサポーターという形でマネーワーク(moneywork)のプログラムが開催されてきました。