【書評掲載】中田豊一『対話型ファシリテーションの手ほどき』:人と組織の力を高める人材開発情報誌『企業と人材』第1138号
今年度4月より、産労総合研究所が発行している専門誌『企業と人材』の書評コーナーの連載を担当することとなりました。
『人と組織の力を高める人材開発情報誌』である本誌ですが、『人を活かす組織づくりのヒント』と題して毎月、関連する書籍を紹介しております。
『人を活かす組織づくりのヒント』を提供する書籍として今回、取り上げたのは中田豊一著『対話型ファシリテーションの手ほどき』(ムラのミライ)です。
認定NPO法人ムラのミライの創始者和田信明氏が途上国の援助の現場で生み出し、現代表の中田豊一氏が手法として体系化した対話型ファシリテーションについて紹介している本書を、連載第5回目に紹介させていただきました。
『企業と人材』は毎月5日に発行予定ですので、書評コーナー以外もぜひ手に取ってご覧ください。
以下、今回取り上げた『対話型ファシリテーションの手ほどき』の書評記事を読み進める上での補足情報を紹介できればと思います。
ファシリテーションとは?
『ファシリテーション(facilitation)』は、「促進する・容易にする」を意味する動詞・ファシリテート(facilitate)の名詞形です。
『ファシリテーションとは何か―コミュニケーション幻想を超えて』を引いてみると、ファシリテーションには以下のような定義が用いられています。
一般的には、参加型・体験型のワークショップの進行役がファシリテーターと呼ばれ、彼らが行う仕掛け・取り組みなどを指して「ファシリテーション」と称されることが多く、そのような認識をされている方も多いかと思います。
また、日本におけるファシリテーションの広がりにおいて、中野民夫さんの存在は欠かせません。
中野民夫さんが2001年に出版した『ワークショップ』は、それまでさまざまな業界・領域で実践されていたものの、体系立てて説明されていなかった参加型・体験型プログラムである『ワークショップ』、それらの担い手である『ファシリテーター』、そして『ファシリテーション』を広く日本に知らせることとなりました。
その中野民夫さんは、『ファシリテーション』について以下のように述べています。
2001年に中野民夫さんによる『ワークショップ』の出版、2003年に堀公俊さんらが発起人となって日本ファシリテーション協会(FAJ)の設立と、国内におけるファシリテーションの普及・広がりは現在に至るまで20年近くの歩みが存在します。
対話型ファシリテーションとは?
対話型ファシリテーションとは認定NPO法人ムラのミライ(旧団体名:ソムニード)が開発したメタファシリテーション®の別名であり、ビジネスや教育、まちづくり、環境活動などさまざまな場で実践される中で編み出されてきたファシリテーションの技法の一種です。
本書の紹介ページでは以下のように紹介されています。
また、このファシリテーション技法の開発元であるムラのミライのホームページでは、以下のように紹介されています。
このメタファシリテーション®︎を紹介している書籍として、『途上国の人々との話し方―国際協力メタファシリテーションの手法』があります。
今回、書評記事として取り上げた『対話型ファシリテーションの手ほどき』は、メタファシリテーション®︎(対話型ファシリテーション)について身近な事例を交えた入門書と言えるものです。
人材開発情報誌『企業と人材』とは?
『企業と人材』は、株式会社産労総合研究所が発行している『人と組織の力を高める人材開発情報誌』です。
発行元である産労総合研究所は、1938年(昭和13年)に創設された労働問題の民間調査機関『産業労働調査所』を前身とする出版社・民間シンクタンクです。
『企業と人材』は1968年(昭和43年)に『社内報新聞』として創刊され、その後『社員教育』、『企業と人材』へと改題を重ねながら、2013年2月に第1000号が発行されました。
産労総合研究所は『企業と人材』の他、『賃金事情』『労働判例』『労務事情』『人事の地図』といった人事労務分野だけではなく、『病院経営羅針盤』『医事業務』など医療介護経営分野における出版を中心に、同分野での調査研究・提言を行っています。
各誌の定期購読・試読・web見本誌の申し込み、見積書ダウンロード、バックナンバーの確認等は、各誌のリンク先のページをご覧ください。
さらなる探求のための参考リンク
認定NPO法人ムラのミライYouTube
【読書記録】対話型ファシリテーションの手ほどき
産労総合研究所【公式】|YouTube
人事メディア情報(企業と人材)|『日本の人事部』
書評掲載バックナンバー
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