適応障害休職中 転職を考えたときに読んだ本
私は、昨年度まで小学校の教員をしていました。
退職したきっかけは、子どもとの関係に悩み、適応障害になったこと。
約半年間の休職期間を経て、退職をし、現在ライターとして活動しています。
休職期間中は、復職をするか転職するかでとても悩みました。
転職を決意したのは、ある本との出会いがきっかけです。
今回は、適応障害で休職中、転職を考えるきっかけをくれた本を紹介します。
「世界一やさしい『やりたいことの見つけ方』」
(八木仁平 K A D O K A W A)
「自己理解」の専門家である八木仁平さんが、人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッドをまとめた本です。
この本の大きな特徴は、著者自身が「やりたいこと探し」に悩んだ経験をもとに、具体的な方法が書かれていること。「とにかく行動だ!」といった熱い精神論ではなく、自己理解の手順が示されています。そのため、手順通りに進めていけば、誰でも「本当にやりたいこと」を見つけることができるのです。
本当にやりたいことは、「大事なこと(情熱)×好きなこと(情熱)×得意なこと(才能)」で求められると言います。この「大事なこと」「好きなこと」「得意なこと」を見つけていくのが自己理解メソッドです。
「自分が大事にしていることなんて分からない」
「好きなことや得意なことなんて別にないんだけどな」
という人でも大丈夫。自己理解に関する質問に答えたり、表に自分の考えを整理したりする中で見えてくるはずです。さらに、本書の巻末には自己理解に役立つ質問集が載っています。この質問に答えていくと、誰でも「大事なこと」「好きなこと」「得意なこと」を見つけることができるのです。
このことは、転職活動をしたときにも役立ちました。自己理解で大切な3つのことは、まさに自己P Rにつながるからです。自信をもって自分のことを話すことができました。
転職活動を考えたとき、まず読んでほしい本の一つです。
「科学的な適職」
(鈴木祐 クロスメディア・パブリッシング)
サイエンスライターとして活躍する鈴木祐さんが、心理学の研究結果を生かして、自分だけの「適職の選び方」を編み出す具体的な方法を解説した本です。驚くべきは、参考文献の数。約100個もの論文が巻末に挙げられています。これだけ科学的根拠をもとにした職業選択に関する本は他にはないでしょう。
本書には、「幸福な仕事を探すための3つの意思決定ツール」が示されています。
選択肢のメリットとデメリットを並べる「プロコン分析」。
複数の候補と条件を掛け合わせて整理する「マトリックス分析」。
条件の重要度も含めて考える「ヒエラルキー分析」。
「給料が高いから」「楽しそうだから」といったことに惑わされずに、自分が幸福になる「適職」を見つける方法が書かれているのです。
私は、転職するか迷ったときに「プロコン分析」を使いました。教員を辞めることでどんなメリット、デメリットがあるのかを表にまとめたのです。そして、それぞれの項目の重要度を数字で示し、合計点をもとに最終判断をします。
実際に休職中、「教師を辞めるべきか」をプロコン分析したもの。
乱筆をお許しください…
結果は、辞めることのメリットが15点、デメリットが13点。もちろん、これだけで決められることではないですが、具体的に言葉にして書き出すことで、自分の考えが整理できたことは大きなメリットでした。
また、転職先の企業を探すのにも役立ちました。本書に書かれている「仕事の幸福度を決めるポイント」をもとに、企業を分析したのです。「自由・達成・焦点・明確・多様・仲間・貢献」の7つの視点で見ることで、応募先の企業をしぼることができました。
転職するか悩んでいる人や、転職活動を始めたが応募する企業を決められないでいる人におすすめの本です。
転職するか悩んだときは本がヒントになるかも
転職の悩みは、職場の人に相談できず、一人で抱え込んでしまうことが多いです。休職期間中だとなおさら。もちろん、医師やカウンセラーの人に相談するのもいいでしょう。しかし、最終的に判断するのは自分自身。
判断に迷ったときには、本がヒントになるかもしれません。
私は、この2冊の本に出会って、意思決定をする勇気をもらえました。退職してライターになったことが正解かどうかはまだ分かりませんが、心の健康を取り戻すことができました。
休職期間中に悩んでいる人も、精神的に辛くて仕事を辞めたいと思っている人も、悩んでいるなら、ぜひ読んでみてほしいです。ヒントがきっと見つかるでしょう。
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