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noteのおすすめからうまれた、マイ・ロシアンたらこ缶ストーリー・イン・パリ

今週のはじめのこと。noteのトップページにふと現れたこの記事に、魚卵を愛してやまない私の魚卵センサーが瞬時に反応した。

ロシア・・・タラコ・・・ですと・・・??🇷🇺

記事の筆者はすずきけいさんという、ミラノ在住のライターさん。私と同じく海外在住組の方のようだ。

さっそく爆読のうえ理解した、ロシア、たらこに関する基本情報はこんな感じ。

・ミラノのロシアスーパーで買える缶詰状のたらこ🇮🇹
・お値段4.90ユーロ
・抱きしめたいほどの神々しい見た目
・白米が4杯いけてしまうくらいの美味しさ

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ここ2ヶ月半ほど、noteを続けてきて、食材への偏愛ぶりをだいぶさらけ出してきた私だが、あらためて。

私、ごはんには生卵、食パンにはバターとはちみつ、揚げた芋には塩、そばにはカラスミ、そしてパスタにはたらこと相場が決まっている。

「たらこパスタとの出会いは人生において五指に入るほどの事件だった」と振り返り、こんなに美味しいものを食べてこなかった自分に悔恨の感情を覚えたマツコデラックスなみに、たらこパスタが大好物なのである。

でもここは、フランス、パリ🇫🇷

Taramaという鱈の卵でできたペースト状のディップはパンやブリニ(小さなパンケーキみたいなやつ)につけるものとして、どこのスーパーでも定番で売っている。

そして、日本のスーパーで売られているようなたらこ(明太子だった可能性もあり)も冷凍の状態で2腹5、6ユーロくらいで日系スーパーに売っているし、韓国系スーパーで巨大タッパーに明太子が詰め込まれて冷凍されているものは見たことがある。

でもそれらは、私の求める優しいサーモンピンク色をした素朴な「生たらこ」そのものではない。

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このような「好きすぎる」×「手に入らない」×「代替品でさえお高め」という、たらこ三重苦を抱えた私にとって、この記事は素晴らしく示唆に富んでいた。

当然の流れで、読み終わった0.5秒後にはGoogle mapを立ち上げ、「épicerie russe」(食材屋、ロシアの)と打ち込んでいた。

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パリにはKALDIのような、世界中の食材が豊富で一度に手に入るお店は、中心部の大型デパートくらいしか思いつかない。しかもデパートではいいものが厳選されて置かれているので、かなり高級路線。そのへんのスーパーにもちょこちょこと置いてはいるけれど、だいぶ品数は少ないのが現状だ。

一方、その国に特化したエピスリー(食材屋)は、あちらこちらに点在している。例えば先週赤いフォーを食べにいったベルヴィルトロピカルな香りあふれる13区のトルヴィアックあたりは中華系、オペラ座を少し南下したあたりは日系、18区Chateau Rouge駅周辺はアフリカ系、etcというように。

私が住む界隈はパリ左岸のはずれの方なのだが、オーソドックスなイタリア系、スペイン系のほかに多いのが、ペルシャ系、韓国系、そしてアジア系など。ペルシャ系以外はちょこちょこ足を運んでいるのだが、さすがにロシア食材屋はいったこともなければ見たこともない。

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さて、話を戻して、秒で検索したGoogle map検索の結果はどうだろう・・・?

普通に、ロシアンエピスリー、あった。しかも徒歩圏内に2軒。

さらにその2軒とも、散歩で頻繁に通っているあたりなのに、全然気にも留めていなかった。

そのうちのひとつ、名前が「Prestige」でネットショッピングもやっているくらいなので、ここならば売っているのではないか?

淡い期待を抱き、記事を読んだのが月曜の朝10時、その1時間後には愛犬の散歩いってくるとOtto氏に告げ、そのエピスリーに徒歩にてむかうことにした。

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うちから歩くこと20分くらい。2キロ弱のところにそのロシアンエピスリーはあった。

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入り口にご注目いただけるだろうか。IKEAのガラガラワゴン的なものに商品をのせたっぽいものがバリア代わりとなり、店内外の自由な往来を阻んでいる。

これは、、、一見さん入店拒否ということ???
お、おそロシア・・・。

これは、よく使う「ただ見てるの〜」的な交わし方は通用しなそうだから、お店に入れたとしても目的を早々に告げたほうがよさそうだ。例のおすすめ記事の缶詰たらこ画像をSafariで開いたままにしておく。

そして例のごとく、愛犬をバッグにいれて姿形が見えないようにして入り口まで赴く。店内を覗き見ると、お客はお年を召した紳士が1名、店内を物色しているだけだ。そしてお店のオーナーらしいムッシュー(見た目がまじで大統領系*🇷🇺)が何やら子機で電話をしながら狭い店内をウロウロしている。

これ空気読んで退散しろってこと?と一瞬ひるむものの、魚卵好きのプライドにかけて、ここはせめて缶詰の存在有無だけでも確認したい。

思いきって電話中のオーナーっぽい見た目大統領に、「私、入ってもいいですか?」とフランス語で尋ねてみるも、ニコリともせず。

おそロシアなことに「何言ってんだこのアジア人」的な感じだったけれど、パリ市内マスク着用義務の中、口元が見えないので、ほぼゼロでしかない私のつぶらな目で訴えかけるしか、ない。

ものすごく緊張していたので1分は見つめ合ったような感覚だったけれど、オーナーのムッシュー自身は電話しながら実際すぐにバリアのIKEAガラガラをどけてくれて、私は店内に入ることができた。

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本当はブラタモリ的にじっくりあーでもなこーでもないとブラブラしたいけれど、なんとなく店内に入る前から背筋が凍り気味なので、早くみつけなきゃと、焦る。ということで、入ってすぐから時計回りに沿って足早に物色することにした・・・らば!

入って左側面の冷蔵コーナーの左上に、早速みつけた!!

青い缶詰!Nをひっくり返したやつと、KPA、これだ!!
3.8ユーロ也!!

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(周りは加工しているわけでなく、私の瀕死iphone6sカメラの為せた技です)

缶詰なのに冷蔵庫で冷えっ冷え。しかもラス1。ツイている。

速攻手に取り、先客のムッシューの行動を見つつ、店内を見回しつつ。先客のムッシューもロシアの方らしく、電話を終えた強面オーナーとおそらくロシア語でペラペラ話していた。「ダー」しかわかんないよ(ダーは確か、Oui、Yes、はいの意味)。

缶詰以外の写真は怖くて撮れなかったけれど、意外に面白い。魚がたくさんあるし、乾きもの的なものもちらほら。

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そしてさすがロシア、アルコール売り場が充実していたので、思わず先客ムッシューの会計時に後ろに並んでいて、こっそりパチリ。1リットル缶のビール、生まれて初めて見たよ。。。

さすがにこれ以上とれなかったけれど、マトリーショカのモチーフが壁にあったりして、何やら可愛らしい感じ。このコワモテオーナーにして、意外だ。
まさかのおじカワ系?


レジの前、先客ムッシューは常連らしく、何やらロシア語で淡々とやりとりが終わり、いよいよ私の番。私の知っているロシア語といえば、こんにちはの「ズドラーストヴィチェ」かありがとうの「スパシーバ」しかない(SATCで覚えた)。

移民的には、母国語を話してもらえるとたとえカタコトでも一気に距離が縮まるというもの。チャレンジしてみよう。

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いよいよ私の会計の番、緊張して思わず普通に「ボンジュール」と言ってしまう。あああしくじった!

聞こえるか聞こえないかくらいの声でボンジュールと返したムッシューは淡々と会計をし、缶詰1個、3.8ユーロしか買わないのにカード払いを受け付けてくれた。個人商店的エピスリーにはなかなかない、カード使用の下限なし。素晴らしい。

でも相変わらず表情はツンドラ気候。いったことないけどシベリアの極寒風味。

会計後、思い切って、「ス、スパシーバ!!」と口走ってみる。

すると、強面大統領系ロシアンオーナー、ヒューグラントまではいかないけど、目だけちょっぴり垂れ目になった気がした。

うう、これはいつか、彼の満面の笑みをみてみたい・・・。

ということで、これから寒くなるし、どなたかボルシチとピロシキ以外のロシア料理のおすすめを、よろしくお願いしたいところ🇷🇺🇷🇺🇷🇺

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このように、手に入れるまでが印象的で若干脱線しかけているけど、今日のメインは、こちらのたらこ缶なわけで。

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入手した翌々日の水曜日。昼前に、いざ、ご開帳。

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ひゃっはー!!!!!

皮のない、薄ピンクのたらこがみっちり・ぎっしり・しっかりと缶の中に詰まっている感じ。
この時の興奮は、日本映画がパルムドール取ったどー!!ってときの、異国で日本的なものやったぞっていう感じかな。ロシア産だけど。

一口、いってみました。パクッと。

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こういうとき、動画とかだとこの感動をよりダイレクトに伝えられるのだろうなと思うのだけど、衝撃的に、美味しいです。

三重苦かつ異国マジックも相まって、もしかしたら、日本のそこらで売っているたらこよりも美味しいかもしれないという気すらしてしまうくらい。
とっても美味しいです。

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ちなみにこのときすでに、はやる気持ちを抑えられずパスタを茹でていた。

ファーストステップは、やはりシンプルなたらこパスタだろう。
私の鉄板は、これだ。すでに味見で結構いってるな…。

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羅臼産昆布茶に、フランス産無塩バターに、レモン。そしてたらこ。これだけで充分。

パスタが茹で上がったら、トングで麺をダイレクトにボウルに入れて、たらことバターと昆布茶とレモンを絞って入れ、ただ混ぜるのみ。

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追いたらこ、します。

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こうして完成した水曜日のランチは、超シンプルなたらこパスタ。刻みのりをのせてさらにレモンを添えた。

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はい!いよいよ!
ひとりランチで、いただきます。

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これは美味しくないはずがない。

パスタ、ひとりのランチでいつもは70g〜80gくらいだけど、きょうは白米4杯いける論にのっかって、100g茹でた。そして、物の見事に完食。やればできる私。

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魚卵生活2日目、木曜日のひとりランチは、冷凍庫に眠っていたイカを解凍し、一緒にパスタの具にしたいと思う。

バターを熱して、解凍したイカに火をとおす🦑

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白ワインをちょろっと回しかけて、ちょっとだけ蓋をして蒸して、その後蓋を開ける。

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茹で上がった麺と、茹で汁をお玉二杯ほど入れて、

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はい、ロシアン缶詰たらこ、ドーン!白だしか昆布茶を小さじ1いかないくらい入れて、味をみながら調整。

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海苔を乗せて、レモンを添えて、完成。

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このパスタは自分で言うのもなんだけど、控えめに言っても本当に美味しかった。前日のシンプルたらこよりもさらに上をいく出来。お店で出てくるのより美味しいかもしれない。

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そして本日、金曜日。外は朝から雨、最高気温は13度らしい。この土地定番の、いきなり寒いのやってきた。。

今日はちょっと相棒を変えてみようと、大好物にもほどがあるTKGの出番。

朝から貴重なジャポニカ米にたっぷり吸水させ、ふっくらと炊き上げて、TKGに合わせてみた。まずは卵黄のみ。

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ううううう。美味しすぎる。。

ついつい、おかわりを。今度は全卵で(1杯目のもあわせて卵白2つ分)。

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ああなんとも美味しく美しいたらこライフ。こんなに満喫しても、あとごはん2杯分くらい残ってる。缶詰1つで約1週間は楽しめるという感じだな。

この記事を書いてくださった、ミラノのすずきけいさんに本当に感謝だし、おすすめに取り上げてくださったnoteの編集の方にも頭が下がる。

あー、noteやってて、よかった!









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ユイじょり
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