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トラウマもちHSS型HSP気質のある私が、マイナスからゼロ地点に立つときにお世話になったカウンセラーさんたち

回復には、トラウマ(*1)記憶の処理と、HSP気質の理解のどちらも必要だった。

トラウマ記憶の処理は、
地元の心療内科で受けたEMDR(*2)
原宿カウンセリングセンターで受けたブレインスポッティング

が私にはよく効いた。

HSP気質の理解には、
武田友紀さんの本を全て、何度も繰り返して読むこと
がよく効いて、

思考がこんがらがった時の対処法は、
武田さんのカウンセリングでのパーツアプローチ

がよく効いた。

以下で、詳しく説明していく。

(*1)「トラウマ」とは

トラウマは日本語で心的外傷と訳され、心身に危険を感じるような強い衝撃をもたらす体験によって起こります。ー中略ー
客観的に見て命の危険があったかどうかではなく、強すぎる刺激によって神経系が圧倒されて動けなくなった、つらい状況を孤独に過ごすしかなかった、そういう主観的な物事なのです。交通事故に遭った、プールでおぼれたなど、一回限りの出来事によるトラウマを単回生トラウマ、虐待的な家庭環境で育ったり、学校でいじめが続くなど、逃れられない環境の中で繰り返しつらい出来事に遭うことによるトラウマを複雑性トラウマといいます。

「これって本当に「繊細さん」?と思ったら読む本」武田友紀/名越康文 p70より

(*2)EMDRとは

粗く要約すると、負担少なく、再トラウマ負うことなく、高速道路に乗っているような速さでトラウマの治療ができるってやり方のこと。



トラウマ治療をしようと思ったきっかけ

私は、そこそこの毒々しい家庭環境で育った。

思春期以降は、親から得たかった愛情を恋愛相手に求めては得られず、を繰り返していた。やがて、親に似た毒々しいマインドをもったパートナーを得て、予期せず妊娠。子を授かったことがわかるとえもいわれぬ多幸感に包まれ「私がこの子を育てる、パートナーをATMとして機能させる」と心が決まった。

想定していなかったことだが、子どもから無条件の愛情を注いでもらい、私は乾いたスポンジが水を吸うように満たされていった。子どもの可能性を最大限広げることが私の中で最優先事項になった。

教育資金をねん出するために、教員になった。安定収入以外、あらゆることが私に向いていない毒々しい職場環境だった。

子どもが大きくなるにつれ、子どもから得ている愛情が得られなくなると、私は本能的な恐怖に襲われた。それを解決するために、別のパートナーを見つけたが、とても純度の高い愛情を注いでくれた人は、後に自閉スペクトラム症(ASD)ということが発覚した。私自身カサンドラ症候群の症状でぜーはーしていたが、彼の攻撃性が子どもに向かう兆候が見えた段階で別れることにした。

35歳くらいで「私がおかしい。私は法律婚に賛同はできないし私に合っていない。でも、相手が法律婚を望むのであれば、私の信念を覆してでも愛されたいと思ってしまう…」という気付きがあった。


インナーチャイルドワーク:トラウマサバイバー

そこで、インナーチャイルドワークを受けてみることにした。

東京のシェアハウスを見学しに行ったときに出会った人で、ご本人も毒親育ち、回復までに600万ほどかけ、そのノウハウを半年間で50万円で提供するというものだった。

結果、今の私だったら当時の私に「やめておけ」とアドバイスするサービス内容だった。
その方は、心理の専門家ではなく、判断基準はご本人の経験、多くの症例を扱ったこともなく、ご本人もまだ回復過程だった。また、コースの内容を実践することによって、状況が悪化して回復させるまで大変だった。

50万は高かったけど、お勉強代として納得させている。


EMDR(眼球運動):臨床心理士

職場で暴力を受け、男性のシルエットが見えたり、男性が電車で1m以内に立っていたりすると、息ができなくなる症状が出るようになった。

当然、仕事ができるわけもなく、休職することに。

子ども関連で通っていた心療内科のカウンセラーさんが、たまたまEMDRができる方で、職場で受けた暴力を扱ってもらうことになった。

当時は、深い暗闇、沼にどぷんとはまり込んでいたので、記憶があいまいなところも多い。カウンセラーさんは繰り返し繰り返しEMDRをしてくれた。

トラウマ治療ができるカウンセラーさん、「あ、この人に任せていれば回復していける」と実感できるカウンセラーさんに出会える確率って多分100分の1くらい。

私は本当にらっきーだったし、そのらっきーはわたしの子どもがもたらしてくれたもの。子どもから与えてもらってばっかりだ。

ここのカウンセリング費用は1時間5500円くらい。
最初は高いと思っていたけれど、後にとても良心的な価格設定だということがわかった。



桜林直子さんとジェーン・スーさんのポッドキャスト「となりの雑談」

友人がこのポッドキャストを紹介してくれて、聞いてみた。
桜林直子さんは、おそらく毒々しい環境で育ち、それを彼女なりのやり方で乗り越えてきた人なんだなって感じた。
さくちゃんの言葉を何度も何度も聞いていた。
さくちゃんとすーさんのかみあわなささも、それぞれの思考のクセが見えて、とてもおもしろかった。



ブレインスポッティング:臨床心理士

地元のカウンセラーさんに、徹底的にEMDRをしてもらった。
ターゲットとなるトラウマ的な処理をされている記憶は、40数年生きているだけあって、かなり数が多かったが、一つ一つつぶしていくたびに、脳が回復していくのを実感した。

ところが、ターゲットが性暴力に移ったとき、違和感がでてきた。性暴力を扱う場合、カウンセラー側の、ジェンダー、人権、制度理解が深くないと、回復につながりにくい。

よし、餅は餅屋だと、大学生のころに読んでいた信田さよ子さんの「原宿カウンセリングセンター」に行くことを決め、性暴力についてはこちらで扱ってもらうことにした。

ブレインスポッティングはEMDRの一部、EMDRで回復しなかったものをブレインスポッティングでアプローチしていく。

私はEMDR(眼球を動かしながらの自由連想)は向いていなかった。また、EMDRは結論の方向性が決まってしまっているので、当てはまらない時の違和感がぬぐえなかった。

一方でブレインスポッティングは、トラウマ記憶が実際に保存されている場所めがけてアプローチを行い、自由連想で終わり方もクライアントの着地点でよい。

不同意性交3件→電車での痴漢3件→大学の障がい者施設での研修中に視姦されたこと→中学生の頃、クラスの男子にスカートの中に頭を入れられて動けなかったこと→子どもの頃近所のおじさんにむりやりキスするように言われたこと

これらのトラウマ記憶を処理してもらい、大分脳の容量が軽くなった。一つクリアすると、過去封印していた性的な暴力の記憶が浮かび上がってくる感じ。当時、暴力と正面からとらえることもできなかった記憶たちに、ちゃんと「暴力だった」とラベリングしてあげて、最先端の人権意識で補強してもらって、忘れられる記憶に処理してもらう作業を繰り返す。

一回13500円くらい、「高っ…」て思いながらも、回復が実感できるから通い続けた。

性暴力は、山でいうところのエベレストのようなもの。登って無事に下山するには、それ相応の装備、経験と知識の豊富なシェルパが必要。

日本で生きている女性は、大小あるもののほぼ100%の割合で性暴力を経験する。トラウマ治療自体、過去の嫌な記憶と対峙する過程が必要になるから、取り組もうとする人がそもそも少ない。そして、取り組むと決めた人の中でも、金銭的な面で通いきれる人も絞られてくる。

私はターゲット数が多かったのもあり、性被害の記憶を処理するのに40~50万かかった。高い。でも、これからあの記憶を抱えて生きていくことに比べたら、この自己投資はしてよかったと思ってる。

必要な人みんな、傷の癒しが受けられる社会になるといいのにな。


パーツアプローチ:公認心理士

繊細さんカウンセラーの武田友紀さんのカウンセリングで数回お世話になった。トラウマはトラウマ、繊細さは繊細さでそれぞれアプローチが必要なきがしたためだ。

頭がざわざわ収集がつかないとき、パーツアプローチをすることで、落ち着きを取り戻し、建設的な方向に思考を進めていくことができた気がする。

とても人気で、最初に登録をしてから6か月待ちで、タイミングが合わなかったなと思いつつ、タイミングが合ったらまたお願いしたいと思っている。


EMDR(タッピング)+ソマティックエクスペリエンス:臨床心理士

だいぶ、心療内科通いも板についてきた。
まだ、職場で受けた暴力と、組織が隠蔽しようとしている事実に向き合えない。また、こどもとの関係にわだかまりがある。

もうちょっとなんだけどな、とおもいつつ、再び地元の心療内科へ。
今度は、カウンセラーさんが変わって、EMDRとソマティックエクスペリエンスができる方にお願いすることになった。

初回の面談で、今の状況を把握するため私からこれまでの流れを説明した。
カウンセラーさんは「いい感じです。本当にあともうちょっとですね。」と言ってくれて、すごく安心した。

EMDRは眼球で最初試したが、すぐに合わないと判断してくれて、タッピングへ。タッピングの方が集中できることがわかった。

数回通い、男性に触られても何とも思わなくなった、職場の隠ぺい裁判で訴えようかと迷っていたが、得るものもないので、今は自分のこれからに集中したいという自分の気持ちを尊重しようと心が決まった。子どもとの関係性も、整理がつきつつある。


マイナスからゼロ地点に立つまでで費用を抑えるには

マイナスからゼロ地点に立つまで、1年半~2年くらいかかった。
長かったし、お金もたくさんかかった。

このゼロ地点に立てたところから、
コーチング、キャリアカウンセリング、コンサルティングの出番。

ゼロ地点に立つまでのアプローチで、費用を抑えつつ効果を見込みたい場合は、
日本EMDR学会に登録している臨床心理士(*3)さんたちのなかから、地元で通える範囲の方を見つけて、それぞれの料金を比較するのがいいのかなって気がする。行ってみて「あ、なんか言葉が通じない感じがある」って感覚があったら、別のところに行ってみるか、同じクリニックの中で別のカウンセラーさんがEMDRできるんだったら変えてもらうのがいいと思う。

私は、これもいずれ肥やしになるしって思って、有名どころのカウンセラーさんのカウンセリング巡りをしてみたけど、やはり「高い」という気持ちもぬぐえなかった。

(*3)EMDRは臨床心理士さんたち(大学院卒)しか扱うことができない




以下に、受けてよかったもの、後悔しているものリストをのせておく。

受けてよかったもの

  • 地元の心療内科のカウンセリング(EMDR・ソマティックエクスペリエンス) 5千円/回

  • 中越裕史さんの天職カウンセリングでハラスメントの処理 1万5千円/回 https://happy-career.com/profile

  • 原宿カウンセリングセンターで性暴力の記憶の処理(ブレインスポッティング)1万3千円/回 https://hcc-web.co.jp

  • 武田友紀さんのカウンセリングでパーツアプローチと適職診断 2万~3万/回くらい https://sensaisan.jp/

やはり、餅は餅屋で、その方のバックグラウンドに特化したカウンセリングになる。

中越さんはブラック企業で心身がすり減ったご経験があるから、何がハラスメントなのかという特定するセンスが、この中の誰よりもあると感じた。

原宿カウンセリングセンターは、人権、ジェンダー、暴力、家族システムへの理解が深いから、痴漢にあったことがある、付き合っている相手やパートナーとのもやもや、家族の中「女だから」という扱いをうけてもやもや、自分は「え?」って思ってるのに性的な行為が進んでいったという、女性性が絡む傷には本当におススメ。

武田さんは、「HSPという特徴×トラウマ×強みで一点突破」を真摯に取り組んでこられた方のように見えるので、トラウマもちのHSPさんには最適だと思う。

後悔したもの

  • オランダ在住毒親コーチ50万:マイナスからゼロ地点へのアプローチの知識と技術が足りず、まだマイナスの状態の時にゼロからプラスのアプローチが入ってきて、どっちも中途半端。商品設計に課題があり、混乱して終わった。

本当に困っていて判断力が落ちている時、SNSの世界に浸っていると、色んなサービスのセールスがおし寄せてくる。

良質で善良なサービスを提供する人達は、押し売りしない、発信も控えめな印象がある。やらかしたって経験も大切な経験だけど、弱っている時のやらかしは時に致命傷にもなるから、必要な情報が必要な人に届くといいな。

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