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アメリカで本が消えていく?【アメリカ留学日記】#禁書ウィーク

 今、アメリカの学校から次々に本が消えています。

 この状況をご存知でしょうか?

 NHKの報道によると、
 2022年に「禁書」となった本はなんと1835作品
 「アンネの日記」やノーベル文学賞作家の作品なども対象になったといいます。


 自由の国・アメリカで一体何が行われているのでしょうか?


*前回の留学日記はこちらから。


禁じられた本とは?


 みなさんは、禁書という言葉を聞いたことはありますか?
 
 オックスフォードの辞書によりますと、

禁書:公共に害があるとして、ある種の書物の出版・所持を法律で禁ずること。また、その本。

Oxford Languages

 と定義づけされています。

 
 さて、アメリカの学校での禁書運動というのはさほど新しいものでもないそうです。
 「子供がどんな本を読むかが心配」という保護者の声を受けて、図書館に置く本について調整を行うというのは幾たびかあったといいます。


 しかし、近年の禁書の動きは異常とも言える激しさを見せています。

 NPO「米国ペンクラブ」の報告によると、
 これまで禁書とされた本は1万冊にも上るそうです。


標的はどの本か?

 
 この禁書運動のターゲットとして、
 性的マイノリティーをテーマにした作品や人種差別を取り扱った本が多く含まれていています。

 『All Boys Aren't Blue』ジョージ・M・ジョンソン
 『The Bluest Eye』トニ・モリスン(ノーベル文学賞を受賞した黒人作家)
 『This Book is Gay』ジュノ・ドーソン

 などなど・・・


 こういった性的マイノリティーや人種問題に切り込んだ作品を、子供達に読ませたくないという声が保護者の中で高まっているといいます。


大学で見た「禁書ウィーク」


 「禁書の何が危険なんだ?」

 そう大きく書かれたポスターを見かけて、思わず足を止めました。

 9月の終わり、
 私の通っている大学の図書館は「Banned Book Week(禁書ウィーク)」と題したキャンペーンを行っていたのです。

 

図書館に掲示されていたポスター

 その掲示では、
 どういった本が禁書とされているのか
 どれくらいの数の本が禁じられているのか

 といった具体的なデータが掲げられていました。


 それに加えて、
 禁書とされている本を実際に図書館に掲示し、誰もが手に取れるようにしていたのです。


 実際に自分で読んだ上で、
 本当にこれらの本が危険なのか、生徒一人一人の目で確かめてほしいという狙いなのだと思います。

 同じように禁書運動に対立しているのはニューヨークにある公共図書館です。


 このキャンペーンをきっかけに、
 私も禁書の一つである『This Book is Gay』という本を読み始めました。


 その本も、いつかここで紹介できればなと思います。

 以上、アメリカ留学日記でした。


*これまでの本紹介もぜひご覧ください。


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