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SEOの本質は検索体験を満たすこと|SXOの考え方

SXO(検索体験最適化)とは

「Search Experience Optimization:検索"経験"最適化」というユーザー体験を起点とした検索体験を最適化するという概念があります。

Webサイトにはユーザーのニーズを満たすという存在理由があり、検索エンジンはユーザーのニーズを満たすページを評価し、ユーザーに提供をします。

検索ボックスに検索したい事柄をキーワードとして打ち込む時、検索クエリには必ず「検索を行う目的」が存在し、ユーザーはその目的を達成するために検索を行い、その目的が「ニーズ」です。

表示された検索結果がユーザーの求めるニーズを満たす回答であった時、ユーザーは目的を達成し、成功体験を得ることができます。

SXO(Search Experience Optimization)は検索行動を行った時に得られる「体験」を提供するための一連の行動を最適化する施策の総称です。


「検索」に対する本質的考え方とSXO

Googleの創始者で検索エンジンの生みの親でもある「ラリー・ペイジ」はかつて究極の検索エンジンについて自身の見解を述べています。

完璧な検索エンジンとは、ユーザーの意図を正確に把握し、ユーザーのニーズにぴったり一致する答えを返すものである

Google:「検索の仕組み | 便利な検索サービス」より引用

検索体験とは「ユーザーのニーズにぴったりと一致する答えを返すこと」です。検索した後にユーザーは自身の知りたいことを知ることができ、更に検索をしたことで新しいアイデアが生まれ、創造性が活発することで検索体験は発生します。

Googleが掲げる10の事実にもGoogleが検索に対してのスタンスが明記されており、これらもまた「検索体験」におけるGoogleが追求しているスタンスです。

1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
2. 1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
3. 遅いより速いほうがいい。
4. ウェブ上の民主主義は機能する。
5. 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
6. 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
7. 世の中にはまだまだ情報があふれている。
8. 情報のニーズはすべての国境を越える。
9. スーツがなくても真剣に仕事はできる。
10. 「すばらしい」では足りない。


Google:「Googleが掲げる10の事実」より引用

特に「1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」は重要で、Googleは当初からユーザーの利便性を第一に考えていました。

これはSEOにおける「本質」であり、SXOが掲げる「検索体験の最適化」における重要な視点です。


検索体験とは何か

検索体験とはユーザーが検索行動の中で「ニーズを満たすこと」を指します。これらの行動は大きく分類すると以下の7段階に分類されます。

①ニーズの発生
②ニーズに関連するキーワードの検索
③検索意図を汲んだ検索結果の表示
④ニーズを満たすと推測されるサイトへアクセス
⑤コンテンツの閲覧・視聴
⑥ニーズを満たす
⑦次の行動を起こす

検索体験はニーズの発生からニーズを満たすまでの体験を指し、そこに至るまでの一連の行動において最適化することをSXOと称します。

検索体験には「検索されたキーワードの検索意図への回答の用意」「ストレスなくスムーズにコンテンツを閲覧できる環境」「コンテンツは専門的で権威のある方が発信している信頼できるものである」ことが重視されます。

検索行動を起点にユーザーが抱く期待を満たし、顧客体験を得られるようにすることで検索体験をユーザーに提供することができます。


SEOとSXOの違い

SEOとSXOは根本的には同じものです。

本来Googleの視点から見ればSEOとは「ユーザーが検索行動を行った際に、ニーズを満たし、より良い検索体験を得てもらうための取り組み」となります。

しかし、検索エンジンも完全ではなく、リリース当初は検索結果を人為的にコントロールすることもできました。

結果としてSEOは「特定のクエリ(キーワード)に対して、サイトの順位を上げる」ために行う検索エンジンへの最適化となり、ユーザー体験を重視するものではなくなってしまいました。

そのため、SEO(検索エンジン最適化)は検索エンジンを起点に置いた検索順位を上げるための取り組みとなり、SEO技術要件の達成し、自然検索での露出と流入数を増やすことが目的の施策として周知されています。

それに対してSXOは「本来のSEO」という側面があります。

ユーザー体験を起点としているため、技術用件を満たすことは「ユーザーが快適にサイト内を閲覧できるようにすること」が目的となり、検索結果が上がることは副次的なものです。

SEOでは「検索」から「訪問」までを重視するため、検索意図を汲み取ることも、訪問後にニーズを満たしてもらうことは副次的なものでメインではありません。

従来のSEO対策と同じくらいコンテンツの品質は重要視されますが、より「ニーズが満たせるか」が重視されるため、数値化されない部分(意味が伝わる文章になっているか、提示している情報は最新にものか、図表は理解しやすいか…など)も対策範囲になります。

テクニカルな領域もSXOではより重要視されるため、従来のSEOと同じ技術要件でも全てユーザー起点となるため「技術的にクリアしているからオッケー」にはならないこともポイントです。

また、被リンクを集める外部SEO対策も本質的にはSXOの考え方と同じで、検索体験後に満たされたニーズを元に該当ページを引用・参照・紹介などのアクションを起こすことで質の高い「被リンク」が集まります。


SXOの歴史

2012年11月にGoogleより公開された「Do you think that "Search Engine Optimization" should be renamed?(「検索エンジン最適化」の名前を変更する必要があると思いますか?)」という動画の中でアルゴリズムなどを担当しているマット・カッツ氏が「Search Experience Optimization」という言葉と概念について口述しています。

2012年以降に国内外のSEO業者のHPやブログの中に「Search Experience Optimization」という言葉が使われ始め、マット・カッツ氏が口述する「ブラックハットなSEOではなく、ユーザーファーストで、検索エンジンへの最適化ではなくユーザー体験を最優先するSEO(要約)」という考え方を元に広まっていった背景があります。

SXOは「ユーザー体験」を起点に置いているため、検索したユーザーが検索行動の中で「ユーザーが望む答えを得ること」が重要であるという考えで、これはSEOの本質である「ユーザーファースト」に当てはまります。

SXOは新しい概念ではなく、本来は最初から提示されていたものでした。

しかし、検索結果でランキング上位に掲載されることを目的とし、ブラックハットSEOによって、悪質で品質の低いコンテンツが充満する検索結果を良しとするマーケティング活動に対する「アンチテーゼ」として新たな概念として唱えられたのです。

また、近年のSEOはただ単に「検索エンジン最適化」という言葉では説明ができないほど対応範囲が広がり、ユーザー体験を重視するSEOに対して、SXOという概念を使うように言葉の意味を拡張するために使われ出したという背景もあります。


終わりに:SEOの本質はこの先も変わらない

Googleの検索エンジンはコアアルゴリズムのアップデートを重ね、悪質なスパム行為や低品質なコンテンツは評価されず、高品質でユーザーにとって役に立つ正しい情報を掲載したコンテンツが検索結果に表示されるように改善を重ねています。

Googleは常にユーザーファーストであり、悪意のある検索結果のコントロールへの対応は今も昔も変わりません。

SXOは本来のSEOの姿です。

新しい検索エンジン最適化トレンドではありません。

SEOマーケターやWeb担当者は「どうすればユーザーのニーズに対して自社が保有するWebサイトで満たすことができるのか?」「ユーザーにストレスを感じさせない環境を提供するにはどうしたら良いのか?」とユーザー起点でSEOを考えてみてください。

そうすれば、自ずと検索結果に効果が現れるはずです。


【パーソナルデータ】
名前:Uto
職業:Webマーケティングコンサルタント/ライター
趣味:サウナ、アート鑑賞、一人旅、音楽Dig
特技:和太鼓

【連絡先】
メールアドレス:yy.edih.xx@gmail.com
Twitter:@hd2OimM


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S.Uto
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