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THE SAUNA MAGAZINE

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サウナについての考察、体験、調査についてまとめた「読んでととのうマガジン」
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#とは

時間が歪むサウナ室

サウナにいる時、私は時折妄想に耽ることがある。 妄想といっても熱さに耐えながらできる妄想など最長でも2分、早い時は30秒も保たない。 12分計を見て「え!?まだ30秒しか経ってないの!?」と時間感覚が狂う感覚はサウナに入り始めた時から今日この瞬間まで一向に変化していない。 外気浴の30秒とサウナ室での30秒が本当に同じ30秒なのだろうか? あの瞬間、体感的には30秒が2分や3分ぐらいに感じることもある。何度も何度も12分計を見ても5秒ずつしか経っていないことなんてザラ

サウナに行く頻度が減ったことで気づいたこと

2月に入ってからサウナに行く頻度が極端に減った。 週6ぐらいのペースで通ってたのに今は週2程度まで落ち着き、「サウナに行かなきゃ」という思いが消え、前よりもサウナという存在が近く感じるようになった。 いく頻度が減ったのに、距離が近くなったというのも変な話だ。 普通、距離感ができて、身近だったものが特別になるのであれば道理がつくのだが、サウナは少し距離ができることで「日常」さが滲み出てくる。 おそらく「サウナに行かなきゃ」という強迫概念が薄れ、サウナに入ることが本当の意

サウナ室、上段に座るか下段に座るか|座る位置を考察する

多くのサウナ室は階段造りになっていて2段〜3段の段差になっています。 熱は上昇する性質があるので、サウナ室では上段の方が温度が上がります。 サウナ室には大まかに言うと上段と下段の2つの温度帯に分類され、入る人の好みに合わせて好きな場所に座るというのがサウナにおける場所の選び方です。 また、温度帯はさらに細かく分類され、熱源からの距離や入り口との距離などによって温度帯は変わり、表面温度と座面温度でも感じる温度は変動するためサウナ室の構造によって自身にとって最も理想とする場

サウナを楽しんでもらう7つのポイント

最近「サウナを教えてください」と知人にお願いされることが増えてきました。 私は知人をサウナに連れていく時は「サウナにハマってもらう!」という気持ちよりも「また一緒に行こうね」に着地できるようにサウナに触れてもらうことに重点を置いて9つのポイントを意識しながら紹介をしています。 今回は、私が知人に教えているサウナを楽しむポイントをしっかりとアウトプットしたいと思い筆をとりました。 ①サウナは我慢大会じゃない私は知人とサウナに行く時、相手の様子を見て先に出るようにアクション

サウナブームはどこへ行き着くべきなのか

「サウナの面白さ」への思いはサウナに通う日々を送る中で日に日に募り、サウナブーム抜きに、より多くの人にサウナに触れて欲しい気持ちからnoteに日々サウナを題材とした記事を書いています。 手探りで様々な切り口からサウナについて述べていますが、一番伝えたいことは「サウナは良いものだよ」ってことだけです。 入浴方法とか「ととのう」とかそんなのどうでも良くて、とりあえず「サウナは良いよ」とだけ伝えたい次第です。 ここ最近のサウナ界隈は「意識の高さ」と「ミーハー感」が目立つ傾向に

「アート×サウナ」の可能性について

サウナとアートの融合2021年3月 - 8月に六本木にてチームラボによるアートとサウナの新しい展覧会「チームラボ & TikTok, チームラボリコネクト:アートとサウナ 六本木Solo Exhibition」が開催されます。 この展覧会は高級な場所でアートを見るのではなく、あなたが最高級な状態になってアートを体験することをキーワードに鑑賞者自身がととのうことでアートと一体化し、世界と再度繋がることを目的とした企画です。 チームラボといえば言わずと知れたデジタルコンテンツ

サウナをもっと暮らしの側に |-非日常のサウナ体験よりも日常の中のサウナ利用-

サウナ発祥の地・フィンランドでは、サウナが生活の中に浸透しており、一家に一台サウナがあるほど身近な存在です。 サウナには「健康に良い」とフィンランドでは古来より認識されており、心身ともにサウナによってコンディションを調整するだけでなく、交流の場としてコミュニケーションの中心部にも「サウナ」が置かれています。 日本における「お風呂」と同じく「入浴すること」が当たり前であり、毎日「入浴すること」に対して疑問も違和感も抱かないほど生活に溶け込んでいるカルチャーです。 フィンラ

サウナーを2軸思考で4種類に分類してみた【サウナ運営したい方必見】

「サウナの楽しみ方を勝手にまとめてジャンル分けしてみた!」という記事を過去に番外編含む4章に分けて紹介したことがあるのですが、もっとシンプルに分類できないかと思い2軸思考を使用して大まかに4パターンにサウナーを勝手に分類してみました。 この軸の中に様々なタイプのサウナーが当てはめるとスッキリするので、サウナ施設を運営したい方(及びしている方)がどの層をターゲットに運営したいのかを考える時の参考になれば幸いです。 2軸思考で使用する指標を定める2軸思考とは、縦軸と横軸2つの

2021年1月度のサ活まとめ|【サウナ体験記】

2021年のサ活総評早いもので2021年の1月が終わってしまいました。 それと同時に2021年1月のサ活も無事納まりました。 この調子だと気づけば今年も終わってしまいそうで恐ろしいですが、私個人としては20代最後の一年です。モラルを守りつつ自分の好きなことをやり通す1年にしたいと思います。 さて、2021年1月のサ活は17回9施設で週3.8回のペースでサウナに行きました。 非常事態宣言や私自身のコンディションが優れなかったこともあり、先月よりも7回分少ないサ活でした。

サウナ室での会話について考える|「サウナ=静寂」は正義なのか?

サウナにおける会話について「サウナ室での会話はマナー違反である。なぜなら、迷惑だからだ」という意見をよく耳にすることが増えました。 私もサウナ室は静寂である方が好きだが、だからと言って会話そのものに対して「マナー違反」として取締る方々はやりすぎではないかと思う。 (2021年1月31日現在ではコロナの流行もあり、会話をしないことはマナーであることはもちろん承知しています) 時期を問わず、サウナイキタイの様なレビューサイト、TwitterなどのSNSではこの様な内容の投稿

泡沫のように浮かぶ|アクア東中野 【サウナ体験記】

中野区東中野の閑静な住宅地にポツンと佇む銭湯「アクア東中野」 中野区最東端の駅である東中野駅から東中野本通り沿いを抜けて徒歩5分。 季節によって温度が変わる露天プールのある非常に珍しい銭湯で、全裸で泳ぐという極上の体験ができます。 男湯は100度、女湯は85度のコンフォートサウナで、水は全て軟水で湯上り後の肌はすべすべになるという水質へのこだわりもあり、破格の銭湯価格で楽しめる温浴施設です。 私も定期的に通うほど好きな銭湯「アクア東中野」について語ります。 「水質」

サウナと熱の考察|サウナ室には熱さで思惑を蒸発させる力がある

サウナ室内の温度は90度を超える。 ムワッとした熱気に体は包まれ、呼吸することも苦しいほど。 サウナ室は明らかに通常時に生活するどの空間とも異質であり、明らかに人体にとって適した環境ではない。 しかし、熱に包まれたその空間は異質で異常でありながらも、非常に居心地よく迎えてくれる。 「思考」と「熱」サウナ室では「思考がまとまる」と述べるサウナーも多くいるが、その理由を尋ねると「サウナ室では熱さによって余計なことが考えられない。サウナ室内で何か考え事が浮かぶのであれば、そ

我々はどこから来たのか?我々は何者か?我々はどこへ行くのか?

サウナにて外気浴で休憩中の時、ふと脳裏にこんな言葉が降りてきました。 「我々はどこから来たのか?我々は何者か?我々はどこへ行くのか?」 フランスのポスト印象画家「ポール・ゴーギャン」が1897年から1898年にかけて描いたゴーギャンの代表作「D'où venons-nous ? Que sommes-nous ? Où allons-nous ?」の邦題が「我々はどこから来たのか?我々は何者か?我々はどこへ行くのか?」です。 『我々はどこから来たのか?我々は何者か?我々

コンフォートサウナの良さを語りたい

皆さま、早速ですがコンフォートサウナをご存知でしょうか? コンフォートサウナとはサウナ室の温度を控えめに設定し、湿度を上げることで体感温度を高めるタイプのサウナです。 「comfort(コンフォート)=快適」の意味通り、快適で居心地の良いセッティングのサウナ室を目指して設計されており、落ち着く環境が最大の魅力です。 温度は80度前後であることが多く、高くとも90度あたりで、ドライサウナと異なり湿度が高く、25〜35%ほどに保たれています。 特殊な蒸発皿を用いて湿度を上