Yoshinobu Wakamatsu

貸付投資のオンラインマーケット「Funds」を運営するファンズ株式会社の取締役 CTO & プロダクト開発本部長です。

Yoshinobu Wakamatsu

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マガジン

  • Inside Funds

    • 82本

    Funds(https://funds.jp)を運営するファンズ株式会社のメンバーの記事をまとめたマガジンです 🙋‍♀️

最近の記事

ソフトウェア開発組織における "持続可能なやり方" とは

ファンズ株式会社 CTO の若松です。弊社のプロダクト開発チームでは、開発組織のバリューの中で、「持続可能なやり方を採用する」というバリューを入れています。 開発組織のバリューについては、以下の記事でも触れているのでご興味があればご参照ください。 ただ「持続可能なやり方」というだけでは少々抽象度が高く、次のような点でそれなりの解釈の幅があると感じています。 なにが持続可能なやり方なのか? どのような場面で持続可能なやり方であるのか? もちろんバリューが抽象的なのは、

    • 金融サービス開発におけるドメイン知識への向き合い方

      ファンズ株式会社 CTO の若松(@yshnb)です。弊社が運営する Funds というサービスは、個人の方に対しては資産運用の機会を提供するとともに、企業に対しては資金調達の機会を提供する金融のサービスです。 Funds は金融という事業ドメインということで、比較的複雑なドメイン知識が必要な求められる事業のように感じます。 一方で自分自身は、 Web マーケティングを中心とした企業の出身で、金融という領域も関心はあったものの、金融ドメインについての知識をもたないところか

      • サービス開発におけるマイナーな言語選択の光と影

        ファンズ株式会社 CTO の若松(@yshnb)です。弊社のサービスではバックエンドシステムの開発言語として、 Scala を中心に開発しています。 前回まではあまり具体的な技術に触れずマネジメントのお話を書いてきたのですが、今回はこの Scala という開発言語の選定背景と、それによる開発組織について書いていきたいと思います。 ファンズにおける技術スタックの特徴開発するプロダクトは「Funds」がメイン 弊社では個人投資家の方向けに、投資という形での間接的な融資機会を

        • マネージャーはなにをしなければならないのか

          ファンズ株式会社 CTO の若松(@yshnb)です。私の部門でもチームのマネジメントを担っていただいているマネージャーがおり、そうした中でマネージャーとして期待する役割について話す機会があります。 ところで、マネージャーがなにをするべきなのか?という点は、世の中を見るとそれなりに幅広い考え方があります。 そこで今回は、ピープルマネジメントの観点でマネージャーが担うべき役割について、自分なりの考え方をまとめてみることとしました。 マネージャーのミッションとはマネージャー

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        記事

          個人目標設定の意義と達成できる目標とは

          ファンズ株式会社 CTO の若松(@yshnb)です。 CTO の思考シリーズの第3回として、個人目標設定について書いてみたいと思います。 なお、前回までの記事はこちらです。 弊社ファンズでは半期に一度、半期の期初に立てた目標設定の評価と次半期の目標設定のタイミングがあるのですが、ちょうどこの5月末で半期が終了し、6月より新たな期を迎えます。そんなこともあり今回はさまざまな会社においてあるであろう、個人目標設定を題材としてみました。 内容については、弊社の個人目標設定お

          個人目標設定の意義と達成できる目標とは

          大きな課題に取り組むために"課題を共有する"方法

          ファンズ株式会社 CTO の若松と申します。前回の記事では、マネジメントにおける考え方を書きました。 今回は、1人では解決できない課題に取り組むための、課題共有の重要性とその課題を共有する方法について書いてみました。 大きな課題に取り組むには人との共有が必須「課題を自分だけで解決できる」のは組織が小規模なときだけ 私自身はもともと創業時には1人のエンジニアとして参画しました。エンジニアとして、現場のメンバーとしてコードあるいはドキュメント等で自由にアウトプットを構成する

          大きな課題に取り組むために"課題を共有する"方法

          マネジメントは人への理解が重要という話

          ファンズ株式会社 CTO の若松(@yshnb)です。 今回からはしばらくの間、「CTO の思考シリーズ」として私自身の考え方を書いてみようと思っています。第1回はマネジメントについてのお話です。 マネジメントの中でも、ここでの対象としてはピープルマネジメントに焦点を当てたものです。 今回は組織のマネジメントに携わる中で、個人的なマネジメント観として重要と考えているトピックを書いてみました。 マネジメント手法の一般論と限界ピープルマネジメントの手法として知られている方法

          マネジメントは人への理解が重要という話

          開発組織のバリュー策定から4年経っての振り返り

          ファンズ株式会社 CTO の若松(@yshnb)です。ファンズの開発組織では4年前の2020年初頭に開発組織としてのバリュー(行動指針)を策定しました。 ファンズにはファンズ株式会社のバリューもあるのですが、それとは別に開発組織としてバリューを策定したものです。 4年間という期間の中で開発組織のメンバーも入れ替わりが生じたほか、規模も拡大し、このバリューを決めた当時のメンバーの方が少なくなりましたが、そんな今の時点での開発組織のバリューはどう機能しているのか?(あるいは機

          開発組織のバリュー策定から4年経っての振り返り

          自律的意思決定を促すルールと組織文化 ~バナナはおやつに入るのか?~

          この記事は「Funds Advent Calendar 2023」3日目の記事です! こんにちは、ファンズ株式会社 CTO の若松 ( @yshnb )です。今年も年の瀬、いつのまにやらアドベントカレンダーの季節がやってきました。月日が経つのは早いものです。 CTO らしくファンズの技術的パースペクティブについてでも書けばよかったかなぁと思うものの、今回のテーマであるルールや組織文化というトピックについて書いてみたかったこともあり、これをバナナがおやつに入るのかどうか?と

          自律的意思決定を促すルールと組織文化 ~バナナはおやつに入るのか?~

          財務諸表というフレームワークで考えるソフトウェア開発と技術的負債

          この記事は「Funds Advent Calendar 2022」21日目の記事です。 ファンズ株式会社 CTO の若松と申します。 今年も例年通り Twitter の運用は三日坊主となり、 note についても筆を断ったまま2022年を終わりを迎えようとしていたところ、アドベントカレンダーの時期が来ていました。 せっかくの機会ではあるので、以前から漠然と思っていた考えを整理してみたいと思い、この記事では財務諸表を読み解く概念的な考え方を使い、技術的負債について読み解い

          財務諸表というフレームワークで考えるソフトウェア開発と技術的負債

          スタートアップの CTO に求められる役割

          この記事は CTO Advent Calendar 2021 12/22 の記事です! 貸付投資のオンラインマーケット「Funds」を運営する、ファンズ株式会社 CTO の若松と申します。 Twitter を見ていたところ、ログラス CTO の坂本さんがこんな企画をされていたのを拝見し、僭越ながら参加させていただくことにしました。 前提: 自分の現在の立ち位置について前提として、先に自分の立場を簡単に述べておきます。 ファンズ株式会社は2016年11月に設立されたスタ

          スタートアップの CTO に求められる役割

          Funds というサービスの開発を続けて感じる、持続可能な開発に必要なこと

          この記事は Funds Advent Calendar 2021 14日目の記事です!🎄 ファンズ株式会社 CTO の若松と申します。弊社のアドベントカレンダーではみんな楽しそうな記事を書いている中、なんだか文字ばかりの無味乾燥な記事を書いており「あれ?もしかして空気読めてない…??」と感じています。。 リアルではもっと気さくな人間のつもりなので(?)、もし少しでも関心持っていただけそうであれば、あるいはただ雑談してみたい人も、ぜひカジュアル面談リクエストしていただけると

          Funds というサービスの開発を続けて感じる、持続可能な開発に必要なこと

          ファンズの開発組織で実現したいこと

          この記事は Funds Advent Calendar 2021 2日目の記事です! ファンズ株式会社の若松(@yshnb)と申します。 貸付投資のオンラインマーケット「Funds」を運営するファンズ株式会社は、2021年11月に5周年を迎えました。僕自身、ファンズは会社の創業時から在籍していた会社なので、この会社に関わって5年も経ったのだなぁと考えると、なかなか感慨深いものがあります。 またこのタイミングで、僕自身は執行役員CTOに就任しました(& プロダクト開発部長

          ファンズの開発組織で実現したいこと

          Fundsで実施してきた社内勉強会(オンライン読書会)の振り返り

          Funds のプロダクト開発部では、2020年の初頭より約1年間、「データ指向アプリケーションデザイン」の読書会を実施してきました。 この読書会もようやく最後まで読み終わり、振り返りの機会と今後の勉強会をどうしようか?という話をしたので、チーム内向けのまとめも兼ねつつ今回はこの振り返りで話したことをご紹介したいと思います。 これまでの読書会の実施形式これまでの「データ指向アプリケーションデザイン」読書会は、次のような形で実施してきました。 各章ごとに事前に担当者を決めて

          Fundsで実施してきた社内勉強会(オンライン読書会)の振り返り

          FundsでのHTMLメールレンダリング

          今回はかなりニッチなネタですが、HTMLメールについて。 Funds のサービスから自動的に送付するメールは、HTML/テキストの両方を含むマルチパートメールとして送信しています。 HTMLメール自体はあまりサービスにおいて本質的なものではありませんが、今回は昨年行った、このHTMLメール送信のサービスを切り出した話を述べてみたいと思います。 マルチパートメールの仕組みまずはじめに、HTMLメールで使用されるマルチパートメールの仕組みを簡単に説明しておきます。 マルチ

          FundsでのHTMLメールレンダリング

          開発組織のバリュー(行動指針)を作った話

          こんにちは、ファンズ株式会社の若松( @yshnb )と申します。現在は技術部門であるプロダクト開発部の部長を務めています。 2020年も年の瀬、メンバーからも note の記事を書けと言われて久しく時が経ち、ようやく重い腰を上げて筆を執ることにしました。 今回は少し時期を遡り、2020年の初頭、ファンズのプロダクト開発部において、チーム独自のバリュー(行動指針)を作った話を書きたいと思います。 なぜバリュー(行動指針)を作るのかサービスをローンチをした2019年当初は

          開発組織のバリュー(行動指針)を作った話