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Inside Funds

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Funds(https://funds.jp)を運営するファンズ株式会社のメンバーの記事をまとめたマガジンです 🙋‍♀️
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記事一覧

Nix で Deprecated or EOL なパッケージを導入する

こんにちは. Funds のサーバーサイドエンジニアの上村です. 前回,  Nix の記事を書いたのですが実運用上で困る問題を取り上げていなかったので補足編です. 開発現場のありふれた問題として, 外部に公開しないちょっとしたツールなどは対応の優先度が下がり依存関係の更新が疎かになります. 対して, Nix の Stable Channel は EOL バージョンに対応していない傾向があります. 背水の陣の心意気が良いですね 👍 では, そんな時にどうするか 🤔 古いバー

ソフトウェア開発組織における "持続可能なやり方" とは

ファンズ株式会社 CTO の若松です。弊社のプロダクト開発チームでは、開発組織のバリューの中で、「持続可能なやり方を採用する」というバリューを入れています。 開発組織のバリューについては、以下の記事でも触れているのでご興味があればご参照ください。 ただ「持続可能なやり方」というだけでは少々抽象度が高く、次のような点でそれなりの解釈の幅があると感じています。 なにが持続可能なやり方なのか? どのような場面で持続可能なやり方であるのか? もちろんバリューが抽象的なのは、

金融サービス開発におけるドメイン知識への向き合い方

ファンズ株式会社 CTO の若松(@yshnb)です。弊社が運営する Funds というサービスは、個人の方に対しては資産運用の機会を提供するとともに、企業に対しては資金調達の機会を提供する金融のサービスです。 Funds は金融という事業ドメインということで、比較的複雑なドメイン知識が必要な求められる事業のように感じます。 一方で自分自身は、 Web マーケティングを中心とした企業の出身で、金融という領域も関心はあったものの、金融ドメインについての知識をもたないところか

【slackワークフロー】slackでGoogleカレンダーの予定を削除するslackワークフローを作りました!【GAS】

こんにちわ!こんばんわ!ファンズ株式会社のSHIOです! 今日は、slackワークフロー x Googleカレンダー x Google App Script で作る「オーナー以外でもカレンダー削除できる君」(仮)を作ったお話です! ※ 繰り返し予定を前提とした記載となっている点に注意です! オーナーじゃないとカレンダーの予定を消せないの不便ですよね、私の所属するプロダクト開発部では結構ナチュラルに使われていたりするので、誰かの参考にされば幸いです! まずは経緯ファンズの

BigQuery データセットのロケーションを変更したくなったときに読む note

暑い日が続いておりますが 、みなさまいかがおすごしでしょうか。ファンズでエンジニアリングマネージャーをしている @thorigoshi08 (改名しました)です。 つい先日、内々の事情から BigQuery(以後、BQと称します)データセットのロケーションを変更する作業を行いました。 一概に変更とは言ったものの、実際にはさまざまな制約があり、なかなか骨の折れる作業でした。 本エントリではBQデータセットのロケーション移管を行う最中で遭遇した制約について解説していきたいと

Nix と VSCode で Scala 開発環境を構築する

こんにちは. Funds のサーバーサイドエンジニアの上村です. 2024年1月に JOIN してからチマチマ検証を重ねていた Nix を使った開発環境が落ち着いてきたのでエントリー的に記事を書いてみます. Funds のサーバーサイドではプログラミング言語 Scala を使用しています. Scala の開発では IntelliJ IDEA を使用するのが一般的だと思います. (多分, 知らんけど.) が, 長らく IntelliJ IDEA を使っていなかったので最近使っ

サービス開発におけるマイナーな言語選択の光と影

ファンズ株式会社 CTO の若松(@yshnb)です。弊社のサービスではバックエンドシステムの開発言語として、 Scala を中心に開発しています。 前回まではあまり具体的な技術に触れずマネジメントのお話を書いてきたのですが、今回はこの Scala という開発言語の選定背景と、それによる開発組織について書いていきたいと思います。 ファンズにおける技術スタックの特徴開発するプロダクトは「Funds」がメイン 弊社では個人投資家の方向けに、投資という形での間接的な融資機会を

マネージャーはなにをしなければならないのか

ファンズ株式会社 CTO の若松(@yshnb)です。私の部門でもチームのマネジメントを担っていただいているマネージャーがおり、そうした中でマネージャーとして期待する役割について話す機会があります。 ところで、マネージャーがなにをするべきなのか?という点は、世の中を見るとそれなりに幅広い考え方があります。 そこで今回は、ピープルマネジメントの観点でマネージャーが担うべき役割について、自分なりの考え方をまとめてみることとしました。 マネージャーのミッションとはマネージャー

ScalaMatsuri2024で登壇してきました。

背番号8です。 ScalaMatsuri2024 にスピーカーとして参加してきましたので簡単に振り返っていきます。 セッション内容OpenJDK の Loom プロジェクトの Scala における有用性についてセッションしました。 Java の界隈ですと検索すればそこそこ情報が出てくるのですが、Scala においてはあまりというか、特に国内では言及している事例を見かけたことがなかったので思いつきで CfP を出してみたら通過してしまいました。 出来上がった資料はこちら

個人目標設定の意義と達成できる目標とは

ファンズ株式会社 CTO の若松(@yshnb)です。 CTO の思考シリーズの第3回として、個人目標設定について書いてみたいと思います。 なお、前回までの記事はこちらです。 弊社ファンズでは半期に一度、半期の期初に立てた目標設定の評価と次半期の目標設定のタイミングがあるのですが、ちょうどこの5月末で半期が終了し、6月より新たな期を迎えます。そんなこともあり今回はさまざまな会社においてあるであろう、個人目標設定を題材としてみました。 内容については、弊社の個人目標設定お

RDRAを試してみた感想とか

背番号8です。お久しぶりです。 お仕事で要件分析・定義を行う機会があり、 RDRA(Relationship Driven Requirement Analysis)を試してみたので感想文を書いていきます。 RDRAとは要件定義やシステムの仕様を可視化するための手法の一つで 網羅性と整合性を兼ね備えた要件定義を素早く行うことができる と紹介されており どんどん作ってどんどん直す というのを前提としています。 RDRAレイヤーと呼ばれる視点の異なる4つレイヤーに対し、アイ

SlackにHelpme チャンネルを作ったら皆にオススメしたくなった話【おすすめしたい取り組みシリーズ#2】

こんにちは!こんばんわ!ファンズでQAディレクターをしているSHIOです! 本日は組織施策の一つにも多分なりえる、slackチャンネルに「helpme」チャンネルを作ったお話とつくってよかったなー&おすすめしたいなーっていうお話です! リモート下での仕事をしていると、困った時ってどうしていますか? 👇みたいなお困りごとってたまにありませんか? 隣の人に聞くわけにもいかない(リモートあるある) 緊急度が高い話でもなかったりするとDMで聞くのもちょっと聞きづらい そもそも

大きな課題に取り組むために"課題を共有する"方法

ファンズ株式会社 CTO の若松と申します。前回の記事では、マネジメントにおける考え方を書きました。 今回は、1人では解決できない課題に取り組むための、課題共有の重要性とその課題を共有する方法について書いてみました。 大きな課題に取り組むには人との共有が必須「課題を自分だけで解決できる」のは組織が小規模なときだけ 私自身はもともと創業時には1人のエンジニアとして参画しました。エンジニアとして、現場のメンバーとしてコードあるいはドキュメント等で自由にアウトプットを構成する

マネジメントは人への理解が重要という話

ファンズ株式会社 CTO の若松(@yshnb)です。 今回からはしばらくの間、「CTO の思考シリーズ」として私自身の考え方を書いてみようと思っています。第1回はマネジメントについてのお話です。 マネジメントの中でも、ここでの対象としてはピープルマネジメントに焦点を当てたものです。 今回は組織のマネジメントに携わる中で、個人的なマネジメント観として重要と考えているトピックを書いてみました。 マネジメント手法の一般論と限界ピープルマネジメントの手法として知られている方法