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禅のway

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問と答。主と客。地と図。意味と象徴。仏と人。アルファとオメガ。日と月。天と地。一瞬と永遠。全と個。心と身体。わかることと、わからなくなること。
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超短期独身生活の徒然

超短期独身生活の徒然

昨日は久しぶりの超短期独身生活にテンションが上がって、珍しくnoteとFacebookのダブル投稿に及んでしまったわけだが、実際のところ、四六時中家族と干渉しあう生活と、ひとりで暮らす生活は、まったく手触りが違うのである。
まず、時間の流れる速度が違う。ゆっくりしている。空間も、いつもより広く感じる。部屋の温度はいつもより低い。
住環境の違いは、おそらく世界観や宇宙観、人生観や社会観にも影響するの

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脈々と伝える系譜

脈々と伝える系譜

今日は、某企業での4回構成のプログラムの、最終日だった。
結構、無理難題な、というか、話の筋がよく見えないというか、あれもこれもやりたくて、といった文脈からスタートした取り組みだったので、どうなのかなと思いながら始まった案件だった。
しかし、その他様々な案件に忙殺されていて、深く考えたり議論をしたりという時間もなく、えいやっ、と、方向性を出して、取り組んだのだった。
結果としては、案件としての客観

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現代アート的生き方

現代アート的生き方

できるだけ普遍的な、真実に近いことを語るためには、メタ化あるいは概念化、抽象化、構造化をすることを避けるわけにはいかないが、それを言葉で語った瞬間に、嘘が始まる。
できるだけ誤解のないように伝えたいと思うと、その状況そのものを作り出すという荒技に出るしかないわけだが、契約された委託業務のスコープからの逸脱も辞さずという覚悟がなければ、その一線を超えることは叶わない。
かつまた、そうした日常を、非日

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この世のパースペクティブと消失点

この世のパースペクティブと消失点

別々の場所で起きた話題の背景に通底するものについて、考えざるを得ないような気がしている。

かたや、民間企業の提供するツールを用いて、問答無用で個人とその行動を識別し、サービスプロバイダ等に情報をフィードバックする、というもの。
かたや、政府の提供するツールで、あらかじめ個人のIDを登録しておいたものを、私的なサービス利用の認証に活用する、というもの。

どちらのケースについても、「気持ち悪い」と

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作家・作品・メッセージ

作家・作品・メッセージ

スカイクロラに関する批評があるということが、タイムラインで流れてきて、読みに行ったら、とても素敵な文章であった。

鑑賞力の高い人は、素直に尊敬の念を覚える。
事前知識なしで、ここまで理解できる人は、極めて稀少な存在ではないか。

自分はたぶん、10回ぐらい観たし、批評やら感想やらも読み漁ったし、監督のメルマガも読み続け、お便りを出し、返事ももらいながら、どうにかこうにか、咀嚼していった。あと、絵

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無の有

無の有

磁気単極子、という言葉が面白い。

存在しないものを、存在しないと主張するだけのために、名付けられた概念。

すこしおちついて、しばし、ゆるまる

すこしおちついて、しばし、ゆるまる

 作業と手続きがひと段落して、ようやく脳が平時モードに切り替わりつつある。

 ああ、疲れた。

 仕事的には、直近はゆるめ、先々はそれなりに、という感じで、いまの自分には、なんだかとても有り難い。
 弛緩せよ、という天のお達しなのだろう。

 ありがたく、ゆるまることにする。

 こういうときに、ミドルテンポでディストーションのしっかり効いた厚めのロックはとても心地いい。

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 若

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ひらくとかなう

ひらくとかなう

 あるプログラムを仲間と一緒に運営していて、満足度、理解度ともに全員がアンケートで5点満点をつけてくださるということが起きた。
 そういうことって、なかなかない。
 狙ってできることでもない。そもそも、狙ってなど、いなかったし。

 しかし、そういうことが起きたことが、不思議なことではないなと、そんな感覚もある。

 変化に対して、身体をひらいているのが、大事なんじゃないかと思う。

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濃い生き方

濃い生き方

 稼ぎながら学び、学びながら遊び、遊びながら育ち、育ちながら笑っていたい。

 一日は確かに24時間で、あらゆる人間に平等だけれども、ひとつひとつの出来事に、意味や風味を何層も重ねることはできる。

 最近、縁、という言葉を、特に考える。縁、としか言い表せない何かが、この世には、ある。良縁とは、濃さによって引き寄せられるような気がする。

循環型二階微分方程式

循環型二階微分方程式

 ある状態をもたらすために、なにかしらの成果物を作り上げる。これが人間の取り組みの基本構造である。
 このように問いを立てると、その成果物が果たす機能によって、目的とする状態が達成される、と考えるのが、当たり前である。
 しかし、実際のところは、その成果物を作り上げる過程そのものが、状態に作用することもある。いやそれ以前に、その成果物を作り上げることによって、目的とする状態が実現されるのだ、という

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トランス・リアリティ

トランス・リアリティ

 考えてみたら、メンタルのバランスを崩してサラリーマンを辞めたのが、もう3年前のことになる。随分と調子は戻ってきた感覚はあるのだけれども、リアリティの感じ方が、あの頃を境に全く変わってしまった。
 どこがどう変わったのかを、言葉で語るのは難しいのだけれども…不安や希望の抱き方の、磁極がひっくり返った感じ、とでも言おうか。
 ものすごく細かいことが妙に気になったり、ものすごく細かく気にしていたことが

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ポップでキッチュでキャッチーで

ポップでキッチュでキャッチーで

 世間の波に直接さらされながら存在するためには、つまり、他者に必要とされるためには、圧倒的なわかりやすさが必要だ。
 わかりにくいものは、他者の心象に、残らない。なぜならみんな、忙しいから。自分の必要とするものを獲得することに。

 とはいえしかし、わかりやすい、ということは必要条件ではあるが、それだけでいいわけでもない。
 つまり、ただ単に、わかりやすければ生き残れるほど、世間は甘くもない。
 

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ムービィな日々

ムービィな日々

 最近、立て続けに映画を観ている。

 インターステラ
 インセプション
 ブレードランナー2049
 ダークナイト
 ゼロダークサーティ
 マネーボール
 血ぃともだち

 取り立てて、理由があってのことではなく、時間的、空間的に、視聴環境が整ったことが要因であると思われる。

 映画を観ていても考えるのは、全体と要素の関係性である。
 全が個を表象し、個が全を象徴する。
 その必然性が強靭であ

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raison d'être

raison d'être

 仕事をするときのモチベーションの根源がどこにあるかって、他人には窺い知れぬ話だし、もっと言えば、本人だって、わかっちゃいないことも多い。

 自分の場合は、人への、思い、なのかなぁと思う。

 満たされないと不安に駆られ、行動する。行動し、満たされたら満たされたで、もっと満たされたくなり、より深く渇望する。

 端的に言って、それは渇愛というやつそのものであり、執着であり、煩悩である。
 いかに

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