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すっとこどっこい丸
2022年4月27日 23:49
僕を言い訳にして朝が遅刻する『あなたがいつまでも起きているから私の準備は遅れたのよ。』太陽はこの星を照らすために輝いているわけではないのに時折そんな風に嫌味を言う。目の前を我が物顔で横切る蟻を思わず足で払ってしまいたくなるような衝動が太陽にもあるのだろう。朝日の透き通るような鋭さこの植木この建築この身体この世界の影をまとめて縫い合わせてしまう強烈な光線
2022年4月27日 01:27
街で暮らす夢の演出家たちは手軽に感動できる寝物語を探し求める。せわしない親指の往復運動の末に見つけた輝かしい文字列。そこに吸い寄せられた群衆の一部になることでどこか満たされた気になって「私も幸せだ」と自分に言い聞かせて眠りにつく。今宵もいい夢を見られるように。僕も躍起になって美談を探す。しかし不思議と目は冴えて仕方ないから少し街を歩くことにした。
2022年4月26日 01:04
夜タバコを吸いにベランダへ出ると桜の花びらが一枚床に張り付いていた。影も持たないほど薄いくせして夜目にも鮮やかに己の居場所を告げているこの春、僕がロクに花見もできなかったことを君は知っていたのだろうか?この狭いベランダから道路一つと小さな柵と二つの街灯を置いたところに君はかつて住んでいた。君の兄弟たちは先週の豪雨と今なお続く荒々し