【詩】 朝焼け

僕を言い訳にして
朝が遅刻する

『あなたがいつまでも起きているから
私の準備は遅れたのよ。』

太陽は
この星を照らすために輝いているわけではないのに
時折そんな風に嫌味を言う。

目の前を我が物顔で横切る蟻を
思わず足で払ってしまいたくなるような衝動が
太陽にもあるのだろう。


朝日の
透き通るような鋭さ
この植木
この建築
この身体
この世界の影を
まとめて縫い合わせてしまう
強烈な光線


明日からは
夜明けに立ち会うたび
少しの不安と後悔を
用意しよう。

この遥かな光源に対する
正しい態度を
僕らはすっかり忘れていたのだ。



社会人になってから初めて徹夜した時に喫煙所で書いた詩を少し書き加えたものです。

僕の詩は、タバコを吸っている時や電車に揺られている時に書き記した草案を、2〜3週間後の深夜に読み直し、書き加えたり削ったりすることで完成します。

削りすぎて白紙になるのが殆どですが。

削る前の草案は、インスタのストーリーにアップしたりしています。


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