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ベンチャーに会計士の知識は不要か?
転職面接でこんなことを聞かれたのを思い出した。
「うちに来ても会計士の知識、経験を使う場面は限られますが大丈夫ですか?」
経理に転職して3か月経ち、答えが見えたのでまとめてみる。
(この質問をされたのはIPOを目指すベンチャー企業)
✅1.ベンチャーこそ会計士の知識、経験を使う
結論から言うと、「ベンチャーこそ会計士の知識、経験を使う」と思う。
いくつか理由を書いてみる。
1-1.会計知識
いわゆる中小企業で毎年同じような取引が繰り返されるような環境ならわざわざ会計士を置く意味はないと思う。
(高い年収を交渉されるだろうし)
が、IPOを目指す会社であれば新しい取引やイレギュラーな取引が日常茶飯事的に発生する。
ほとんどの会計士は監査法人出身で、イレギュラーな取引を無数に経験(対処法)しているから、そういった経験が非常に役に立つ。
また、最近は新しい会計基準が導入されたり、基準が変わったりすることも多い(収益認識基準の導入など)。
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新しい基準が導入(または変更)されると、このような資料が100ページくらい公表されるが、専門知識がないとパッとわからないと思う。
会計士はこのような知識を体系的かつ正確に理解しており、自社にどう落とし込むかを判断できるため、この観点からも知識を十分に使う。
1-2.内部統制
会計士というと上のような会計知識だけあると思われがちだが、実は監査法人でいろんな会社の業務フローを見ている。
普通の会社員なら自社のことしか知らない(=自社が当たり前)と思うことが多いが、いろんな会社を知っている点で強みがある。
「ここで承認を得ないと不正に利用されるだろう」とか「この確認がないとエラーが発生するだろう」といったリスクから考えるため、それを抑えるためにどうしたら良いかと考えることができる。
ベンチャーでは内部統制がない、あるいは有効に機能していないことが多いため、それをあるべき姿に持っていくときにその経験が生きる。
1-3.開示
上場企業では四半期報告書や有価証券報告書といった資料を四半期に1度開示する義務がある。
特に有価証券報告書は100ページ〜200ページといった膨大な資料で、作成するのに相当な負担がかかる。
しかも、会計知識やルールを踏まえて作成しないといけないため、ただ作れば良いと言うものではない。
ここでも会計士の知識は役立つ。
毎年多くの会社の資料を大量にレビューし、会社に指摘をしている。
こういった経験がどこを注意して作成すべきか、どんな資料にすべきかということにつながり、先回りして動くことができる。
1-4.外部のステークホルダーと対話するとき
上記は社内向けの立ち回りで役立つことを書いたが、もちろん外部のステークホルダーと対話するときにも知識・経験が生きる。
代表的なのは監査法人とのやりとりだ。
監査法人から質問や指摘が入るとき、当然に監査法人での経験が役立つ。
どのように回答すべきか、監査法人がどこを気にするかを知っているため、ここでも先回りしてスムーズに動くことができる。
また証券会社や投資家とも会計の専門知識を活かして対等に話すことができるし、意外と法律(会社法、金商法)の知識を使うところだ。
会計士の受験科目に実は法律も含まれていている。
「取締役会の招集通知は1週間以内に送付しないといけない」とか「株主総会の書面決議はどのようにすすめるか」といった法律の知識も体系的に有している。
会社を運営するためには法律の知識も必要で、守らないと重大な事故(瑕疵)になる。
✅2.まとめ
以上、ベンチャーこそ会計士の知識や経験を使う理由をまとめてみた。
この記事が転職を考えている会計士やベンチャーの人事に役立つとうれしいです
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![よしとも 公認会計士×スタートアップ 経営管理部長×馬主を目指してます!](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66151804/profile_5f22cc7a3636a61aa452d70540cc96ef.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)