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SaaS企業でチャーンレートは重要なKPIとして置かれるが、自分でグラフを作ってみるとその重要性をより感じたのでnoteにしてみる。

✅1.この記事の対象者

・SaaSビジネスに携わっている人

✅2.チャーンレートとは?

平たく言えば「解約率」のことである。

例えば、4月頭に100人がアマプラに入会して、4月末に1人解約したらチャーンレートは1%になる(1 - 月末人数÷月初人数)。

なお、チャーンレートは人数(顧客数)をベースに計算することもあれば、MRR(サブスク売上)をベースに計算することもある。


✅3.なぜチャーンレートが重要なのか?

チャーンレートが高いと「穴の空いたバケツに水を注ぎ込むよう」と表現されるが、実際にグラフを作成すると一発でわかる。

毎月のMRR(サブスク売上)は一定と仮定し、チャーンレートを変数で置いた。
(チャーンレートは上から1%、3%、5%、8%、10%)

チャーンレートが8%の場合13ヶ月目あたりで、10%の場合10ヶ月目あたりで成長が頭打ちになるのがわかるだろう。

つまり、毎月新規顧客を獲得してきても、既存顧客も相当なスピードで離反していくため、MRRが増えていかないのである。

これが「穴の空いたバケツに水を注ぎ込むよう」と言われる理由だ。


✅4.なぜ3%が目安なのか?

よくいろんなサイトで「チャーンレートの目安は3%」とあるが、その理由が書かれていないので分析してみる。

4-1.MRRの頭打ちが2年以内に来るから

先ほどのグラフを1%刻みに変更するとこのようになる。

チャーンレートが4%の場合25ヶ月目あたりで、5%の場合20ヶ月目あたりで成長が頭打ちになる。
つまり、2年待たずしてMRRが頭打ちになってしまう。

一方、3%の場合36ヶ月目で頭打ちになる。
MRRが積み上がっていくのが2年と3年で1年差があるのは直感的に大きいだろう。

普通のビジネスと異なり、SaaSビジネスはショット売上がない。
よって、基本的にMRRを増加させる戦略を取るが、MRRが2年で頭打ちになるとすぐに路線変更(新サービスの開発など)を迫られることになる点が厳しい。

チャーンレートが3%を超えるとSaaSビジネスの強みを全く生かせていないとも言えるだろう。


4-2.LTV / CAC > 3 を満たすため

4-1は直感的な話だが、ロジックで紐解くこともできる。

一般的にSaaSビジネスでは「LTV / CAC > 3」を満たすことが重要と言われている。

詳細はこちらの記事に譲るが、「LTV / CAC > 3」はCAC回収期間とチャーンレートが重要な要素を占める。

ここで、CAC回収期間を目安の12ヶ月とすると、チャーンレートを3%にすれば「LTV / CAC > 3」を満たせるため、これも1つの理由になる。
(チャーンレートが低ければ、CAC回収期間を延ばしてもよいとも考えられる)


✅5.まとめ

以上、チャーンレートの重要性についてまとめました!

3%を切るとMRRがすぐに頭打ちになる、LTV / CAC > 3になってしまうため重要なKPIになります。

今後も毎日投稿を継続しますので、よければ他の記事も見ていただけると嬉しいです。

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