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台湾癒され旅。台湾スープの女王「鹹豆漿」を愛しすぎて家でも作ってみた

 こんにちは、聴く・書く・話す コラムニストの芳麗です。
 10月初旬は台湾に1週間ほど行ってきました。夫が台湾系日本人ということもあり、結婚後は年に1度、台湾に行くのが恒例に。毎年、秋の訪れとともに台湾の実家へと帰り、家族とともにゆったりと過ごしたり、台湾在住のノンフィクションライター・近藤弥生子さんに遊んでもらったり。

 帰省もかねているから、私にとっては、暮らすように旅できる国。台北に借り暮らししているような感覚で過ごしながら、さまざまな場所(主に食関係)を巡り冒険も楽しんでおります。

 近年の台湾でのあれこれをnoteでもリポートしたいところなのですが、なかなかまとまった時間が取れないので、まずは、最愛の台湾グルメを1つ。
 最後は、私の大好きなあのメニューを、家でも再現できる大ざっぱレシピもご紹介しますね。


初の台湾旅は、街の空気ごと味わえる格安グルメを軸に

こちらは人気レストラン「欣葉」です。

  台湾はグルメ大国なのですが、その懐は果てなく深く、近年ますます進化しています。ミシュランで星をとるような高級レストランの名店も増えて、世界各国の料理も東京にならぶくらいレベルの高いものが楽しめるなと。

 それでも、台湾グルメの最大の魅力といえば、格安のB級グルメ。ジャンクフードとは一線を画すので、B級という名前はそぐわないかも。

 台湾の一般家庭に根差し、日常的に食されているメニュー。みなさん、ご存知の魯肉飯(ルーローハン)のような丼めし、温かいスープや麺類はとにかく種類豊富だし、どれもこれも美味しい。
 円安のご時世においても200円程度で食せるものも多く、こんなにも豊かな味と体験が200円で味わえるなんて!と毎回、感動してしまう。

 現在の台湾には、新しくて面白い文化や街なみ、美しい自然や風景の両方があるし、足ツボやスピリチュアルなスポットも楽しめますが、初めての台湾。1〜2泊3日くらいの短い旅なら、とにかく日常グルメを味わうことを軸にして、ひたすら食い倒れることをおすすめしたい。

台湾のお味噌汁?  鹹豆漿の滋味深さに夢中です

 さて、大好きな台湾格安グルメの中でも、私がとりわけ思い入れているメニューがあります。

 鹹豆漿(シェントウジャン)

 日本での認知度もおそらく高いですよね。温かい豆乳にお酢が入っていて、おぼろ豆腐のように柔らかく固まっている、干しエビや搾菜などのだしが効いた旨みの強いスープです。

 台湾では朝ごはんとして定番の一品で、毎朝、このスープとともに揚げパンや点心を合わせていただく台湾人が多く、観光客にも大人気のメニュー。

モチモチの肉餅と温かなスープは口福なマリアージュ

 台北では街を歩けば、そこかしこに豆漿店があり、ありとあらゆる鹹豆漿(シェントウジャン)を食べ歩いてきましたが、本日は人気店の1つである、こちらをご紹介します。

青島豆漿店 
台北市杭州南路一段139-3号 MRT淡水信義線「東門」駅下車徒歩8分

 台北を代表する観光スポット・中正紀念堂が近くにあります。こちらは、鹹豆漿(シェントウジャン)も人気ですが、それ以上に肉餅韮餅という焼き饅頭が美味しいと評判のお店。

 現在、人手不足ということで店内で飲食できない仕様になっていますが、朝から大行列(今回はほぼ地元の人でした)。とはいえ、回転は速いし、店頭でお婆さんとおじさんが餅に餡を黙々と包んでいる姿に目を奪われているうちにあっという間に順番が訪れました。

 こちらの鹹豆漿(シェントウジャン)は、海老の風味がしっかりと効いている。クセのない味わいながら複雑な旨みがあり、ミルキーな舌触り、ふわふわとした食感などなども好もしい。滋養が五臓六腑に染み渡るとはこのこと! 台湾スープは、癒しのグルメです。

台湾の揚げパン・油條(ヨウティヤオ)がクルトンのように浮かんでいます。

 熱々の肉餅と韮餅はもっちりとした味わい、程よい焼き目がスパイスとなって、ジューシーな餡とのマリアージュがたまらない。肉餅とスープを交互にいただくと口福感がどんどん増していきます。

上は韮餅、下は肉餅

 お店から歩いて2、3分にある中正紀念堂は、周囲が緑豊かな広大な公園になっているので、そこで食べるのがおすすめ! 五感も一緒に癒されますよ。

中正紀念堂を望む広大な緑の公園で「いただきます!」

家でも作ろう簡単美味な鹹豆漿(アレンジ無限)


 鹹豆漿(シェントウジャン)は美味しくて安価なだけでなく、栄養たっぷりなところも魅力的。豆乳のイソフラボンがこんなにも美味しく摂取できるなんて、ホルモンバランスの変化に惑うミドルエイジとしても嬉しい限り。

 本音を言えば、「日本でも飲みたい、週3で飲みたい!」というわけで、日本に帰国してからも、自作して日常的に飲んでおります。

 実は、このスープ。割とシンプルな構成でできているので、簡単に再現可能だし、気分次第で自分好みにアレンジもしやすいレシピなんです。


我流でも大雑把でも美味しい「鹹豆漿」レシピ

材料(だいたい2人分)

・成分無調整豆乳 400ml
・干しエビ(乾燥エビ) 大さじ2-3
・搾菜(ぬか漬けなど好みの漬物でも代用可) 大さじ2-3
・酢(白酢、黒酢、バルサミコ酢など)
・醤油 小さじ2(塩でもOK)

以下は、トッピングなのでお好みでどうぞ。
・パクチー(ネギなど他の薬味でも)
・ごま油 (or ラー油)
・切り干し大根
・塩昆布 
・カリッと焼いた油揚げ(台湾の揚げパン・油條の代わりに)

作り方

1 干しエビ、搾菜などはみじん切りにする。

2 干しエビの場合は、少量の水につけて戻しておく。

3 鍋に干しエビと漬けた水、搾菜を小鍋に入れて少量の水を加えて弱火で3分程度煮る。

4 上記の鍋に豆乳を入れて、沸騰しないように直前まで温める。

5   温まった豆乳スープに酢を入れたら火を止め、軽く混ぜて、豆乳が自然にほろほろと柔く固まるまで放置(3分くらい)

6 器に盛り付けてから、醤油、パクチー、ごま油、ラー油などをお好みで加えて好みの味に仕上げて、いただきます。


 これだけです。各材料の分量はだいたいでOKだし、基本は、メイン食材の豆乳+出汁の素(エビやザーサイ)+お酢(味つけ/固める)の3種があればいいし、その出汁とお酢もいろんな種類を自由に組み合わせて、自分好みにカスタマイズしたり、新たな味を見つけるのも楽しいレシピです(もはや鹹豆漿とは言えないかも)

 薬味などのトッピングもお好きな方はお忘れなく! 私は薬味好きなのでたっぷりのせたい派なのですが、その時の冷蔵庫の在庫次第でトッピングなしでも 、それはそれで美味しいです。

 端的に台湾グルメを1つだけ紹介するつもりが、すっかり熱くなってしまいました。

 私にとって旅の醍醐味の1つとは、こうして現地で味わった彩豊かな感動を日常に持ち帰ることにほかなりません。

 年々歳々、知れば知るほど好きになるし、親しみを感じている台湾。私の膨らみ続ける台湾愛は、折りに触れ、様々な形で表現していきますね。 

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