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難病を患って健康になった話


吉野についての記事はこちらから。


突然だけれども、私のひいおばあちゃんは老衰で亡くなった。


101歳という大往生。
お葬式の時、参列者は悲しみに包まれていたがそれと同じぐらい「ここまで健康で生きられてすごい」という気持ちも持ち合わせていた。


「やっぱり健康でいることって大事だね、それさえあれば充分だよ」


親族がそう言っていて、自分も子どもながらにうんうんそうだよなぁと頷いた。


それから数年後。
中学生にして難病であるクローン病を発症していることがわかった時、検査終わりの病室でぼーっとした頭で思った。


「…やばい、中学生で健康失っちゃったよ」


それさえあれば、と言われていた健康失っちゃったよ。ここから先ずっと健康ではない人生送っちゃうよ。やばいよどうするのよ。


…いや、まってくれ違う。
思い返せば生まれた時から私は全く健康ではなかった。


未熟児として生まれてそこから重い病気にかかり生死を彷徨い、目の手術、耳の手術を経験し、紫斑病になり、そして現在…


幸いなことにクローン病以外の病気は今はなんともないけれども、考えれば生まれた時から健康ではなかったんだなぁ。


そういえば前に母に「健康に産んであげられなくてうんぬん」って言われたことあったっけ…


それに対して「え?なにが?」とか思ってたけれどもそういうことか…なんて今更すぎる気づきにベットの上でのたうちまわったのを今でも思い出す。



それから数年後。現在22歳になりあの時中学生だった子どもはすっかり大人にやりやした。そんな現在私が思ってることは


「いやぁ〜、健康になったなぁ」


これである。
もちろん難病なので今も継続でクローン病と一緒に生活している最中だけれども、


数年前のように健康を失ったとは思っておらずむしろ健康を取り戻したとすら思っている。


それは主に食事で、クローン病になる前の自分の食事は正直言って健康からは程遠いものだった。


ジャンクフード、外食、コンビニ食などそれ自体が悪いものではないがそれらを過度に摂取していたためきっと当時の私の体内はすごいことになっていただろう。


でもクローン病になったことで食事を見直し、食がこんなに美味しくてほっとするものだと今更ながら知った。

これは最近の食事。
こんなザ・日本食みたいな食事は病気になる前は絶対に食べなかった。


でも白いご飯が甘くて、味噌汁にホッとして、魚に旨みを感じる、今はそんな生活ができている。


食べる素材にもこだわり、世間で言われる「健康な食事」を摂取できているので病気はしてなかったけど食生活が荒れていたあの時に比べたら確実に健康になっている。


そしてそれは体だけではなく心もそうだ。


ただいっときの快楽ぐらいにしか考えなかった食事が、こんなにほっとして大切なものだと気づくことができたのはクローン病のおかげ。


素材本来の味がこんなに美味しくて、そして世の中には自分が知らなかった美味しい食べ物がたくさんあるのだと知れたのもクローン病のおかげ。


そんな今の私は誰がなんと言おうと間違いなく健康なのである。




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