いのうえ よりこ

井上順子(いのうえ よりこ)日本電子専門学校グラフィックデザイン科専任教員。デザインの思考過程が研究テーマ。静岡大学教育学部卒,教育学修士。

いのうえ よりこ

井上順子(いのうえ よりこ)日本電子専門学校グラフィックデザイン科専任教員。デザインの思考過程が研究テーマ。静岡大学教育学部卒,教育学修士。

マガジン

  • 令和7年度大学入学共通テスト「情報」情報デザイン分野について

    令和7年度からスタートする大学入学共通テストでは「情報」が設置されます。この「情報」の試験問題における情報デザインの出題について分析しています。

  • 情報デザイン2「未来の都市生活をデザインする」

最近の記事

マティス_自由なフォルム

マティスのフォービズムの作品や切り絵の作品はもちろん知っていましたが、とても多彩な表現活動をした芸術家だったということを知った展示会でした。 画家、彫刻家、素描家、版画家としてのたゆまぬ活動の一部が紹介されており、生涯で本もたくさん執筆されていることもわかりました。 彫刻と絵画の並行 感想マティス_自由なフォルムを学生時代の友人と観覧。会場と同時に入ったにも関わらず結構な人でした。本展示は学芸員さんの工夫が随所に感じられる構成でした。後半の切り絵&ステンドグラスを楽しみに

    • 『アイデアスケッチ』-アイデアを醸成するためのワークショップ実践ガイド-を読む

      書籍『アイデアスケッチ』では、IAMASで導入され様々なプロジェクトで活用される「アイデアスケッチ」手法について紹介されています。 21世紀において様々な課題に取り組むためには、異分野の人々による協働が必要だと言われていますが、そこでは分野ごとに異なる価値観や評価基準、文化を持つ人ぼとの間での共通言語が持てず、合意形成をしづらいという問題点があります。こうした問題を背景に書かれた書籍であることに関心を持って手に取りました。 この本の章立て 第1章 アイデアスケッチの方法論

      • 磯崎新著「手法論の射程」を読む

        磯崎新は模型的思考という章の中で、「自然そのものは、どのような手続きによって記述できるのだろうか」という問いを発し、その答えとして、「共通して言えることは、これらの手続き(言語による記述、絵言葉などによる記述)は、自然をみずからが組み立てた鏡にうつしとろうとしたことだ。つまり、模型をつくることであった。」と述べ、いくつかのキーワードを示している。 自然はありのままには認知することができないため、自然の表面に補助線を発見し、人間は目に見えない「補助線」を引くことによって、自然

        • 初期デザイン方法 アシモウからアーチャーへ

          この記録は『デザイン方法論の試み』吉田武夫(1996)の読書記録です。 デザイン・プロセスとは、「情報の変形過程もしくは変換過程」を意味するとし、近代的なデザイニングを情報の観点から整理することにより、デザイン思考につながる初期のデザイン方法論についてわかりやすく紹介されている書籍です。 デザイニングの手順ジョーンズのデザイン戦略 6つのパターン モデルとモデリングモデルづくりとモデルの活用 modelの語源であるラテン語のmodusは、今日のmeasureすなわち比較

        マガジン

        • 令和7年度大学入学共通テスト「情報」情報デザイン分野について
          2本
        • 情報デザイン2「未来の都市生活をデザインする」
          6本

        記事

          形象と言語 『図の体系』読書メモ

          視覚的思考に関係する『図』について調査していたところ出会った書籍です。3章は図表現の方法と形式。その中に紹介されている「形象と言語」についてご紹介します。 命題型と相似型 デザイナーは新しいアイデアを検討する際に「スケッチ」を使って頭に浮かぶイメージを外在化させています。 人の思考の過程では、概念の操作とともに、外界にとらえた形象や頭に浮かぶイメージの操作があり、双方は共に想起、確認づけられる不可分な関係だとされています。 絵画は形象の方を、文や式は概念の方を外部に表現す

          形象と言語 『図の体系』読書メモ

          紙立体を活用して「着眼点」を得る方法_商店会の75周年を記念するFlagデザインプロジェクト

          デザイナーがデザインプロセスで制作する中間モデルについて 昨今の環境問題を背景に、あるべき姿を問う未来志向をテーマにした構想が増えています。そこでは、実現されていない「未来の暮らし」を構想する過程で、スケッチなどを使って抽象的なイメージを視覚的な想像モデルとして表現することがあります。デザインの構想段階から最終段階に至る、中間で制作される「中間モデル」についての研究はこれまでいくつかの事例があります。[1][2] 今回は、2023年9月から10月に取り組んだ、商店会の街路灯

          紙立体を活用して「着眼点」を得る方法_商店会の75周年を記念するFlagデザインプロジェクト

          展示学講座2023

          展示学会が主催される「展示学講座2023」にお誘いいただいたため、受付や会場案内などのお手伝いをしてきました。 日にち:2023年11月24日(金)、25日(土) 場 所:東京大学総合研究博物館 ミューズホール 主 催:日本展示学会・東京大学総合研究博物館 参加者:全国の博物館学芸員、研究者等40名 概 要:「デジタル時代の展示を考える」 博物館法改正により、ミュージアムでは文化芸術の範囲を拡大し、まちづくり、国際交流、観光、産業、福祉等との連携を範疇に、より社会的、地域的

          平面構成からインスピレーションを得た立体構成作品の制作

          論文集に投稿しました 2022年6月に制作した立体造形について、制作プロセスと技法について論述し、学会誌「基礎造形031」に投稿しました。 制作の背景 昨年から、1年次授業「基礎デザイン演習」を担当しています。 この授業は「アナログ」(手作業)の作品制作が中心です。そのため、学生たちに指導するにあたっては、自ら作品制作の体験を通して、造形の捉え方と発展方法を見出すことを期待し試作を繰り返しており、造形手法を授 業課題へと発展させたいと考えています。 今回は、「平面構成」

          平面構成からインスピレーションを得た立体構成作品の制作

          アクション・リサーチinすさみ町(和歌山県)

          アクション・リサーチってなんだろう?和歌山県でのリサーチに先駆け事前講習会が行われました。この日は「ナラティブとアクションリサーチの基礎」について石井さんから、「ソーシャルイノベーションの基礎」について山崎先生による講義を受講しました。 アクションリサーチとは すさみ町でのアクション・リサーチリサーチ研修の目的 研修で取り組むこと(ねらい) 1)アクションリサーチの研究 アクションリサーチとは何か、ソーシャルイノベーションとどう関係するのか 何が重要な要因になるのかなど

          アクション・リサーチinすさみ町(和歌山県)

          2025年(令和7年度)に向けて大学入学共通テストの問題作成の方向性を公開

          独立行政法人 大学入試センターは2022年11月9日、今年度から高校で新学習指導要領が始まったことを受け、2025年度(令和7年度)から出題科目などが刷新される大学入学共通テストの問題作成の方向性および試作問題等を公表しました。試作問題と正解表をWebサイトで公開しています。情報Ⅰについては試験時間や配点も設定され、本番を想定した問題の全体像が初めて明らかになりました。 情報の問題作成方針に関する方向性「情報」の問題作成方針に関する検討の方向性としては、「日常的な事象や社会

          2025年(令和7年度)に向けて大学入学共通テストの問題作成の方向性を公開

          情報デザイン2 (2021)-ユーザテスト

          授業概要 2021年度の課題「都市の暮らしとスマートサイネージ 」 急激に変化する都市圏での暮らしにおけるスマートサイネージ の接点を探り、人々に役立つ企画を検討します。また、実際にUI設計まで検討しモックアップを作成しユーザーテストを行います。 制作の過程では、スマートサイネージ の企画・制作に関わる企業にアドバイザーとしてご指導頂くことで、実践的な視点を重視しながら制作に取り組みます。 ◉7月27日 ユーザテストこの日はタッチパネルのサイネージに表示し、制作者以外の

          情報デザイン2 (2021)-ユーザテスト

          情報デザイン2 (2021)-プロトタイピング

          授業概要 2021年度の課題「都市の暮らしとスマートサイネージ 」 急激に変化する都市圏での暮らしにおけるスマートサイネージ の接点を探り、人々に役立つ企画を検討します。また、実際にUI設計まで検討しモックアップを作成しユーザーテストを行います。 制作の過程では、スマートサイネージ の企画・制作に関わる企業にアドバイザーとしてご指導頂くことで、実践的な視点を重視しながら制作に取り組みます。 ◉7月5日 トーン&マナー、ワイヤーフレームの作成企画内容が決まり、いよいよサイ

          情報デザイン2 (2021)-プロトタイピング

          情報デザイン2 (2021)-レビューとブラッシュアップ

          授業概要 2021年度の課題「都市の暮らしとスマートサイネージ 」 急激に変化する都市圏での暮らしにおけるスマートサイネージ の接点を探り、人々に役立つ企画を検討します。また、実際にUI設計まで検討しモックアップを作成しユーザーテストを行います。 制作の過程では、スマートサイネージ の企画・制作に関わる企業にアドバイザーとしてご指導頂くことで、実践的な視点を重視しながら制作に取り組みます。 ◉6月21日企画のレビューこの日はスマートサイネージ の企画・開発に携わっていら

          情報デザイン2 (2021)-レビューとブラッシュアップ

          情報デザイン2 (2021)-アイデア創出

          授業概要 情報デザイン2では、1年次に学習した情報の構造化と表現(インフォグラフィックス)を基盤に、問題発見のデザインとインタラクションデザインを学びます。具体的には「デジタルサイネージ」のコンテンツ企画とUI設計に取り組みます。 2021年度の課題「都市の暮らしとスマートサイネージ 」 急激に変化する都市圏での暮らしにおけるスマートサイネージ の接点を探り、人々に役立つ企画を検討します。また、実際にUI設計まで検討しモックアップを作成しユーザーテストを行います。 制作の過

          情報デザイン2 (2021)-アイデア創出

          情報デザイン2 (2021)-問題定義

          授業概要 情報デザイン2では、1年次に学習した情報の構造化と表現(インフォグラフィックス)を基盤に、問題発見のデザインとインタラクションデザインを学びます。具体的には「デジタルサイネージ」のコンテンツ企画とUI設計に取り組みます。 2021年度の課題「都市の暮らしとスマートサイネージ 」 急激に変化する都市圏での暮らしにおけるスマートサイネージ の接点を探り、人々に役立つ企画を検討します。また、実際にUI設計まで検討しモックアップを作成しユーザーテストを行います。 制作の過

          情報デザイン2 (2021)-問題定義

          情報デザイン2 (2021)-共感・理解

          授業概要 情報デザイン2では、1年次に学習した情報の構造化と表現(インフォグラフィックス)を基盤に、問題発見のデザインとインタラクションデザインを学びます。具体的には「デジタルサイネージ」のコンテンツ企画とUI設計に取り組みます。 2021年度の課題「都市の暮らしとスマートサイネージ 」 急激に変化する都市圏での暮らしにおけるスマートサイネージ の接点を探り、人々に役立つ企画を検討します。また、実際にUI設計まで検討しモックアップを作成しユーザーテストを行います。 制作の過

          情報デザイン2 (2021)-共感・理解