磯崎新著「手法論の射程」を読む
磯崎新は模型的思考という章の中で、「自然そのものは、どのような手続きによって記述できるのだろうか」という問いを発し、その答えとして、「共通して言えることは、これらの手続き(言語による記述、絵言葉などによる記述)は、自然をみずからが組み立てた鏡にうつしとろうとしたことだ。つまり、模型をつくることであった。」と述べ、いくつかのキーワードを示している。
自然はありのままには認知することができないため、自然の表面に補助線を発見し、人間は目に見えない「補助線」を引くことによって、自然