「クッキーのアトリエ」開催中!焼きたてクッキーに導かれるヨックモックの原点と未来!
ヨックモック55周年企画の中で「焼きたて」のクッキーを楽しめる、ポップアップショップイベントが「クッキーのアトリエ」!ここでしか楽しめない特別な味わいをご用意するだけでなく、「人と人とのつながりをデザインし、おいしさと笑顔が共にある世界を創る」という想いを体験できる期間限定イベントです。
メニューとイベントはどのように生まれたのでしょうか。
創業以来続く「お菓子は創造するもの」という想いを受け継ぎながら、はじめてを創る、ヨックモックの挑戦を感じていただけるはず!
まずは、マーケティング・企画・ブランディングを担当された御三方のお話からお聞きしました。
ヨックモックの原点!「焼きたて」のクッキーで、ブランドのアップデート!
― 今回のプロジェクト、どうやってスタートしたんですか?
黒木:55周年企画の一環としてスタートしました。ローンチまでに2年半もかかっているんですよ。「原点回帰」をキーワードに私たちが創業時から大切にしていることを、現代にアップデートして伝えるための企画です。
― なるほど!ヨックモックのイメージをアップデートするための企画なんですね!どんなポイントを刷新しようと思ったんですか?
黒木:ヨックモックの原点って、やっぱり「クッキー」だと思うんです。クッキーを見つめ直すことから、新しい価値を創出できないかと思って「クッキーの可能性」をテーマに商品開発することからスタートしました。
― イベント企画ではなくて、原点であるクッキー開発からスタートしたんですね。
黒木:そうなんです。いくつかの方向性がある中で、「焼きたてのクッキー」を軸に新しい商品を開発することになりました。
― なぜ「焼きたて」にしようって決めたんですか?
黒木:焼きたてのクッキーは、しっとりしていて香りも食感も特別です。だからこそ、元々クッキーが好きな方はもちろん、苦手なお客様にも楽しんでもらえると思ったんです。この美味しさこそ、ヨックモックのお菓子の原点だと考えたんですよ。
― 「焼きたて」は魅力的ですけど、提供が難しくもありますよね?
黒木:すごく難しいけど、作ってすぐにお客様に直接提供して食べていただくことにも意味があると思ったんです。私たちの菓子づくりの原点は「まごころを込めること」にあります。焼いてすぐ届けることで、人と人のつながりや、あたたかさを表現できるんじゃないかって。
― 焼きたてを届ける…まさに「原点回帰」ですね!
全てのピースに意味があるイベント。
― 色々な提供方法があると思うんですが、なぜ今回のように期間限定のポップアップショップにしたんですか?
森谷:普段ヨックモックのお菓子は、百貨店を中心に展開しています。でも、百貨店の売り場では焼きたてのお菓子は提供が難しいですよね。それは裏返せば百貨店に馴染みのない、比較的若い層に向けても楽しみを提供できるチャンスだって思ったんです。
― 逆転の発想ですね!
森谷:特別な場所で、期間を区切ることで、これまでのヨックモックとはひと味違う、体験や楽しみを詰め込んでみたいと思いました。そうすることで、次世代のお客様にアプローチしたいなって。
― 場所と期間を限定することで、より特別な体験ができると考えたんですね!
森谷:先ほど黒木さんが言っていたように、私もヨックモックのお菓子には、人と人をつなげるあたたかさがあるって感じています。ポップアップショップなら、そういう思いを、特別なカタチで、まだヨックモックを知らない方にも伝えられるんじゃないかと思って全力で企画しました。
― 今回は、「焼きたてのクッキー」を軸に会場装飾や夜のイベントなど、たくさんの企画が詰め込まれていますよね。
森谷:次世代をターゲットにブランドとしての深みや現代性をどうやって伝えるべきか、三宅さんが色々な部分を整えてくれましたよね。
三宅:クッキーの魅力とヨックモックブランドの価値観をどうすれば次世代に伝えていけるか…今までのブランドイメージを損なわずに刷新する、その塩梅にかなり頭を悩ませましたね。
― 期間も迫っていて大変だったんじゃないですか?
三宅:今回、会場のアートワークを担当してくれるヘラルボニーさんと出会って一気に広がりました。
三宅:ヘラルボニーさんのミッションの中に「“普通”じゃない、ということ。それは同時に、可能性だと思う。」という一文があって。社会に新しい価値を創っていこうという思いに感銘を受けてアプローチさせていただきました。新しい価値観のクッキーだからこそ、ヘラルボニーさんとご一緒する意味があると思っています。
― すごく素敵なアートワークですよね。
三宅:ヘラルボニーさんから、色々なアーティストをご紹介いただいた中から、文字や数字を「つないで」描く小林 覚さんとご一緒しました。ヨックモックの「人と人とをつなぐ」コンセプトにもぴったりの表現でびっくりしました!
― 会場では、小林さんの作品にお客さまが色を塗って作品を完成させる『Paint Your Colors』と題した体験型コンテンツも用意されているそうですね。
三宅:最初は、小林さんの既存作品を使わせていただくことになっていましたが、「作品を装飾に使いました」というだけでなく、会場でも特別な体験ができるといいなと思って。
「小林さんの作品をお客様と一緒にペイントしてもいいですか?」ってアイデアを打診したら、ヘラルボニーさんも「せっかくなので、新しい作品を書き下ろしましょう!」って前向きなご意見をいただいて!私たちの思い描いた以上のアウトプットにつながって、本当に感謝していますね。
― 作品を参加者みんなで仕上げていくのは、すごく楽しそうです!
三宅:イベントを通してどんなふうに作品になるのか、私自身もすごく楽しみです。人と人とをつなぐってことをどのように見える化するか、そしてお客さまとどうつながるか、すごく苦労もしたんですけど、お客様同士の会話にもつながる余白をデザインできたと思います。
― 完成が楽しみです!コンセプトムービーも素敵でした。
三宅:当初は記録用撮影と考えていたんですが、せっかくならお客様にも伝えたいと、コンセプトムービーを作ることになりました。イベント全体を彩る大事なひとつのピースになったなって、すごく満足できる仕上がりです。
― もう一つ楽しみなのが週末だけ開催される「クッキーの夜会」ですよね。
森谷:今までのヨックモックにはない、意外性のあるイベントを追加したいと思って開催します。特別なスイーツを夜に楽しんでいるシーンから発想したんですよ。
― シーンから逆算されて発想されたんですね。
森谷:昼のクッキーの楽しみからガラリと印象を変える、二面性が表現したかったんです。
― ちょっと大人な印象ですよね。
三宅:4月のギリギリまで開催できるか粘りましたよね(笑)
森谷:個人的にもどうしてもやってみたかったので、ギリギリまで粘って開催できて嬉しいです。何より、時間がなかったので開発の皆さんがすごく大変だったと思います。
王道にして極端!焼きたてだからこそできる味わい。
― では、ここからは商品・メニュー開発のお二人を中心にお話できればと思います。
― 今回「クッキーの可能性」ということですが、焼きたてのクッキーの開発は大変でしたか?
佐藤:「クッキーパレット」の開発を担当しましたが、大変でしたね。
今回、ふたつの軸で開発を進めました。ひとつが、普段のヨックモックの、プロダクトっぽいクールさに対して、どれだけあたたかみを表現できるのか。ふたつめが、ヨックモックの持つイメージを損なわず、どれだけ次世代に向けた革新的なビジュアルを表現できるのか、です。
― どんな風に開発が進んだんですか?
佐藤:普段の商品開発は、市場調査からスタートすることが多く、割と定量的なマーケティングデータが重要なんです。でも、今回は情緒的な調査に時間を割きました。若い方に人気のカフェに1人で行ってみたりしたんです。周囲からは、ちょっと変わった人だと思われたかもしれませんね(笑)
全員:(笑)。
佐藤:そのかいあって、見えてくるものもたくさんありました。例えば、比較的シンプルなものが好まれているんです。そういった調査結果は、今回のラインナップのバランスにすごく反映されていると思います。
― どれも、食欲をそそるラインナップですよね。
佐藤:普段では表現できない極端なものを作りたいと思っていたので、できて嬉しいですね。普段なかなか実現しにくい極端さって、「日持ちしないけど、格別においしい、出来立てのお菓子」ということだと思ったんです。焼きたてのクッキーは、バターの香りも食感も格別なので、それを存分に伝えたいと思ったんです。
― 「日持ちする」という制約がなかったんですね。
佐藤:焼きたてでの提供は、日持ちを気にしなくていいので、余計な素材がほとんど入っていません。極力ナチュラルに仕上げられたのも、今回ならではですね。
― 大変だった点はありますか?
佐藤:ヨックモックとしては珍しいアメリカンなクッキーをベースに作ったのですが、食感の調整だけでも1年以上かかっています。生地が軽すぎるとフルーツに負けてしまうし、重すぎても日本人の好みには合わない、すごく細かな調整を繰り返したので大変でした。
― 確かにアメリカンなスタイルのクッキー、ヨックモックでは珍しいですよね。
佐藤:フルーツがなくても成立する完成度のクッキーなんですよ!どこにも負けないクッキーとして仕上がったと思っています。
時間との戦い!ちょっとオトナな夜メニュー。
― 会期ギリギリまで開発していたという「クッキーの夜会」のメニュー開発、すごく大変だったんじゃないですか?
戎谷:もう本当にギリギリの今年2月くらいからメニュー開発が始まったので、何しろ時間との戦いでしたね(笑)。
森谷さんから「昼と夜でガラッと変わる二面性が表現したい」とコンセプトをいただいていたので、そこから発想してラングドシャーをベースに作ろうと考えました。クッキーの可能性を描けたらなって。
― 昼とは全然違う趣向にしたんですね!
戎谷:昼間のクッキーパレットは、どっしりとした王道のクッキーがベースなので、それと真逆の儚さや繊細さ、可愛らしさを表現したかったんです。クッキーパレットに乗せてあるフルーツは焼いてあるのに対して、夜メニューは生の果物を添えました。そういう対比を楽しんでもらえたら嬉しいですね。
― すごい細かなところまで対比しているんですね!
戎谷:焼きたてのラングドシャーの食感って、すごく繊細で失われやすいんです。ソースと組み合わせて、しっけないギリギリの食感を楽しめるのは、お客様に直接お届けできる今回のイベントならではです。ちょっと贅沢な印象で、なおかつ今までのヨックモックらしい自然な味わいも楽しめると思います。
― 今回は、ドリンクもセットなので、マリアージュも楽しみですね。
戎谷:ヨックモックのお菓子への幅広さを感じてもらえたら嬉しいですね!
本気のぶつかり合いから生まれたチームの絆!
― さて、ここからはチームの皆さんでざっくばらんにお話できればと思います。
戎谷:実は…僕が参加した時に、めちゃくちゃチームの空気が悪くてどうしようって思いました(笑)。
― えぇ!?そうなんですか!?
森谷:ここまでマーケティング・企画・ブランディングと商品開発が議論しながらカタチにしていくプロジェクトって、ヨックモックでは珍しいんですよ。みんなの気持ちが詰まっている、熱い企画だったので、ぶつかり合いも多くて、でも楽しかったし、やれてよかったなって思います。
佐藤:すごく長期間のプロジェクトだったので、腰を据えた議論ができたよね。2年間以上かけて、お菓子とかヨックモックのことを改めて深堀りできたプロジェクトだったと思います。
森谷:バナナを乗せるかどうかで揉めたりしましたよね(笑)。
佐藤:そうそう。1年がかりで開発した生地にフルーツを乗せるのか?って(笑)。僕は、あぁいうやりとり好きだったよ(笑)。
全員:(笑)。
黒木:イベント全体も色々な価値を盛り込んだので、それを調整するのは、すごく苦労しましたね。
三宅:最後の最後まで、バランスにはすごく気をつけましたからね。
戎谷:カタチになっていくうちに、関わるみんなの満足度も高まって、どんどんチームとしても明るく、結束が高まりましたよね(笑)。
― 皆さんが本気で取り組んだことが良くわかりますね!
召し上がっていただきたい推しクッキー!
― 皆さんのおすすめを教えてください!
佐藤:僕はどれも思い入れがあって絞れません(笑)。でも、バナナショコラ「ジョーヌ」の生地をベースに全体の生地調整をしたので「ジョーヌ」にはすごく思い入れがありますね。チョコレートも厳選して作ったので、ぜひ味わっていただきたいです。
森谷:私も「ジョーヌ」推しです!佐藤さんのおっしゃるようにシェフの魂を感じますし、クッキーと素材の一体感が楽しめるんです。
黒木:僕は、トマトとチーズを使った「ルージュ」がおすすめです!クッキーの枠を超える見た目と味は、新しいおいしさを感じます。
三宅:私も「ルージュ」推しです!ティータイムにも合うし、ワインと合わせてもおいしいんですよ。見た目にも華やかですし、実際にクッキーの概念を超えてるなって思うんです。
佐藤:「ルージュ」は、生地もちょっとパイっぽく仕上げたんですよ。割ると中からトロリとモッツァレラチーズが出てくるので、シズル感も楽しめると思います。
― SNSでもシェアしたくなりますよね(笑)。
佐藤:若い子たちに人気のお店に通った成果です(笑)。
全員:(笑)。
戎谷:僕は最初に食べた時から、ずっと変わらず、りんごとキャラメリゼした「ドレ」が好きです!
りんごのシャキッとした食感がぎりぎり残るように厚みを調整してあるんです。りんごの旨味も生地に染み込んでいて、そのコントラストが本当においしいんですよ〜。アイスクリームもついてくるんですけど、一緒に食べるとすごく幸せな気分になります。
― 戎谷さん、食レポ上手!(笑)
全員:(笑)
さてさて、担当チーム全員がこだわり抜いたお菓子とイベント「クッキーのアトリエ」。会場で味わえる、楽しめる、全てのピースで新しいヨックモックを表現できているはず!
スタッフの熱量をぜひ会場でも感じていただければ幸いです!
(おわり)