"感情"に正しいも間違ってるもない。

わたしは、ある人から

「感情に正しいとか間違ってるとかはないんだよ」というのや、

「自分が感じていることを話すことの大切さ」
を教えてもらった。



まあ、ふつうの人なら、小さい頃から家庭の中で自然と身についていくものだろうけど、
わたしは違ってた。
(じゃあ、わたしがふつうの人じゃないかというと、そういうことではなくてね)



幼い頃から、養育者(親)から精神的な虐待を受け続けてきたアダルトチルドレンの考え方(思考回路)は、"白か黒の世界"でしかものごとを見れないことが一般的な人と比べて多いと思う。


0(ゼロ)か100かの世界。

そういう世界でずっと生きてきた。




まわりには、
「自分の気持ちをしゃべらない人」というレッテルを貼られていた。

でもこれは半分当たっていても、根本的には大きな誤解だった。


なぜなら、
気持ちを「話さない」のではなくて、「話せなかった」からだ。  



とくに、

悲しい
さみしい
怒ってる
しんどい

こういういわゆる負の感情はタブーだった。物心ついたときから。




人と人って、気持ちや考えてることを伝え合うことで信頼関係が生まれ、分かり合えるよね。

意見が食い違っても、ケンカしたり、「気づかなくてごめんね」と伝えることで、より深い仲になれたりもするよね。


でもそんなのとは無縁の世界。



そんなことで怒るお前がおかしい。
そんなとこは泣くことじゃない。恥ずかしい。

ちょっとでも指摘すると、
親に向かって歯向かうのか!バチ当たりめ。




気持ちを話すたびに、
10倍、いや100倍くらいになって

否定

という報復が返ってくる。





親の言うことは絶対的に100%正しくて、お前は間違っている。
(ほんとうに毒親は1度たりとも謝ることはありません。)
白か黒か。0か100か。気持ちを話す前から、いや話したとしても「答え」はすでに決まっている。



人格否定、感情否定、否定、否定、否定。とにかく否定!

話し合いで解決するというのが皆無。



そうやって、少しずつ、わたしから話す気力を奪っていった。
真綿で首をしめるみたいに。


人にきもちを伝えても無駄だというのを学習した。気持ちを話すと相手を怒らせる、嫌われる、関係を切られる、そういう恐怖という感情とセットで。
自分の気持ちを絶対に人に知られてはいけないと。


好きも嫌いも、悲しみもさみしさも、怒りもすべて自分で自分の感情を否定するようになった。





だから誰かと一緒におしゃべりしたくても、自分のこと話したいな、もっと知ってもらいたいな、気持ちを話したいな、仲良くなりたいな、
そんな当たり前のことを思っても、

あるいは誤解されていても、



いざ言葉を発そうとすると、
信じられないかもだが、
誰かに喉元をぎゅっとされる感覚で


あ、そうだ、ダメだったんだ、どうせ話しても、否定されるだけなんだ。
きいてもらえるはずなんてないんだ。
わたしの話なんてつまらないから興味あるわけないんだ、と無意識に変換されてる。

正直、話しても無駄だから話したくなくなるんですよね。




わかりやすくイメージしやすくいうと、

三輪車しか乗ったことのない子どもが、練習もなしにいきなり二輪の自転車乗れと言われてもできないのと一緒で、


生まれてから、人間らしい会話をしたり、話して気持ちを受け取られた経験や習慣がないのに、
学校とか家の外の社会に出たときにどうしてできようか。


人間関係をうまく築けるわけなんてないんですよね。


今なら、今だから、当時の全体像が客観的に見えるようになったけど、
ずっと、話そうとしない自分が悪い、だからだれとも仲良くなれないんだ。
と、すべて自分の性格や努力のせいにした。


だから、
わたしは家で生き残るために、
社会で生き抜くために、
人間関係をうまく築くために、
仮面を身につけて生きてきた。


本心では、どんなに怒っていても、さみしいと思っていても、悲しくても、気持ちを押し殺して、
相手に合わせた仮面をかぶり続けた。


相手を怒らせないために、嫌われないために。
捨てられる恐怖を隠しながら。
それが正解だと思い込んでた。



だけど、そんなことしたって、表面的にはうまくいってるかもしれんけど、ほんとに仲良くなれるわけないのに、関係を築けるわけないってわかってたのに、なんてバカげてたんだ。



生まれてはじめて、今までタブー視してた、
悲しい、怒り、さみしい、そんな心の奥底の気持ちを人に話して受け止められる体験が積み重なったからこそきづけたこと。



ほんとうは、人に気持ちを話すことは、すごく大切で、ほっとできることだったんだ。
それがどんな感情であっても、正解も不正解もなくとても大切だったんだということに気づけた。



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