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言葉の宝箱0698【誰にだって触られたくない過去があるよ】


『グレイゴースト』本城雅人(双葉文庫2020/8/10)


渋谷署組対課の刑事、篠塚隆哉。17年前議員だった父が不正献金疑惑の渦中で謎の死を遂げた。その過去は警察組織に身を置く篠塚に今も影を落としている。管内で新種のドラッグ「グレイゴースト」による死者が続発。篠塚は正体不明のディーラーを追うが、捜査方針を巡って上司と対立、課内でも孤立してしまう。焦りを募らせる中、雑誌記者で元恋人の友香から情報がもたらされる。篠塚は友香と共にグレイゴーストのドラッグパーティーに潜入する。〔『ジーノ』朝日新聞出版2013年刊)の改題,加筆修正〕

・平等社会は貧乏社会だ。
まともに仕事をして稼いでいる人間まで、
怠け者の煽りを受け、適正な社会保障すら受けられなくなる。
だから区分けが必要なのだ。
勤勉な人間と不真面目な人間、仕事の出来る人間と出来ない人間、
生まれつき持っている人間と持っていない人間……。 P60

・誰にだって触られたくない過去があるよ P112

・学生の頃の恋愛を大人になってからも続けるには愛情だけでなく、
お互いの成長をじっくり待てる寛容さが必要なのだろう P113

・家族というのは本人たちにしか見えない素の姿があるのだろう。
裏を返せば
よそ行きの姿を見せることはいくらでも可能だということだ P119

・薬というのは
人間の細胞中の分子の形を変えることによって効果を発揮させていく。
つまり細胞内にある受容体に薬の分子が結合することにより、
細胞自体に働きかけをしていくのだ P129

・ドラッグには働きたくなるものと働きたくなくなるものの二種類(略)
前者は覚醒剤、後者はマリファナ P130

・人間というのは危機に陥る度に同じ行動を取る習性がある。
だからこれだけ文明が発達したというのに、
愚かな歴史だけが繰り返されるのだ P245

・ドラッグはどの時代においても、
つねに人間の意思を試しているのだ(略)
ドラッグは人間の意思が弱いことを知り、あざ笑ってる P300





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