言葉の宝箱 0512【人間誰でも、他人に知られたくないことのひとつやふたつ、ありますよね】
「私は恐ろしい」。不可解な遺書を残し、閣僚入り間近の国会議員矢島誠一は東京地検による家宅捜索を前に謎の自殺を遂げた。真相を追う特捜部の湯浅と安見はネット上に溢れる矢島を誹謗する写真や動画、そして、決して他人が知り得るはずのない、彼の詳細な行動の記録を目にする。匿名の人間たちによる底知れぬ悪意に戦慄を覚える二人だが、ついに彼らにも差出人不明の封筒が届き始める。インターネット社会の“闇”挑んだクライシスノベル。
・よけいなものは生活からそぎ落したい P6
・個性的な強みを持っているのは、俺なら喜ぶべきだと思うけどな P35
・若い頃は、魂を奪われるくらいでちょうどいいんじゃないかな P81
・すぐにばれる嘘はつかない。詐欺師の鉄則だ P116
・女性のほうが人間の本質を直感で見抜くのがうまい P124
・人間誰でも、
他人に知られたくないことのひとつやふたつ、ありますよね(略)
それほどたいしたことのないものでも、
悪意を持って見れば随分恥ずかしいものになってしまうことがわかります。事実が拡大解釈されたり、捻じ曲げられたりするんです P137
・まったく良心の痛みを感じずに嘘をつける人間というのは、
始末に負えない P142
・ひとりの人間をあまりに一面的に見て、簡単に断罪してしまう。
いや、断罪するように仕向けられてしまう P161
・人は、あまりにも自分の理解を超えたものや、
荒唐無稽なものに出くわした場合、
笑いとばして見なかったことにしてしまうのかもしれない P343