言葉の宝箱 0500【社会的弱者が生きやすい世の中は、誰にとっても生きやすい】
警視庁保安課の刑事・上月は女子高生の売春組織を捜査していた。中国人を中心にした別の組織を捕らえると〈赤い虎〉なる存在を知らされる。一方、中国語の通訳捜査官・城は上月から聞いた〈赤い虎〉を探るべく動く。そして、池袋で起きた殺人事件からその端緒を摑む。上月と城の私生活を巧みに織り込んだ警察小説第2弾。
・やり直せる環境があるのはありがたいが、やり直すのも覚悟がいる P64
・甘いのではなく、未来を楽観視しているのだ P76
・いじらしいというより、あさましいと感じてしまった P207
・人生は、あいつが考えているほど長くない。
時間がどれだけ大切か、こうしている間にも、
指の隙間からぼろぼろと自分の残り時間がこぼれていく P251
・人間の強さなんか、千差万別だからな。
直面する困難も人それぞれだし、
みんながそれを自力で乗り越えられるとは限らない。
万が一、乗り越えられない困難に直面した時に、周囲が支えられる環境か、そうでないかによって、社会の強度が変わってしまう。
社会的弱者が生きやすい世の中は、誰にとっても生きやすいのだ P314
・世の中に、どうして法なんてものが必要か、
考えてみたことはあるか(略)
法で縛らなければ、人間は罪を犯すからだ。心の弱い生き物だからな。
法で罰せられるのを恐れて、犯罪に手を染めないだけさ P329
・恐怖で支配された組織は、
その呪縛が解ければ消える運命なのかもしれない P337