言葉の宝箱 0297【最後に浮き浮きした気分で化粧したのはいつだったろうか。女であることを久しぶりに意識した】
生まれ育った祇園の茶屋を嫌い、
生家を出て染織作家となった37歳独身の久乃。
栗東で競走馬の装蹄師をしている、妻子と別居中の恵一郎。
ある雪の日、縁切り寺と呼ばれる安井金毘羅宮で出会った
二人は急速に惹かれ合っていく。
京都の四季を舞台にした詩情溢れる恋愛小説。
・狭くなった分だけ、心に囲いができたようで安心できた P7
・男は過去に愛した女のことを淡いオブラートに包んで思いだすという。
だが、女は違う。そのときの恋がすべてである P21
・女は男によって体型まで変わる P29
・この女を抱いてみたい。好色な気分が(略)
躰をとらえた P93
・最後に浮き浮きした気分で化粧したのはいつだったろうか(略)
女であることを久しぶりに意識した P94
・女として見つめられている。それが怖くもあり、嬉しくもあった P98
・遠い関係の人の方が、話しやすいことて、ようあるやないですか P103
・人並みに嫌な思いはしたけれど P115
・いざ離婚となれば、
情愛を感じてきた女が離れていくのだから一抹の寂しさは残るだろうが、
一方ではほっと胸を撫で下ろすに違いなかった P120
・感動を言葉にして伝えたかった P127
・“金で大概の幸せは買える”(略)
“大概”という言葉が曲者なのだ P179
・男の人って、時として女より女々しいことがある P196
・どうして昔の恋を引きずるのか。
男の心の流れが不思議だった。
女の方がよほど割り切りがいい P218
・男は女よりも拠り所を持っていない P232
・先回りして慮るよりも(略)
心の色に染まればいい P259
・カネが、人の関係を円滑なものにすることもあれば、
腐らせることもある P255
・信用している、ときっぱり言われれば、おいそれと裏切れない P263
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