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「棕櫚シュロ」を使いこなしプラごみ削減?!


つるんぼしをシュロで吊る?

つるんぼし

「つりんぼ」「つるんぼ」「つるんぼし」「つりんぼし」。
吊るし柿、干し柿の事をこう呼ぶ、可愛いなぁと感じた滋賀県多賀町の方言。
初めて聞いた時は、え??っと何度か聞き返しました。
吊るして干すから「つるんぼし?」。

甘い柿と渋柿を間違えて買ってしまった・・・

残暑厳しく11月に入っても本当に秋が来るのか心配していたころ、もんぜん市に柿が並びました。柿は大好物。袋にたっぷり入った柿が格安!!
何にも考えずにレジに持って行ったら、これは「渋柿やでつりんぼにしなあかんで!」と。レジまで持って行って後戻りも出来ないので吊るし柿を作ってみることにしました。

一袋180円!

「つりんぼ」にする

干し柿を軒先に吊るす光景をこの町では時々見かけます。山に近い集落では、軒先に吊るしておくとお猿さんに取られてしまうので、ネットで頑丈にガードして干しておられます。
しかし、こんなに気温が高いとカビが生えないかと心配。
干しやすいように、紐をかける枝を残して切ってくれています。
くるくると皮をむいて、麻紐でひっかけて軒下に吊るしてみました。

先日、もんせん市で見せてもらった「つりんぼ」は、黒くならずに、きれいなオレンジ色に仕上がっていました。なんで黒くならないのか聞くと、雨と直射日光が当たらないように、干していたとのこと。なんと!!来年作るときは直射日光に当てないようにします。
表面が乾いてきたら、揉んで種が取れやすいように柔らかくします。

ショロで干してたんよ!

今回、麻紐で吊るしましたが、「昔はショロの葉で干してたんよ」と教えていただきました。
「ショロ?」またもや、聞き返してしまいました。「あの、庭先に生えてる葉っぱよ」と。どうやら、棕櫚(シュロ)の葉の事を、この辺の方は口をそろえてショロと言っておられます。
「今度、ショロの葉持って来たるでな」と。
シュロの葉をいただきました。

この、南国感あふれる木、シュロ。確かに昔からの古い家の庭先には必ずシュロの木があります。寒い雪が積もるこの町でも。
葉っぱは紐代わりに。昆布巻きを結ぶときにもシュロを使うそうです。
また、幹の部分はシュロ箒(ほうき)に。おくどさんのかまどの端やら、束ねたシュロで掃除してたよ、と聞きました。なんと便利な植物が庭先に・・・。
昔の人の知恵はすごいです。プラごみ削減、シュロでできますよね。

「ショロの葉」(シュロ)

「こうやってな、手で裂いて引きとき結びにするんよ」と結んで見せてくれました。つるんぼしを干して一ヶ月、食べごろですが、今更ですがもう一度ショロに吊るして干してみました。かなり丈夫な繊維です。


「つるんぼしは、出来上がったら、まんじゅうの箱に、切った藁を入れて保存しといたら、白い粉が吹くんやで」と、以前教えてもらったことを話していたら、「そんなもん、そのままほっといても白なるで」と。
確かに。ショロで結んで干してから2週間後、少し白く粉が吹いてきました。

この4個はお正月おせち料理の紅白なますに入れる予定。
毎年、紅白なますのために干し柿を作っています。

ショロでハエたたき?!

もんぜん市でシュロの葉の使い方を聞いていたら、「最近はビニールの紐があるし、ショロは使わんようになったなあ・・・」「昔な、葉っぱを切ってハエたたきにしたんやで」と。
ハサミで葉っぱを切ってみたら、よくしなる使いやすいハエたたきに(笑)。なんてエコなんだろう。すべて土に還る。

謎に庭先に生えていた、南国っぽいシュロの木は紐にもなるし、箒にもなるし、ハエたたきにもなる。他にももっと使い道がありそうです。
プラごみ削減の代替案、シュロはいかがなもんでしょう??



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