「インスリンの働き」初期講座⑦:インスリンが多すぎると困るわけ
「語る時には、セリフを覚えておいた方が楽ちん」
……と、前回はお話ししました。
セリフ以外にも、事前に用意しておくと良いものがあります。
それは、筋書き
アドリブが得意で、お相手の興味をグイグイ引き付ける話術をお持ちなら、出たとこ勝負でもいいかもしれません。
でも……
相手が、聞いててつまらなそう
ぜんぜん話が伝わっていない感じ
自分でも何を話そうとしてたか忘れちゃう
こんな感じだったら、筋書きを用意しておきましょうよ!
難しく考える必要はありません。
シンプルに要点をまとめておく。
それだけで十分です。
構成要素は次の3つで考えてみましょう。
結論
理由
理由の詳細(メカニズムの説明、具体例など)
この初級講座では、全部こちらでご用意しています。「結論」はコレです 。
インスリンを過剰分泌
させない食事にしましょう
前回はこの結論に至る理由の1つをお話ししました。
今回は、理由の2つ目をご説明していきます。
太文字かつ大きなフォントでパンチを効かせてほしいのは……
インスリンの出過ぎで
不健康になっている人が
とても多い
筋書きの全体像は、こんな感じになります。
理由は、多くても3つまでにしておいた方がいいですね(今回の講座でご用意しているのは2つ)。
それより増えると、何の話をしているのか途中で見失いがちです。
そして、絶対にやった方がいいのは、結論を初めに話すこと。
話せる時間とか、お相手の知識や興味に合わせて、内容をチョイスしてください。
とにかく、初めに結論を話す。
その先はお相手の質問に答えるだけ、でもいいですね。
では、今回のテーマである、理由②にお話を進めましょう。
理由②で覚えておきたいセリフは。こんな感じ。
詳しくご説明していきましょう。
そもそも
インスリンが出過ぎると
何がマズいのか?
この「なぜマズいか」が、意外と分かりにくくないですか?
少なくとも、よくある「インスリンはこんな感じで働きます」のイラストからは分からないと思います。
「インスリンが足りないとマズい」は、このイラストのバリエーションで分かりますよ。
足りないケースは、分かりやすいのですが……
多すぎた時は何が困るんでしょう?
そこで、こちらのイラストの出番です。
インスリンが出過ぎると、細胞の中でアクションが過剰になります。
これが、困るのです!
皆さんすでにご存じのとおり、インスリンの仕事は血糖値を下げるだけではありません。たくさんの業務を掛け持ちしています。
糖質をどっさり摂って、インスリンがたくさん出ている人は、全身のいろいろなところでアクション過剰になります。
これが困るんですよ!
とっても!
細胞内の働きは本来、ちょうど良い具合に整えられているはずですが、インスリン過剰によってバランスが崩れてしまいます。
「でも、悪いことばかりではないんじゃないか」と思われるかもしれません。「たとえば、細胞分裂が進むのは、新陳代謝が早まってけっこうじゃないか?」とか。
実際には、ぜんぜん「けっこう」ではありません。
想定外にアクション過剰になった時には、適切なコントロールが失われています。多くの場合、あまり増殖して欲しくない細胞がやたらと増殖する結果になってしまいます。
インスリン過剰は、動脈硬化のリスクを高める
たとえば、血管の細胞。
動脈などの太い血管は、たくさんの筋肉細胞が集まって作られています。
血管の内側の壁に傷がついたりすると、筋肉細胞が増殖して患部をふさぎます。この時に筋肉細胞が必要以上に増殖すると、コレステロールや白血球も取りこんだコブのようなかたまり(プラーク)が作られてしまいます。
普段からインスリンが出過ぎていると、血管の細胞が増殖しやすくなり、動脈硬化を起こしやすくなる可能性があります。
オートファジーの抑制も大問題
インスリンが出過ぎていると、オートファジーが抑制され、生活習慣病や老化が進行しやすくなります。
こちらの記事の最後の方で解説しましたので、ご確認ください。
そして、体脂肪の問題
多くの方にとって、一番身近なインスリン過剰問題はこれでしょう↓。
体重管理とインスリンには、切っても切れない関係があります。
こちらでご説明していますので、併せてお読みください。
↑ のお話の最後の方で、「インスリン抵抗性」のお話が出てきますが、それについては別の機会にご説明します。
初級期講座⑦に続く……
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