テレワークは自由?不自由?ニューノーマルな働き方とは

「テレワークになって仕事がやりにくい・・」
「テレワークで心身健康になりました!もうやめれません!」

こうした2つの意見を耳にします。個人的には後者の意見に賛成ですが、先々のことを考えると、もろ手を挙げて良い事ばかりではなさそうです。

改めて、新常識と言われるニューノーマルな新しい働き方について考えてみます。

テレワークの要点

「テレワーク」という言葉はすっかり生活に定着していますが、はじめて聞いた時は「テレって何?」と思ったのを思い出します。テレワークとは、情報通信技術(ICT)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のこと。「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語ですね。

テレワークは働く場所によって3つに分けられます。

①自宅利用型テレワーク(在宅勤務)
②モバイルワーク
③施設利用型テレワーク(サテライトオフィス勤務など)

みなさんはどのスタイルを活用しているでしょうか。コロナで「自宅待機」を求められていた背景を考えると、①が定着した人は多いのではないかと思います。私もその一人です。

在宅勤務で日々感じるのは、ZoomやSkype、teamsなどのweb会議以外は「基本一人の時間である」ということ。家族はいるとしても、一人で仕事をする、という点がこれまでの職場での仕事との大きな違いです。この「一人の環境」の中でどこまで生産性高く仕事ができるか、そしていかに健康的に仕事ができるのかが重要な観点です。

例えば、1時間に1回ストレッチをするなど、運動不足解消のため工夫されている人も多いでしょう。人によっては平日の勤務時間中に朝や午後にランニングをしている人もいるかと思います。これ、コロナ前のオフィス環境ではなかなか許されなかったことです。今では「在宅勤務=運動不足=健康管理が大事=適度な運動が必要」という大義名分のもと、業務時間中の時間をうまく使っている人は多いと思います。これは、時間という資源を生産性高く使うために、個人に裁量が与えられているとも言えます。

つまり、テレワーク下での仕事の良し悪し、健康維持はそのほとんどが「セルフマネジメント」に委ねられるということです。会社に行って時間が過ぎて業務終了と思っていた人からすると、自分で管理する方が面倒という人もいるでしょう。どう活用するかは自分次第。そうなると「セルフマネジメントの仕方」が大切になってきます。

4つのセルフマネジメント

オフィスや事務所にいると、会社が幸か不幸か制約条件をつくってくれています。しかし在宅勤務ではそれがほとんどありません。ついダラダラと自分のペースでやってしまいがちです。だからこそ、自分自身で制約を作る必要があります。そこで4つの視点で必要なセルフマネジメントについてみてみます。

1.タイムマネジメント

セルフマネジメントの1つ目は、基本中の基本の時間管理です。スケジュール、時間割を決めるということ。始業時間、休憩時間、終業時間を自分で決める。そしてそれを守る。無計画な人がキビキビ動いているのを見たことがありません。ダラダラを撲滅するには何よりも計画を立て、それを実行していくことからです。

2.タスクマネジメント

スケジュールは時間の管理ですが、それとともに重要なのが「何をやるか」というタスク管理です。こちらも基本ですが、ToDoリストを作成して、それをひとつひとつこなしていく。これはアナログですが有効な手法です。全部やり切ったら今日の業務は終了、と一日の仕事の全貌を見える化することで、きっぱりと仕事を終えることができます。これもダラダラをなくす重要なポイントです。

3.ワークスペースマネジメント

これは簡単に言うと「誘惑に負けない環境」 を自分で作るということです。家の中は誘惑天国です。好きなテレビ、映画のサブスクサービス、といったエンタメはもとより、子供からあそびやゲームのお誘い、SNSの止まらない通知など、延々と続く誘惑に集中力は途切れっぱなしです。そうならないためにも、「仕事をする場所」を確保しましょう。そして、そこにはノイズ(誘惑)を持ち込まないことです。

ノイズには音で対抗、ということで、ヒーリングミュージックをBGMとして流すことも有効です。邪魔をシャットアウトしたリラックスできる環境を意図的につくりましょう。

4.メンタル&フィジカルマネジメント

集中できるかどうかは集中力を維持できるマインドセットと体をキープできるかにもよります。オフィスと違って、自宅の仕事場の椅子は腰に悪かったりします。カラダの痛みやだるさは結果的に集中力を阻害します。カラダの血流を良くし、脳にも血流がいきわたるように食事、運動、睡眠の意識を高めて、心身ともに、集中できるカラダをキープしましょう。

この「心身の健康」で最重要ポイントとなるのは「睡眠」です。自宅に閉じこもった生活はダラダラと夜更かしをしてしまい、睡眠時間がバラついたり、起床時間も不安定になりがちです。朝、睡眠不足を感じた状態でスタートすれば、集中できるものもできません。まずは寝る時間を決めて、その時間を軸に逆算で生活のリズムを作っていきます。

そして、睡眠以外で心身を健康に維持する上で重要なのは、「太陽の光を浴びる」ということです。1日に最低1回は外に出て歩く、軽いランニングをするなど太陽を浴びて、体内時計のリセットと、ホルモンバランスの維持を行いましょう。適度な運動はほどよい空腹感を生み、食欲増進にもつながります。運動→食事→睡眠という良いサイクルを回しましょう。

意図的に「ストレス」を味方につける

パフォーマンスと緊張の関係について「ヤーキーズ・ドットソンの法則」と呼ばれる心理法則があります。学習者のやる気を引き出し、学習効率を向上させるために行う動機づけに関するものです。

ヤーキーズ・ドットソンの法則とは、「高すぎず低すぎない適度な緊張状態の時、人は最適なパフォーマンスを発揮できる」という法則です。つまり、ハイパフォーマンスな状態でいるためには「ストレス」がある程度必要ということです。オールフリーな状態では、人間は高いパフォーマンスを発揮できないのです。

在宅勤務のテレワーク環境は、下手するとストレスゼロの状態になりかねません。そのためにも、先の4つのマネジメントの視点で、自分で自分を律する、ストレスを適度にかける必要があるということです。

テレワークの先にある問題

テレワークはセルフマネジメント次第で楽に効率よく仕事ができる、正にニューノーマルな新しい働き方です。しかし、この働き方が定着した先に、何も問題がないかというとそうではなさそうです。

中でも不安視してしまうのが「孤独」。家族との同居であれば、それほど大きな問題はないのかもしれませんが、一人暮らしだと「孤独」は大きな問題になりえます。職場では気軽に雑談でき、人と人のふれあいがあったところが、それがやりにくくなる在宅勤務では「さみしさ」「孤独」とどう戦うのかという別の問題が出てきます。

ビジネスではよくセレンディピティの重要性が叫ばれます。昔で言うところのタバコ部屋、給湯室が実はクリエイティブなアイデアが出る場所という話はよく聞きます。いわゆる「雑談」が生まれる場所です。雑談が多いチームは創造性や生産性が高いという調査結果もあります。これは生産性の視点だけではなく、メンタルヘルスの側面でも重要と言えます。

意図的に「雑談の場」を持つべくカジュアルなミーティングをスケジュールに入れる、「Zoom飲み会」などのオンラインツールを使ったコミュニケーションの場を持つなど、意識して「雑談をする」という工夫が組織の仕組みとして必要になってきそうです。

企業側も、インフォーマルなコミュニケーションの量をキープできるように、チャットツールや、チームメンバーとのSNS活用など柔軟な対応をしていく必要があります。「雑談する仕組みとスキル」が組織には求められていくと思います。ここを軽視してしまうと、社員の孤独化が進み、メンタルへの問題に早い段階で発展する危険があります。

まとめ

ニューノーマルな働き方として、テレワーク(在宅勤務)はこれからのスタンダードになるのは確実でしょう。その時に、生産性高く仕事し、健康な心身を維持できるかは、自分で「適度なストレス」をデザインできるかにかかっています。

スケジュール、タスク、ワークスペース、メンタル&フィジカル、こうした4つの視点でセルフマネジメントをし、適度にストレスのある毎日を送りましょう。

また、放っておくとコミュニケーションの量は低下し、孤独という次なる問題に発展しかねません。だからこそ、手持ちのツールをうまく使いながら、「会話」「雑談」の時間と量を自ら確保していくことが大切です。

人は一人では生きていけません。周りにいる人の存在に改めて感謝し、その人達との向き合い方を改めて考えてみましょう。今まで自然とできていたことができなくなっている状況です。自分で動いて、人間関係をキープすることもニューノーマルな働き方には重要な視点です。

この「新しい働き方」の波をうまく乗りこなし、周りも、自分もHappyな働き方を自分で創り上げましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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やわらかメガネりょう
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